【インタビュー】第84回▶金沢学院ラグビースクール(石川県)

2021年春、石川県に待望のラグビースクール誕生
石川県内で6番目のラグビースクールとなる「金沢学院ラグビースクール」が、2021年春に設立されました。運営するのは学校法人金沢学院大学です。2022年4月には、金沢学院大学附属中学が開校予定で、石川県にはこれまで中学生を対象としたラグビースクールが1つしかなく、ラグビーを続けたい子どもたちの新たな受け皿となるのが同中学校なのです。この春、一足先に小学生を対象にしたラグビースクールがスタート。これで小学生から大学まで一貫してラグビーができる環境が整うことになります。どんなチームを目指しているのでしょう。中学校設置準備室でラグビー部顧問の森下直樹さん(23歳)にお話を聞きました。


ラグビーは困難を乗り越える力が付く
北陸から全国へ進むチームを増やしたい

村上 森下さんは中学1年生のときにラグビーを始められたそうですね。
森下 大阪の守口市に住んでいて、地元の庭窪中学校に進学しました。この学校にはサッカー部、野球部ほかたくさんの運動部がありましたが、僕はラグビー部が気になっていました。同じように、小学校のときに仲の良かった友達が全員でラグビー部に入ろうという話をしていたので、僕も一緒に始めることにしました。1年生だけで12人ほどいました。実は庭窪中学はあまり強くなくて、単独チームで大会にも出られない状況だったのですが、1年生がたくさん入部したことで大会に出られるようになったんです。

村上 どうして、みんなラグビーをやろうとしたのですか。
森下 言い出した子が小学校まで空手をしていたのですが、庭窪中学校には空手部がありませんでした。彼は体も大きかったので自分を生かせるスポーツを考えてラグビーに入部することにしたようです。影響力のある子だったので、みんな巻き込まれた感じです。僕は、がっつりラグビーにハマりました。

村上 何が面白かったのですか。
森下 僕は不器用で猪突猛進型です。ポジションはフランカーで、ひたすらタックルすることが楽しくてラグビーを続けました。気の合う仲間との時間も楽しかったです。興国高校でもラグビー部に入りました。練習は厳しかったのですが、仲間とそれを乗り越えることができました。高校で得たのは、苦難や厳しさを乗り越えることができるのだという自信ですね。

村上 金沢学院大学ではラグビー部を休部して、複数の教員免許を取得されたようですね。
森下 高校の先生の姿を見ていて教員になりたいという気持ちがありました。高校地歴、高校公民、中学社会の教員免許を取得しました。欲を言えばラグビーに携われたらいいなというくらいの気持ちで、大阪市の教員採用試験を受けることにしていたのですが、新設される金沢学院大学付属中学校に社会科の教員が必要だということで声をかけていただきました。2022年春に中学を開校してラグビー部を作ること、2021年春に金沢学院ラグビースクールを立ち上げることが決まっていたので、僕がその指導をすることになったわけです。

村上 石川県では6番目のラグビースクールとのことですが、これは金沢学院大学が運営するのですか。
森下 そうですね。金沢学院高校のグラウンドを使います。4月からスタートしていますが、生徒数はまだ5名で、ツイッター、インスタグラムなどで募集中です。来春に中学校がスタートすれば、石川県でラグビースクール、中学校、高校、大学とラグビーを続けられる環境が整います。あとは部員を増やして、石川県も含めた北陸三県が全国規模の大会に出られるようになっていければと思っています。

村上 現状では、石川県には中学生がラグビーをする環境がないということですね。
森下 はい、現状は中学校のラグビー部はございません。ただ唯一、県内の中学生を集めるチームがありますが、週末の活動が中心で、限られた時間にしか活動していません。中学生がラグビーを続けるのは難しい環境です。今回、県内のRSを見て回ったのですが、他のスポーツとかけもちしている子が多いようです。

村上 6つめのRSができたことで、県内の交流大会などは活性化するのではないですか。
森下 目標になる大会が多いほうがラグビーを続ける動機付けにもなりますし、金沢学院はグラウンドもあるので、今後、計画できたらと思っています。


モットーは「考えるラグビー」
「なぜ」と問いかけ、考え、自ら行動する

村上 モットーは「考えるラグビー」とされていますね。
森下 新しいRSを作るにあたって、大阪の新しいRSをいろいろ見学させていただきました。子どもたちが自主的に話し合い、楽しんでラグビーをしているところを見て、子どもたちに自ら考えさせ、実践させるのが今の時代に適した教え方だと実感しました。子どもたちが主体であり、僕らコーチはきっかけを与える存在であるべきです。そういうチームスタイルを作っていくために、「考えるラグビー」を掲げることにしました。

村上 指導方針は「なぜ」の問いかけを意識するということですね。
森下 自ら考えて行動させるとはいえ、機会を与えないと考えませんよね。授業でもラグビーでも同じですが、教育者側が、なぜ?と問いかえれば子どもは考えます。ラグビーの場合はチームで考えさせ、それを自ら実践していってもらう。上手く行ったら、なぜ上手くいった?となぜを問い続ける。そして自ら行動させるのがひとつの目標です。

村上 将来、子どもたちにどんな大人になってほしいかという質問に対して、「協力し、他者を尊敬し、すべての人と支えあう、そしてどんな困難も乗り越える大人になってほしい」と答えていますね。
森下 なぜという問いかけは、考えさせることにつながるだけではありません。他人と協力する、悩んでいる姿を見て応援する、一緒に考えるなど、子どもたちがさまざまな姿勢を見せてくれます。そういう姿勢を見ていると、考えさせることが、教育上もラグビーをする上でも大切だと感じます。問いかけることは、立派な大人になっていくきっかけになると思います。

村上 目指すプレースタイルの「チャレンジラグビーとは、どういうことですか。
森下 考えた内容を披露する場でチャレンジしようということです。なぜという問いかけをチーム内で子どもたち自身ができるようになれば、トライを取られたときに修正できると思います。いろんな意味でチャレンジするというイメージですね。

村上 金沢学院RSの対象学年は。
森下 小学1年生から6年生までです。どなたでも申し込んでいただけますし、会費も無料です。

村上 無料なのですか。
森下 グラウンドはありますし、ある程度の人数に到達するまでは、こちらで保険代も負担します。金沢学院RSとしては、石川県のラグビー人口を増やし、中学校でもラグビーを続けてもらうことにつなげたいのです。

村上 保護者の皆さんに、なぜラグビーをすると良いのですか、と問われたら、どう答えますか。
森下 ラグビーは幅広い進路選択につながると思うんです。どんな高校、大学でもラグビー部だったということで、相手の受け取る印象が変わります。ラグビーは将来の選択肢を増やしてくれるスポーツでもあります。続けるか続けないかで見える世界は違います。ラグビーをしていた人とのつながりは濃く、ラグビーをプレーすることで、大変な社会を乗り切る力もつきます。いろいろなタイプの友達ができるし、一生の友達もできます。ラグビーを続けて損をすることはまったくありませんよ。

村上 森下さん自身の夢を聞かせてください。
森下 指導した子どもたちが、いずれ日本だけではなく世界で活躍する人間になっていってほしいです。考えて、いろんな困難を乗り越え、人を助けるような寛容さを持った人間に育ってくれたら嬉しいですね。欲をいえば、誰に教えてもらったの?と聞かれたら、森下先生と言ってもらえれば(笑)。



ラグビーキッズ
ラグビースクールネットワークインフォメーション(ラグネット)
アンケート


1、ラグビースクールの名前
 金沢学院ラグビースクール

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等

   


3、代表者名
 野村倫成

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
 石川県金沢市末町10 中学校設置準備室
 連絡先:森下
 080-3104-6998
 morishita@kanazawa-gu.ac.jp
 申し込み:https://forms.gle/9zZfD1b66rwRd4nX8

5、活動場所・練習場所
 金沢学院グリーンフィールド 等

6、練習場所は天然芝、人工芝、土等
 人工芝

7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
 現在調整中

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
 入会費無料、運動靴、ガッツと笑顔

9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
 現在は5人、男3人・女2人

10、コーチ人数、指名、経歴等
 6人

11、モットー・大事にしている事・理念
 「考えるラグビー」

12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
 選手がしたいプレーを追求する、子供たちが主体

13、    指導方針・教育方針
 自ら考えて、実践させる。
 あくまで私たちはそのきっかけづくりに徹底する。
 「なぜ」の問いかけ

14、ラグビー以外の行事
 現在調整中

15、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
 可能です!!

16、保護者の活動への参加・サポート
 歓迎です!

17、どんなスクールを目指すか(将来像)
 「考える」を根幹に、どんな困難にも乗り越えられる勇気を育む

18、 生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)
 協力し、他者を尊敬し、すべての人を支えあう、
 そしてどんな困難も乗り越える大人になってほしい

19、プレースタイル
 チャレンジラグビー


関連記事