東京2020オリンピック・リエゾン・ボランティア

 オリンピック活動報告
 
 はじめまして!30年以上前に岐阜ラグビースクールでラグビーをはじめました服部貴紀です。茨木ラグビースクールとのホームステイも経験しています。 https://rkids.jp/article/62042 今回、東京2020オリンピックで7人制ラグビー ロシアオリンピック委員会(以下、ROC)チームのリエゾン・ボランティアを行いました。

【インタビュー】第27回▶岐阜ラグビースクール(岐阜県)

Rkids<ラグビーキッズ>
ROC集合写真 後から2列目右端が筆者
【リエゾンとは】
 リエゾンというのは、”つながり”を意味するフランス語が語源であり、その名の通り海外から来るチームと大会開催国の運営組織(今回なら東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)をつなぐことが役割です。チームに帯同し通訳やバスの手配はもちろん、チームからのあらゆるリクエストに答えます。
 
【リエゾンになるまで】
 私はJICA-JRFUスクラムプロジェクトという、主にアジアへのラグビーを通じた国際協力プログラムに参加した経験があります。JICA海外協力隊(当時は青年海外協力隊)ラグビー隊員としてキルギス共和国とインドネシアで子供たちにラグビーを教えてきました。2015年にはキルギス共和国で、林敏之さんにラグビー寺子屋を開催していただきました。その後、インドネシアでラグビー普及活動を行い、2019年4月に日産スタジアムで行われたこどもラグビーワールドフェスティバルでは、インドネシア代表コモドスのコーチとして来日しました。
 
 海外にラグビーを指導しに行ったのですが、はじめは『言葉がわからない、右も左もわからない』という状態でした。そのような時、いつも現地のコーチや教え子は優しく私を助けてくれました。その経験から、海外のチームが日本に来た時はできる限りサポートしたいと思い、今回オリンピックボランティアに応募しました。
 
【やってよかったオリンピックボランティア】
 選手もスタッフもみなさんいい人ばかりでした。感染対策のため、ラグビー選手同士が行う力強い握手はできませんが、試合前にコーチや選手とこぶしを作ってコツンとあてる、その時にパワーを送りこみました。
 
【予選プールの終了後に起きためずらしいこと】
 なんと予選プール終了時点で、ROCとカナダは、勝ち点、得失点差、トライ数すべて同じという状態になりました。しかし、電光掲示板に表示されたのは、ROCが1〜8位トーナメント進出、カナダが9〜12位トーナメントへという結果でした。カナダにとっては、この時点でメダルの可能性がなくなってしまうわけですから、すぐにカナダのチームマネージャーからワールドラグビーと組織委員会にクレームが入り、協議が始まりました。協議の結果、カナダのクレームは通らず、そのままROCが上位トーナメント、カナダが下位トーナメントへと回りました。実は、勝ち点、得失点差、トライ数すべて同じ場合、次は予選プールでの総得点が優先されるということでした。予選プール3試合の総得点がROC47点、カナダ45点、つまりワンコンバージョンだけROCがカナダを上回っていたのです。これは大変めずらしいことだと組織委員会の方もおっしゃっていました。
 
 ヒーローズカップをめざす選手のみなさん、トライを取るときはできるだけ真ん中へ行ってコンバージョンゴールが入るようにしましょう。そしてトライを取られそうな時は、最後まであきらめずに追いかけて、できるだけコーナーにトライをさせてコンバージョンゴールが入らないようにしましょう(^_^)
 
【ロッカールームに残されたメッセージ】
最後にロッカールームにチームが残したホワイトボードを紹介します。

オリンピック期間中、私たちをサポートしてくれたすべてのみなさん
そして組織委員会、ボランティア、この大会に関わるすべての人へ
ロシアオリンピック委員会チームはみなさんの努力に大変感謝しています
このようなオーガナイズされた大会を開いてくれた、あなた達は本当にすばらしい
笑顔をありがとう
みなさんのハードワークに感謝!
夢はかなう!
ROCチームは日本に対して、これだけの感謝を示してくれました。
 
これもラグビーが持つ力なのではないでしょうか。
 
これからもラグビーを通じて世界と日本を”リエゾン”していきたいと思います。
 
 
TOKYO2020 7人制ラグビー
ロシアオリンピック委員会 チームリエゾンオフィサー
服部貴紀

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