【インタビュー】明治大学学長 大六野 耕作 〜その3〜

今年は選手層が厚いので、よいところまで行くでしょう。
秋は公式にではなく、こっそり見に行きます(笑)。



村上 ラグビー部の部長を退かれたのは、学長に就任されたからですね。
 
大六野 明治大学では学長になると、体育会会長になります。すべての部を見ることになるわけです。大学の伝統で、学長になったら部長は辞めるということになっています。
 
村上 学内のトイレに行くと、「もう一歩、前へ」と書いてあります。これは北島先生の哲学でもある「前へ」を意識しているのですね。
大六野 明治らしいよね、北島先生の言葉だよね、という反応があるんです。それはそれでいいのかなと。

村上 いまの学生は北島先生のことは知らないでしょうけど、前へ、という言葉が明治大学のラグビー哲学だということは浸透しているのですね。
大六野 それは知っていますよ。明治大学ラグビー部も最近は優秀な選手がたくさん入学して来てくれますが、なかなか来てくれない時期もありました。

村上 今季のラグビー部への期待感はどうですか。
大六野 5月1日に札幌で行われた早稲田との試合も見に行きました。早稲田はどんな前評判のときも明治と戦うときは強い。そんな相手に春先とはいえ勝てたのは良かったです。見ているときはハラハラしましたが、ビデオを見返すとけっこう良いのではないかと思っています。選手層も厚いですから、いいところまで行くでしょう。でも、1年生の早稲田との試合は18年ぶりに負けたんですよ。速報を見ながら、どうした?と思っていました。でも、キラ星のごとく才能が集まっていますから、自分たちを見つめ直すには良かったかもしれないですね。

村上 秋は試合を見に行っているのですか。
大六野 隠れて行っています(笑)。学長として公式に行くといろいろな人が付いてきますから、こっそりです。

村上 早稲田との対戦が楽しみだと思っていたら、その前に慶應に負けることもありますものね。
 
大六野 そうなんですよ。筑波と慶應の試合は最後までドキドキします。筑波はね、何十点離していても追いかけてくる。するとうちは慌てるんですよ。コーチや監督の現役のときからそうですから。あ、来たって思うんでしょうね。

村上 最後に、子供たちとラグビーをしている保護者の皆さんにメッセージをお願いします。
大六野 全国でラグビーをやっている皆さん、ラグビーを心から楽しんでください。今は難しい時期で、いろんなことができないことがあるかもしれません。知恵を絞りましょう。いろんなことをやりましょう。そして、将来に向かって頑張っていただきたいと思います。お父さん、お母さん、ラグビーをやって後悔することは絶対にありません。これからもどうぞラグビーをご贔屓に!


大六野 耕作(だいろくの・こうさく)
明治大学学長。1977年明治大学法学部卒業。同大学院政治経済学研究科博士後期課程単位修得退学。
専門は比較政治論。政治経済学部長や副学長(国際交流担当)等、数多くの要職を歴任。また、デューク大学、ノースイースタン大学、ラオス国立行政学院、ラオス国立大学でも教鞭をとるなど、国際的にも活躍。
1954年、福岡県生まれ。福岡県立筑紫丘高校時代はラグビー部で活躍。明治大学体育会ラグビー部の部長を長年務めた。


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