ラグビーキッズ特派員だより

第14回ヒーローズカップ中四国大会は岡山県の水島緑地福田公園にて最低気温が氷点下という寒さの中行われました。前日は強風が吹き、四国からくるチームが通ってくる瀬戸大橋が通行止めになるという心配された状況でしたが、翌日は風もおさまり、参加することができました。大会は中国5県から予選を勝ち抜いた5チームと四国4県から勝ち抜いた3チームによる8チームのトーナメント戦で決勝大会に進む1チームを決定します。
 さて、一回戦の徳島と鳴門の同県対決となった一戦は両チームともアタックに優れ、大型選手が力強いゲインをしていました。前半を同点で折り返しましたが、徳島に負傷者が出たこともあり、鳴門がPKからの攻撃をものにして決勝トライをものにしました。同時に行われた岡山対山口は接戦が予想されました。山口のインターセプトからのトライで岡山がリズムを崩し、本来の力が出せず惜敗しました。山口は果敢にBKに展開、タイミングの良いパスでライン際を快走していました。前半に山口が2トライするも後半はスコアレスという緊迫した試合でした。続く試合は倉敷対宇部小野田。倉敷がBKの展開と突破力のあるランニングで前半に1トライ。後半にも2トライし快勝しました。宇部小野田は健闘し、よくタックルに入っていましたがタックル後押し込まれる部分で後手に回ってしまいました。しかし、終了前に1トライをあげ一矢報いました。安芸府中対松山はBKの安芸とFWの松山という好対照なチームの対決となりました。松山の大型選手の迫力ある突進に安芸が受け身になる場面もありましたが、安芸はBKに展開しディフェンスのギャップをついてどんどんゲインしていま した。集散の速さが点数につながりました。結果25-15で安芸の勝利。
 準決勝第一試合は山口対鳴門。鳴門の大型選手たちが突進しますが山口はよく粘ってタックルに入ります。鳴門の突進ももうわずかでゴールまで行きそうなのですが、山口のジャッカルの速さにノットリリースの反則たびたび。攻めては山口BKが良く展開します。山口のいいところはストレートランニングができていること。ラインが流れず、しっかり相手をひきつけてタイミングのいいパスを出します。結果20-5で山口が勝利。準決勝第二試合は倉敷対安芸府中。安芸が試合開始早々にBKのギャップを突いて先制トライをあげるも倉敷が取返し、点の取り合いになるかと思われましたが、倉敷のBKは間隔の広いラインに確実なパスを見せて立て続けにトライをあげ突き放します。オフロードも見られ質の高いプレーを見せました。結果40-15で倉敷の勝利。
 さて決勝戦はこの大会からコロナ対策もやや変更して間隔を取りながらもこの日出場の全チームの選手、保護者の方がグラウンドを取り囲み観戦しました。試合は倉敷BKが縦横無尽に走りまくり、それを山口が懸命にディフェンスする構図となりました。倉敷の力強いBKのスピード、パワーは素晴らしく次々にゲインラインを突破します。タックル後のアライビングプレーヤー(二番目にくる選手)の動きも素早く、連続攻撃を可能にしていました。山口もタッチライン際でBKが短いパスを何度もつなぎトライをあげます。終了前に山口がトライをあげて15-10と追いすがりますがここでノーサイド。声での応援は自粛してほしいとのことでしたが、グラウンド周囲を埋め尽くす観客からは両チームの素晴らしいプレーには思わず歓声が上がりました。
結果、倉敷が喜びの決勝大会初出場となりました。横浜での健闘に期待しましょう。


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