【インタビュー】第87回▶スタッグスジュニア鹿島ラグビーフットボールクラブ(茨城県)

ラグビーを通して、人間的に成長し、人生を豊かにする
スタッグスジュニア鹿島ラグビーフットボールクラブ(通称:スタッグスJr.)は、幼児、小学生を対象にしたラグビースクールで、茨城県鹿嶋市で活動しています。地域のラグビー経験者(清真学園OB含)が作った社会人クラブが母体になっていることもあり、練習は清真学園のグラウンドで、毎週の日曜日の午前中にラグビーを楽しんでいます。一貫して「ラグビーを通して…」が運営方針で、仲間と触れ合う、スポーツの楽しさを味わう、人間的に成長し、人生を豊かにすることをクラブ運営の中心に据えています。三浦幸久ヘッドコーチ(48歳)にお話を伺いました。


地域のラグビー経験者が鹿嶋市でのラグビー普及を目指して設立


村上 三浦さんのラグビーとの出会いを聞かせてください。
三浦 私は山口県の出身で、子どもの頃からサッカーをやっていたのですが、進学した萩高校には当時サッカー部がありませんでした。キックが得意でキックを使うスポーツで探したらラグビー部があったのですが、当時の部員は3年生2名、2年生6名ほどでした。それで中学時代に交流のあった各中学の友人を誘いラグビー部を乗っ取って、サッカー部に変えてしまおうと考えたんです(笑)。1年生が18人も入部してしまいました。

村上 その18人がいずれサッカー部にしようとたくらんだわけですね。
三浦 そうなんです。ところが、県の1年生大会に出場したら結構勝ち上がって、ラグビーにのめり込んで行きました。その頃の山口県は大津高校(現・大津緑洋高校)が強くて、全国大会でもベスト4に進出したような時代です。我々の代は運動能力が高い生徒が多かったこともあって、その大津とも良い試合ができました。山口大学でもラグビー部に入り、大学院時代は社会人のクラブチームでプレーしました。

村上 そこから鹿嶋にどうつながるのですか。
三浦 仕事で鹿島地区にやってきたのが25歳の時でした。鹿島地区には大きなコンビナートがあります。コンビナート各社合同のラグビーチームがあって、そこに所属していました。その後5年ほどアメリカに赴任し、帰国した時には県内ではクラブチームがほとんど無くなっていました。そんなとき、アパートの隣の部屋に住んでいた人の息子さんが私の長男(大幸・ひろゆき)と同級生で、スタッグスジュニアに入っていたんです。

村上 それで誘われたのですね。息子さんをスタッグスジュニアに入れると同時に、コーチになられたのですか。
三浦 経験者なら手伝ってくれませんかと言われて、もう10年になりますね。息子はいま清真学園高校の1年生でラグビー部に入っています。次男(慶大・よしひろ)は小学生でスタッグスジュニアにいて、清真学園高校でラグビーを続けるといっています。

村上 チームの設立は、1990年ということですが、経緯はご存じですか。
三浦 地域のラグビー経験者が、鹿嶋でラグビーを広めたいということで「スタッグス」という成人のクラブチームを作りました。そこから、ジュニア(ラグビースクール)ができました。スタッグスは雄の鹿という意味です。鹿嶋のシンボルです。

村上 清真学園のグラウンドで練習しているようですね。
三浦 清真学園OBで慶応大学ラグビー部の監督もされた和田康二さんのお兄さんの健一さんが、現在、清真学園高校ラグビー部の監督なんです。その息子さんと私の息子がスタッグスジュニアで同級生でした。当時、清真学園は部員が少なく、スクールで育った子どもたちが清真学園でラグビーを続けてくれたらいいなという思いがありました。それから10年を経て、最初に指導した子供たち8名が高校1年生になったわけです。いま卒団生の14名が清真学園中学・高校でラグビーを続けています。清真学園は寮もなく地元の生徒が通う地域密着の学校です。この地域でラグビーを続ける道筋を作りたかったので、いい流れができました。

村上 しかし、清真学園は受験がありますよね。
三浦 中学にラグビー部の無い学校に進学した生徒もいます。ラグビーを続けたい子たちはスタッグス中学部のクラブチームに所属し、清真学園中学と共に活動をしています。これは各校に働きかけ、正式な部活動として認められています。その子たちは勉強も頑張り、清真学園高校に合格しました。

村上 他の学校に行く子もいるのですか。
三浦 茗溪学園中学や水戸農業高校に行った生徒もいます。清真学園に行くことを強制はしていません。行きたいところに行ってもらっています。


固定観念にとらわれず、子どもを縛らず、
オールラウンドな運動能力を身に着ける



村上 三浦さんはヘッドコーチを務めていらっしゃいますが、指導方針について聞かせてください。
三浦 まずは規律を守ることを大事にしています。ラグビーができることに感謝して、グラウンドに向かって大きな声で挨拶をするなど礼儀は教えこんでいます。練習については楽しくやることがモットーで、みんなで走って、動きまわってというラグビーを目指しています。体が大きいからFWなど固定観念にとらわれず、子どもを縛らず、オールラウンドにいろんなことができるようになってほしいです。そうすれば将来他のスポーツをしても力になると思うんですよね。

村上 ラグビーは体同士のぶつかり合いもありますね。ここは、どのように指導されていますか。
三浦 怪我の防止を大事に考えています。タックルの際に逆ヘッドにならないことや、相手の倒し方などはきちんと教えています。僕は10年間指導していますが、骨折した選手はいません。コーチの皆さんが良い指導をされていると思います。

村上 ヒーローズカップには出場されるのですか。
三浦 出場していません。コーチが人数的に少ないこともあって体制が整わないからです。でも今後はチャレンジしていきたいですね。

村上 目標としている大会はありますか。
三浦 毎年12月に県内のラグビースクールのトーナメント戦があります。一年の集大成の大会なので、そこで優勝するのが目標です。常総ジュニアラグビーフットボールクラブという強いチームがありますので、そこに勝つことを最終目標にしています。

村上 一貫して「ラグビーを通して…」、さまざまなことを学んでもらうのが運営方針とのことですね。
三浦 ラグビーを好きになってもらうことが、「ラグビーを通して…」につながると思います。純粋にラグビーを楽しんでもらって、結果的にたくさんの人とのつながりができ、交友関係が広がればいいと思います。

村上 スタッグスジュニアならではの取り組みはありますか。
三浦 コロナ禍でさまざまなことができなくなっていますが、例年は地域とのかかわりを作る上で「鹿嶋ラグビーフェスティバル」を開催しています。清真学園の中学、高校のお兄さん、スタッグスの成人チームも参加し、銚子や成田のラグビースクール、近隣の小学校にも呼び掛け、タグラグビーなどしています。スクール生を集める目的もありますし、ラグビーの楽しさを知ってもらう活動です。

村上 三浦さんはラグビーのどこに魅力を感じていますか。
三浦 最初はサッカーが大好きだったのですけどね(笑)。現役時代は強くなりたいと思って自ら楽しんでいましたが、引退して感じるのは、激しい競技の割に長く携われるスポーツだなということです。いまは子どもにラグビーを教えていますが、その成長を見るのも楽しいですよ。個人的には、仕事上でラグビーの方に出会うことが多いと感じます。役員クラスの方も結構多いです。ラグビーの醍醐味はコンタクトスポーツであるところであり、気持ちが入っていないとできないですよね。そこをしっかり持った人が社会人になっても心を強く持って仕事している方が多いのでしょうね。ラグビーをやっている者同士とわかると話が盛り上がる。それは他のスポーツ以上で、ラグビーの特徴だと思います。ラグビーを経験した人たちはラグビーに取りつかれている人が多いんですね(笑)。ラグビー憲章にある通り、品位を持ち、規律があり、相手をリスペクトするとこを大事にしていますよね。ラグビー憲章は社会人として立派に通用する理念ですし、子どもたちにはそれを理解して巣立ってもらいたいと思っています。




ラグビーキッズ
ラグビースクールネットワークインフォメーション(ラグネット)

アンケート

1、ラグビースクールの名前                
 スタッグスジュニア鹿島ラグビーフットボールクラブ(通称;スタッグスJr.)

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等

3、代表者名 

 HC 俵 大樹 

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
 事務局 和田みゆき miyuki.1225@nifty.com
 FB有 スタッグス鹿島ラグビーフットボールクラブ

5、活動場所・練習場所
 清真学園グランド 

6、練習場所は天然芝、人工芝、土等  
 
7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
 日曜日 9:00~11:00(8月活動休み)

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
 小学生 年間10,000円 幼児 年間7,500円
 ヘッドキャップ シューズ 動きやすい服装 水筒 タオル 
 ユニフォーム レンタル希望者にも対応可 

9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等  
 38人 うち女子選手2人

10、コーチ人数、指名、経歴等
 13名

11、モットー・大事にしている事・理念
 ・一貫して「ラグビーを通して…」が運営方針
 ・ラグビーを通して,
  -仲間とふれあう
  -スポーツの楽しさを味わう
  -人間的に成長し,人生を豊かにする。などです。 
 このようなラグビーの楽しみ方をクラブ運営の中心に据える事で、それがラグビーそのものを楽しみ、ラグビーを根本的に愛することができると確信しています。

12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
 ・全員試合出場
 ・基本的に子供達の心と身体能力の成長が目的でラグビーはその手段 まさに「ラグビーを通して」 

13、指導方針・教育方針
 ・礼に始まり礼に終わる(規律を守り感謝する)
 ・良く「聞く」「見る」「話す」そして「考える」
 ・できないことも諦めずに挑戦する
 ・良いプレーには称賛を、ミスは全員でカバーする

14、合宿・場所・期間・参加年齢等
 2022年度9月23日~24日銚子スポーツタウン(千葉県銚子市) 

15、ラグビー以外の行事

 全国穴掘り大会出場

16、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか 
 可能

17、保護者の活動への参加・サポート
 保護者には任意で活動に関わってもらっています。コーチ・事務局は、自主的な参加を歓迎しております。

18、どんなスクールを目指すか(将来像)
 スタッグスは常にラグビーを楽しめるクラブ,ラグビーのすばらしさを認識できるチームであり続ける努力を継続します。また,地域に密着し,ラグビー愛好家の欲求を満たすことのできるクラブ運営を目指します。現在のトップチームを中心に,ビギナー,ジュニア,シニア,レディースの各チームを設立して,経験や年齢を問わずにラグビーを楽しめる環境を,この鹿嶋をホームとして整えていきたいという夢を描いております。

19、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)
 ・自ら考え行動し発信できる人間
 ・常に感謝を心掛け、思いやりを持って人と接すことの出来る人間

20、プレースタイル
 全員で走り、サポートしてボールを繋ぎトライを取る楽しいラグビースタイル

21、交流する他のラグビースクール 
 成田チャオズ 銚子RS 茨城県内RS

22、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)
 清真学園ラグビー部(中学/高校) 鹿島ラグビー協会


保護者アンケート

1、このスクールを選んだ理由
 紹介を受けたから
 兄弟が在籍していたから
 未経験者も参加できるイベントを度々開催してくれていたから
 見学体験の際に活動内容などを詳しく説明を受けることができたから
 スクールの雰囲気が良く、子供も楽しんでいたから
 茨城県鹿行地域に唯一あるラグビースクールだから

2、このスクールの良い点
 子供のレベルに合わせ、ラグビーを楽しく取り組める指導をしてくれているところ
 ルールやプーレだけでなく礼儀にも気を配ってくださるところ
 1人ひとりに向き合い、個人のいいところを伸ばしてくれるところ
 仲間を思いやりあい、信頼し、勇気や行動力を高めることができるところ
 チーム全体がアットホームであり、子供たちが楽しめるような企画をいつも考えてくださっているところ
 コーチ陣が手厚く、熱心で愛情深い指導がうけられるところ
 保護者の負担が少ないところ 組織の統制が取れているところ
 週1の練習 習い事がかぶらず8月は練習無しのところ(他の遊びやスポーツ、家族との時間も取れる)

3、スクールに改善して欲しい所
 大半が特になし
 より良いグランドを定期的に使う機会が欲しい

4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 運動が好きになった
 自信がつき、チーム内で声をかけあう積極的なコミュニケーション能力が得られた
 団体行動ができるようになり、団結力が芽生えた
 試合に負けた事を機に、強くなりたいと言葉に出すようになった
 人の話をよく聴くようになり、自分で考えて行動するようになってきた。
 色々な大人に教わることで、世界が広がった。

5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 週末も規則正しい生活となり、体力作りに力を入れるようになった
 自分の居場所を得て、認めてくれる仲間がいるのは自己肯定に繋がると感じた
 休日にも学外の友人と会える喜びを感じている
 子供自身が希望進路の為には勉強も必要と気付き、トレーニングも勉強もするようになった。
 親の交友関係も広がった

6、ご自身もラグビーが好きになりましたか
 好きになった等 ・・17/18
 まだよくわかりません・・1/18
 スクールでの貴重な体験によって、子供たちが体力的にも精神的にも大きく成長していると実感している
 これからも成長を楽しみに応援していきたい

7、どんな大人になって欲しいですか
 ラグビーのように、一歩ずつでも前に前に進み、

 1人で困難なときは周りの仲間と力を合わせて進める力をつけてほしいラグビーを通して心や体で学んだことをいかし、人との出逢いを大切にし、勇気や志を高く、
 色々なことにチャレンジしてほしい
 多様性を認め周囲に気遣いができ、責任感を持って何事にも挫けないような大人になってもらいたい
 目標に向かって日々の積み重ねに取り組めるようになってもらいたい
 規律があり、他者を思いやることができ、状況判断ができるような大人になってほしい
 健康で、自立した大人になってほしい
 リーダー資質のある人になってほしい
 自分の意見をしっかり持ち、人生を楽しめる人になってもらいた


8、 スクールに入れてよかったですか

 全てのご家庭から良かったとご回答


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