【インタビュー】第85回▶関ラグビースクール(岐阜県)

ラグビーがプレーできることに感謝の気持ちを忘れない!
日本のほぼ中央に位置し、「刃物の町として知られる岐阜県関市で活動するのが関ラグビースクールです。1988年、全国高校大会の常連である関商工高校ラグビー部関係者によって設立されました。市内のふる里農園広場、稲口グラウンドで土曜、日曜の午前中に練習しています。モットーは、「ラグビーをさせて頂ける事に感謝の気持ちを忘れない事!」。県内のみならず、他府県と積極的に交流試合も行っています。岐阜県ラグビーフットボール協会のコーチ委員長であり、関RS代表を務める炭竈宏光さん(45歳)にお話を伺いました。


ヒーローズカップ参加を機に
本格的に生徒募集、強化が進み始めた


村上 炭竈さんのラグビーとの出会いを教えてください。
炭竈 子どもの頃からサッカーをしていたのですが、中学1年の途中でラグビー部に入りました。その後、関商工(関市立関商工高校)から中央大学に進学し、三菱自動車岡崎に就職してラグビーを続けました。その後、家業を継ぐために実家に戻って、関ラグビースクール(RS)と出会ったというわけです。

村上 関RSが設立された経緯はご存じですか。
炭竈 設立は1988年なのですが、関商工のラグビー部を立ち上げた平田大栄先生と私の恩師でもある関商工ラグビー部の山口正昭監督が中心になってラグビー普及を目的にRSを作ったそうです。私の長男(克斗)は20歳になりましたが、幼稚園の年中のときにRSに入って、そこから私も関わり始めました。その後、次男(柚斗)も入りました。

村上 当時はどれくらいの規模でしたか。
炭竈 小学生が全学年で約20名くらいでしたね。人数が増えてきたのは、長男が小学6年生のころからです。その頃、小学生の全国大会ヒーローズカップの存在を知って、出場しようということになり、そこから本格的に生徒集めが始まりました。

村上 岐阜県のRSはどれくらいあるのですか。
炭竈 県内に5チームだけです。小学生のラグビーは盛んではありません。我々は第4回のヒーローズカップから出場していますが、第9回、第10回には決勝大会に進出できるまで成長することができました。

村上 どうやって強化したのですか。
炭竈 コーチが若返ったことは一因ですね。私の高校の先輩や後輩が集まって来てくれました。また、タグラグビーが小学校の学習指導要領(2008年~)の中に入ったことで、関市の小学校では盛んにタグラグビーが行われるようになりました。タグラグビーからRSに入って来てくれた子も多いです。

村上 例年、ヒーローズカップが大きな目標になっているのですね。
炭竈 岐阜県にはRSが5チームしかありませんが、県外に出ればいろんなチームと交流することができます。以前の関RSは学年ごとに活動していたのですが、ヒーローズカップは、5、6年生の大会だったので、それに沿ってカテゴリー分けするようになりました。5、6年生は全員メンバーに入れて出場します。

村上 生徒数は現在、小学生で50人、中学生で35人ということですが、中学生の部を作ったのはいつからですか。
炭竈 3年前です。関市の中学校の部活動でラグビー部があるのは3校しかなく、関RSを卒業してラグビー部に入っても、それぞれの部員が少ないこともあって辞めてしまうんです。またラグビー部のない中学に進学する子もいます。保護者の方からもラグビーを続ける環境がないという意見を聞いて、そうであれば中学部を作ってみんなでラグビーを続けようということになりました。いまは小学6年生の子が全員中学部に上がってきます。中学生は学校のラグビー部とRSの二重登録ができますので、学校と連携して活動しています。

村上 学校、スクールの垣根を越えてみんなでやっているんですね。
炭竈 そうです。イコール、それが岐阜県中学校選抜になります。学校のラグビー部だけの子もいて、そういう生徒は学校での平日の練習にだけ参加して、土日の試合などには参加していません。


すべての環境に感謝して活動
担当コーチはカテゴリーで固定

村上 モットーは「ラグビーをさせて頂ける事に感謝の気持ちを忘れない事!」とありますね。
炭竈 礼儀は一番大事だと思いますし、コロナ禍で難しい状況になりましたが、まずはラグビーができる環境に感謝しようということです。グラウンドが使えること、ボールが揃っていること、グラウンドに来られるようにしてくれているお父さん、お母さん、すべての環境に感謝の気持ちを持とうという話はしています。

村上 スキル面の指導は細かくされているのでしょうか。
炭竈 低学年、中学年、高学年というように各カテゴリーで分け、年間を通して練習の計画を立てています。人数の多いRSではありませんから、試合に出るために5年生と6年生が切磋琢磨して競争できますので、カテゴリーで分けています。

村上 プレースタイルは、「ディフェンスからの早いラグビー」なのですね。
炭竈 関商工のプレースタイルは昔から展開ラグビーですので、OBのコーチが多いですから、そうなっていきますね。さまざまな大学の卒業生もいますが、ディフェンスからの攻撃というのは多くのコーチが思っていることです。

村上 これまで指導されていて印象に残っていることはありますか。
炭竈 子どもたちのあきらめない姿勢が印象に残っています。第9回のヒーローズカップでのことですが、このときは東海・北陸大会がなくて、関西大会を勝ち進んで全国大会に出場しました。1トライ差で勝ったり、抽選で先に進んだり、最後にトライが取れた試合もあって、あきらめない姿勢を感じました。

村上 その子たちは、最初から強い代だったのですか。
炭竈 その学年はやんちゃな子ばかりでした。ケンカばかりして、まとまりはなかったです。小学4年、5年生くらいからまとまりはじめました。いつのまにか、俺が、俺が、のチームではなくなっていきましたね。関RSは、保護者コーチが少なくて、5、6年担当のコーチは、ずっと5、6年生担当なんです。

村上 コーチが固定式なんですね。多くのチームは持ち上がりですね。
炭竈 はい、珍しいほうだと思います。

村上 サマーキャンプはどこに行くんですか。
炭竈 近くの少年自然の家に行って、幼児から中学生までをまとめて縦割りでグループに分けます。上の子が下の子の面倒を見るようにするのです。そのグループでウォークラリーや川遊びをします。特徴は、保護者は参加せず、コーチと生徒だけで一泊することです。

村上 幼児も保護者なしで参加するのですか。
炭竈 はい、来ないです。上の子たちが面倒を見ます。どうしても泊まれない子は日帰りで帰ることもあります。

村上 関RS独自の取り組みはありますか。
炭竈 いま2か所のグラウンドを使わせていただいています。ふる里農園広場では、春にひまわりの種まきを手伝ったり、草刈りをしたり、清掃をするなど、社会貢献活動もしています。

村上 2019年のラグビーワールドカップの影響で生徒数は増えましたか。
炭竈 意外に影響がなかったです。他の地域は増えたと聞きますが、なぜか関市は影響がありませんでした。関RSに入ってくる生徒は、保護者がラグビー経験者のことが多いです。生徒募集については、SNSでの情報発信と、保護者の口コミですね。

村上 卒業してラグビーを続ける生徒は多いですか。
炭竈 東福岡、報徳学園、天理、日本航空石川、石見智翠館、中部大春日丘など、県外が多くなっていますが、関商工にも行きますよ。私の息子は2人とも県外に出ました。兄は天理、弟は報徳学園です。

村上 炭竈さんがラグビー指導を続けるのはなぜですか。
炭竈 ラグビーは何に対してもあきらめない心が身につくのは魅力です。いろんな人たちへの感謝もあって、恩返しもしたいし、やめられないですね。関市、岐阜県のラグビーをもっと盛んにしていきたいです。



ラグビーキッズ
ラグビースクールネットワークインフォメーション(ラグネット)
アンケート


1、ラグビースクールの名前
 関ラグビースクール

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等



3、代表者
 炭竈 宏光(すみかま ひろみつ)

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
 〒501-3911 岐阜県関市肥田瀬1243-1 (担当者炭竈or太田)
 問合せ先 090-7309-7887

5、活動場所・練習場所
 《ミニ》ふるさと農園広場
 《ジュニア》稲口グラウンド
 練習場所は天然芝、人工芝、土等
 《ミニ》天然芝
 《ジュニア》河川敷グラウンド

6、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
 《活動時間》土・日9時~12時
 《年間スケジュール》別紙参照②

7、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
 《年会費》15,000円
 《用具》ラグビー道具一式(ジャージ、短パン、ヘッドキャップ、スパイク等)

8、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
 《ミニ》50人(女子2名含む)
 《ジュニア》35人
 ※外国人対応可

9、コーチ人数、指名、経歴等
 《ミニ》28人
 《ジュニア》6人

10、モットー・大事にしている事・理念
 ラグビーをさせて頂ける事に感謝の気持ちを忘れない事!
 ※環境、道具、人等

11、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
 学年ごとではなく、各カテゴリーに分かれており、チーム内での試合出場の
 意識を高めております。

12、歴史・活動実績
 ヒーローズカップ決勝大会(3回出場)

13、OB・輩出トップリーガー
 高校、大学、トップリーガーに様々で多数活躍しております。

14、指導方針・教育方針
 ミニ・ジュニア一環として指導方法の統一、
 感謝の気持ちを忘れない事

15、合宿・場所・期間・参加年齢等
 各カテゴリーに分かれ、夏に合宿を行います(ひるがの高原予定)
 ※参加学年小3~中3まで

16、ラグビー以外の行事
 サマーキャンプ、バーベキュー等

17、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
 掛け持ちは可能です。
 ※既に数名掛け持ちで行っている方もみえます。

18、どんなスクールを目指すか(将来像)
 ラグビーを通じて、チームとしてスタッフ、仲間の絆を深め、信頼できるチーム
 品位、情熱、結束、規律、尊重を大切に取り組んでいきたい。

19、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)
 どんな事にも諦めない大人になって欲しいです。

20、プレースタイル
 ディフェンスからの早い展開ラグビー

21、交流する他のラグビースクール
 上郷ラグビースクール、鈴鹿ラグビースクール、豊田ラグビースクール等

22、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)
 朝日大学、関商工ラグビー部等



保護者へのアンケート

1、このスクールを選んだ理由
 練習体験をして子供達が楽しかった気持ちから決めました。

2、このスクールの良い点
 他府県のスクールと交流する機会があること。
 コーチがひとりひとりよく見てくれていること。

3、スクールに改善して欲しい所
 子供達が楽しく通えているので特にありません。

4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 時間を意識するようになり、ラグビーの準備、片付けなどを自分でやるようになりました。

5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 食事や寝る時間を意識したり、体の事を気にするようになりました。

6、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
 子供が夢を持っているので続けていきますが、子供の意思に任せています。

7、ご自身もラグビーをしていましたか
 未経験(両親共に別スポーツ)

8、ご自身もラグビーが好きになりましたか
 とても好きになり、高校、大学、プロチームの試合も見て楽しんでいます。

9、どんな大人になって欲しいですか
 自分の意思をしっかり持ち、思いやりのある人。
 何事にも感謝の気持ちをもてる人。
 何歳になっても挑戦する気持ちを持っていてほしいです。

10、スクールに入れてよかったですか
 とても良かったです。
 子供達がラグビーにどんどんハマり、上手になりたい!勝ちたい!と気持ちが高まっているのがわかります。
 ※ラグビーを通じて沢山の事が学べる環境だと感じています。




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