【インタビュー】第81回▶西東京ラグビースクール(東京都) 

スクール生ファーストを徹底。愛情で育て、導く
東京都の多摩市、日野市で活動する西東京ラグビースクールは1994年に立ち上げられました。多摩ラグビースクールから枝分かれしたそうです。創設したのは、早大、サントリー、日本代表でも活躍したHO青木佑輔さんのお父さん他有志の皆さん。指導方針は、当初から「中学・高校までラグビーを続けてもらうこと」と、「楽しむこと」、「生徒優先」を重視してきました。現在、小学生の高学年、中学部門を担当するコーチの馬場伊一郎さん(39歳)は、大阪体育大学、日野自動車(現在・日野レッドドルフィンズ)でプレーしたロックの選手でした。どんなスクールなのかお話を聞きました。


ノンストップラグビーで戦い
1軍、2軍は作らず、全員で試合を楽しむ


村上 馬場さんはいつからラグビーを始めたのですか。
馬場 僕は愛知県生まれですが、三重県で育ちました。ラグビーは地元の朝明高校で始めました。高校1年生のときで身長185㎝くらいありまして、当時の齋藤久監督とキャプテンが下駄箱のところで待っていて、「ラグビーをしてみないか」と言われました。待ち伏せです(笑)。練習はしんどかったですけど、ラグビーは楽しかったですね。その後、大阪体育大学、日野自動車で続けて30歳で引退しました。

村上 西東京ラグビースクール(RS)と出会ったのは、いつですか。
馬場 僕が28歳の頃だったと思います。長男(優大)が幼稚園くらいで、日野自動車の先輩が西東京RSで指導員をされていまして、その先輩の息子さんと僕の長男が仲良くしていたので誘ってもらいました。長男は中学2年生になりました。小学6年生の次男(晃大)、小学4年生の長女(愛莉)も西東京RSでプレーしています。幼稚園の次女(笑莉)はこれからですね。

村上 現在の生徒数は約80名とのことですが、関わり始めたときはどれくらいの規模でしたか。
馬場 あまり変わらないのですが、コロナの影響で募集をかけなかったこともあって、今は幼児と小学生の低学年が少ない状況ですね。今後、生徒募集に力を入れたいです。

村上 プレースタイルは「ノンストップラグビー」を掲げているようですね。
馬場 連続的にラックを作るようなラグビーではなく、フランス代表の「シャンパンラグビー」のように、オフロードパスをつないでいくようなスタイルを目指しています。できているとは言えませんが。

村上 コーチ陣が指導上心掛けていることはどんなことですか。
馬場 生徒優先が一番大きなところです。それから、強いチームのように1軍、2軍という分け方はせず、みんな必ず試合に出て、ラグビーを楽しんでもらうようにしています。

村上 すべての大会で全員を出場させるのですか。
馬場 ヒーローズカップなど勝負どころの大会は選抜メンバーを選びます。保護者の皆さんには、大会前、選抜メンバーを選ぶので試合に出られない場合があるということを通知した上で大会に臨みます。それも小学5、6年生だけのことで、基本的には全員出場を目指しています。また、挨拶はしっかりできるようにしたいので、練習前、3秒は頭を下げてお辞儀するようにするなどしています。

村上 練習はどういう分け方をしているのですか。
馬場 幼児、低学年(小学1、2年生)、中学年(小学3、4年生)、高学年(小学5、6年生)、中学生です。僕は昨年まで長女がいる中学年のコーチをしていました。西東京RSのコーチはラグビー経験者が多くないので、保護者にコーチをお願いするところもあって、僕も長女をしばらく見させていただいて、中学生のほうもFWのコーチがいなくなったので手伝ってほしいということで、いまは高学年と中学生を担当しています。


コンタクトしたくない子には
タグラグビーのカテゴリーもあり

村上 9年にわたってコーチをしてきて、子どもたちの指導について何か感じたことはありますか。
馬場 低学年と中学年までは楽しさ優先が良いと思います。ラグビーもやりますが、ゲームで遊ぶような練習もして、高学年、中学生になると組織的なプレーを意識して指導していますね。

村上 指導の難しさを感じることはありますか。
馬場 低学年以下に関しては、「自由人
なので言うことを聞いてくれないですね(笑)。遊びを入れながら、コーチがふざけたりして注目を集める工夫などしています。上の学年は練習の意図を理解して動いてくれるので指導はしやすいです。中学生になると、思春期に入るので声を出すのが恥ずかしかったりして難しいところもありますね。

村上 「頑張って行こう!」というような声が出ないということですか。
馬場 そうです。そういうときは、他の子が声を出したときに褒めて、声を出すように促しています。最近はみんなよく声も出て盛り上がっています。

村上 青木佑輔さんほか、トップレベルの社会人チームでプレー経験のある卒業生も多いようですが、練習を見に来てくれることはありますか。
馬場 青木さんはよく見に来てくださいますね。また、おしるこ大会、豚汁大会などのときにOBに来てもらい、中学生と練習をしてもらうこともあります。引退した選手にも声をかけて、みんなでワイワイ楽しんでいます。

村上 「はじめてのラグビー教室」というのは、どんなことをするのですか。
馬場 これまでは年に一度、生徒を集めるために体験会を開催していました。「お父さんのラグビー教室」、「お母さんのラグビー教室」もあるのですが、子どもたちがどんなことをしているのか、保護者の皆さんにも体験してもらいたいのです。コロナ以前はラグビー教室の後に懇親会をして、コーチと保護者の皆さんのつながりを作るようにしていました。

村上 「はじめてのタグラグビー教室
も開催しているようですが、タグラグビーとミニラグビーは両方楽しめるのですか。
馬場 低学年はタグラグビーなのですが、それ以上の学年でも、コンタクトはしたくないけどラグビーはしたい子がいます。西東京RSの中に、タグラグビーのカテゴリーを作っています。女子選手が中心ですが、中学年になってもコンタクトが怖い子には、タグラグビーを勧めています。どんな形でもラグビーを続けてもらうことを重視しています。

村上 子どもたちが一番楽しみにしているイベントは何ですか。
馬場 コロナ禍でできていませんが、やっぱり菅平高原の夏合宿でしょうね。川口ラグビースクールさんと運動会をしたり、バーベキューをしたり、夜に花火をしたり、思い出作りがメインなんですよ。

村上 これまで接してきて、印象的な子どもはいましたか。
馬場 いまの5年生は我が強いと言えばいいのか個性的です。低学年の時は、「ボールを渡せよ!」とか言いながら、取っ組み合いのケンカをするような感じでした。それが5年生になると、チームプレーの大切さをわかってきて、周囲を生かしながらプレーしている。それを見ていると感慨深いものがありますね。

村上 そういう成長がコーチの喜びなのでしょうね。
馬場 ボールをキャッチできなかった子ができるようになり、タックルができなかった子が試合でタックルすると、しびれるほど嬉しいです。

村上 生徒は随時募集していますか。
馬場 はい。西東京RSは聖蹟桜ヶ丘駅の河川敷のグラウンドで練習していて、あまり経費がかからないので会費も安いんです(入会金:3,000円、月額:1,500円、幼児は月額:500円)。環境には恵まれていると思います。フェイスブックにコメントいただければ返信します。楽しいので、ぜひ見学にいらしてください。



ラグビーキッズ
ラグビースクールネットワークインフォメーション(ラグネット)
アンケート

1、ラグビースクールの名前
 西東京ラグビースクール
 Nishi-Tokyo Rugby School(略式NTRS

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等

3、代表者
 西尾 慎一郎

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
 informaion@ntrs.or.tv
 ※もしくは「Facebook Pageからのメッセージ」にてお問い合わせ願います。

5、活動場所・練習場所
 東京都多摩市 一ノ宮公園グラウンド
 東京都日野市四谷橋下グラウンド
 ※京王線 聖蹟桜ヶ丘駅

6、練習場所は天然芝、人工芝、土等
 一ノ宮公園グラウンド(土等)
 四谷橋下グラウンド(天然草)

7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
 1月  練習はじめ&お汁粉大会
     後期活動再開/新年度活動スタート
 2月  強化練習(Jr
 3月  初めてのラグビー教室
     卒業生大会(ミニ・Jr
     フライアップ(卒業式)
 4月  春合宿(中学年・高学年・Jr
 5月  東京都春季大会(ミニ)
     お父さんのラグビー教室
     大学ラグビー部主催フェスティバル
 6月  多摩地域ラグビー交流戦(ミニ)
     春季交流試合(Jr
 7月  夏合宿(中学年・高学年・Jr
     サマータイム/前期活動終了・夏季休校(ミニ)
 8月  定期戦(Jr
     BBQ懇親会
 9月  サマータイム/後期活動再開(ミニ)
 10月 多摩地域ラグビー交流戦(ミニ)
     秋季公式戦(Jr
     初めてのタグラグビー教室
 11月 東京都秋季大会(ミニ)
     西関東甲信越交流会(ミニ)
     秋季公式戦(Jr
     新人フェスティバル(Jr
 12月 新チームU14交流戦(Jr
     ヒーローズカップ(高学年)
 後期活動終了/冬季休校

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
 <費用>
 入会金:3,000円/1家族につき
 中学生(ジュニア)/小学生(ミニ)/タグ:月額1,500円/1
 幼児(ミルキー):月額500円/1
 ※会費は半年毎(6ヶ月分)を「引き落とし」or「振り込み」でご清算
 ※合宿、及び遠征に交通費等は別途個人負担。
 ※兄弟割引 (小・中学生が対象)
 1人目・・・月額1,500円/人
 2人目以降・・・月額1,000円/人

 <必要用具>
 試合用チームユニフォーム(8000円程)
 ストッキング(スクール指定;1200円程)
 ヘッドギア、パンツ、スパイク、マウスガード等は各自準備
 チームTシャツ(1000円※購入自由)

9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
 2021年度在籍数 男子:76名 女子:4
 ※外国人対応は可能

10、コーチ人数、指名、経歴等
 コーチ57名 
 B級スポーツ指導員 :1
 C級指導員 :1名(日本ラグビーフットボール協会公認)
 コーチングコースレベル2(豪州ラグビーフットボール協会公認)

11、モットー・大事にしている事・理念
 ●ノンストップラグビー
 ノンストップラグビーは、ボールを持ったプレーヤーがスペースを見つけて「思い切ったランニング・パス」をする、コンタクトしてもサポートプレーヤーの「素早いガット・リップ」によってボールを止めない、つまり「プレーを継続するラグビー」を理想としています。

 ●「スクール生ファースト(生徒優先)」というスタンスの徹底
 スクール生たちを「損得」「利害」「名声」ではなく「愛情」で育て・導く。

12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
 NTRSに「1軍」は存在しません。
 ラグビーはスポーツです、ゆえに「勝敗には真剣」にこだわります。しかしフィールドに立てる選手には制限があります。「勝敗に対する姿勢が甘い」と感じる方もいらっしゃるでしょうが、NTRSでは「全てのスクール生にラグビーを楽しんで欲しい!」という想いを大切にし、「選手の能力値や大会内容による出場時間差」など発生する可能性はありますが、基本的には試合当日に会場まで足を運んだ「全ての選手をフィールドに送り出す」ことを心がけています。試合に「勝っている時でも・負けている時でも」方針は変わりません、試合中に1度は選手を「必ず」フィールドに送り出し、そのうえで勝敗にもこだわりたいと考えます。「ラグビーを楽しんで欲しい!」、それがNTRSのスクール運営方針です。

13、歴史・活動実績
 199411月有志により創立、スクール活動開始
 2000年一ノ宮公園グラウンドを本拠地として利用開始
 2007年タグクラス開設
 以降ミニ、タグ、ジュニアクラスで積極的に活動中

14、OB・輩出トップリーガー
 青木 佑輔(サントリーサンゴリアス)
 小泉 将(NTTコミュニケーションズ)
 田中 真一(キャノンイーグルス)
 佐藤 公彦(横河武蔵野アトラスターズ)
 小林 航(サントリーサンゴリアス)
 久保 克斗(キャノンイーグルス)

15、指導方針・教育方針
 中学・高校までラグビーを続けてもらう為に、楽しむ事、基礎的な事、団体競技をしる事等を前提としていますが、スクールとして特段の取り決めは有りません。
 年の選手数、子供の特性、子供・コーチの希望を踏まえ、4月に各カテゴリ毎の指導・活動方針を定めています。

16、合宿・場所・期間・参加年齢等
 春合宿:4月(愛川ふれあいの森・基本中学年以上)
 夏合宿:7月(菅平・低学年以上)

17、ラグビー以外の行事
 1月 :お汁粉大会
 7月 :運動会(夏合宿内)
 8月 :BBQ等(各学年毎)
 11月:お母さんの忘年会

18、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
 掛け持ちは可能(人数は把握していません)
 複数の生徒が掛け持ちで習い事はしています(水泳・野球・ビアノ等)。
 日曜午前中はラグビーを優先し、中学生は部活動と両立しています。

19、保護者の活動への参加・サポート
 保護者に対しスクール活動へのサポート等の必要はありません。
 但し、休日を自分の子供と一緒に楽しんで頂く意味で、保護者の方には積極的にコーチ参加頂きたいと考えています。

20、どんなスクールを目指すか(将来像)
 将来的なスクール像はございません。
 現状のまま、子供優先でコーチ、保護者様が思いっきりラグビーを楽しめるスクールでありたいです。

21、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)
 スクール方針としての教育観は定めていません。
 同期生同士、大人になっても集まれるようであれば良いと願っています。

22、プレースタイル
 ランニング、パスを重視しボールを止めない、プレーを継続するノンストップラグビーを方針としていますが、スクールとして特段の取り決めは有りません。

23、交流する他のラグビースクール
 東京都内スクール(特に多摩地区)を中心に、神奈川県、埼玉県のラグビースクールと交流の機会を頂いております。

24、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)
 中央大学
 國學院久我山高校

25、自由欄(付け加える事があれば)
 ・ホームページ

 http://www.ntrs.or.tv/
 ・Facebook

  https://www.facebook.com/ntrs.rugby


保護者へのアンケート

1、このスクールを選んだ理由
 体験の時、雰囲気も良くて子供が入校を希望したため。

2、このスクールの良い点
 保護者含めて仲良く参加させてもらっているところ。

3、スクールに改善して欲しい所
 特にありませんが、もう少し人数が増えれば良いなと思っています。

4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 中学・高校でもラグビーを続けるという目標を持ったこと。
 また、学校でもラグビーが自信につながっているように感じます。

5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 日曜日はラグビーの日になりました。

6、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
 もちろん続けてほしいです。

7、ご自身もラグビーをしていましたか
 ラグビー経験はありません。

8、ご自身もラグビーが好きになりましたか
 家族で好きになりました。

9、どんな大人になって欲しいですか
 考えて行動できる子になってほしいです。

10、スクールに入れてよかったですか
 本当に良かったと思っています。






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