【インタビュー】第65回▶浦和ラグビースクール(埼玉県)

礼儀を重んじ、思いやりと勇気を持ち、強く逞しい心身を作る

第65回のラグネットは、埼玉県さいたま市で活動する浦和ラグビースクールをご紹介します。1984年、創設者の飯塚博明さんを中心に12名の児童と3名のコーチで発足したそうですが、現在は、幼児、小学生、中学生をあわせて約350名という大所帯になっています。2019年のラグビーワールドカップ以降は激増したそうです。スクールのモットーは、「礼儀」、「勇気」、「思いやり」。子どもたちがラグビーを通じて、このモットーを身につけた人間として成長してくれることを第一に考えて指導しています。今回は、小学6年生担当のコーチ、沼田賢介さん(41歳)にお話を伺いました。


スクールが楽しければ
子どもたちはラグビーを続けてくれる


村上 沼田さんはいつからラグビーを始めたのですか。
沼田 神奈川県の桐光学園高校で同級生に誘われて始めました。それまではラグビーのことはまったく知らなかったのですが、ラグビーと出会えて本当に良かったと思っています。人に体をぶつけられるのは非日常だし、ボールを持ってどこまででも走っていい。そんなスポーツはなかなかないし、単純に楽しかったです。タックルされて、痛いし、怖いこともあるけど、それを乗り越えて強くなれる。良いスポーツだと思います。立教大学、社会人でもラグビーを続けて、30歳くらいで引退しました。

村上 浦和ラグビースクール(RS)に関わったのは、いつからですか。
沼田 僕はラグビーに育てられたと思っているので、息子2人にもラグビーをやらせたくて無理やり連れて行きました。長男(涼佑)が小学2年で、次男(貫佑)は幼稚園でした。家に近いところで、インターネットで調べたらすぐに浦和RSが出てきたんです。2017年のことでした。のんびりして、みんなで和気あいあいとやっている感じが良いと思いました。

村上 お子さんたちはラグビーをすぐに好きになりましたか。
沼田 いえ、渋々でした(笑)。自我が芽生える前だったので良かったかもしれません。徐々になじんでいきました。長男は小学6年生になりましたが、4年生くらいから楽しくなってきたようで、今はラグビー部のある中学に行きたいようです。

村上 いつからコーチになったのですか。
沼田 最初は一人の保護者として見学していたのですが、半年くらいして、やってみようかと思いました。

村上 沼田さんは現在6年生の担当のようですが、どんな方針で指導にあたっているのですか。
沼田 中学でもラグビーを続けてほしいと思っているので、楽しさを重視しています。あまり手取り足取り教えず、考えさせるような質問をして、子どもたちの成長を促そうと心掛けています。失敗したプレーを責めるよりも、次にどうするかという話をしています。多くの子は中学でも続けてくれますが、何名かはやめてしまいます。続けてくれるかどうかは、スクールでの6年間が楽しかったかどうかにかかっています。仲間と一緒にいるのが楽しかったとか、何か達成感があったとか、なるべく楽しませてあげたい。続けてくれればありがたいなと思います。

村上 コーチが80名くらいと多いですね。
沼田 それでも足りません。生徒数が増えすぎ、新規の会員募集を停止しているほどです。2019年のラグビーワールドカップ後は本当にすごくて、どんどん受け入れていたら、すごいことになり、一時は400名というレベルになりました。その後、コロナ禍で少し減りましたね。

村上 6年生は何名いるのですか。
沼田 登録だけだと40名くらいいます。受験などもあって常時来るのは30名くらいですね。だから、全員を試合に出すのは難しいんです。ヒーローズカップは1チームで出場しますので。普段の交流試合などは3チームくらい作って参加していますね。


コーチも会費を払って参加
大人も子どもたちと一緒に成長する



村上 浦和RSのモットーは「礼儀」、「勇気」、「思いやり」ということですが、このあたりを意識させるためにはどんな伝え方をしていますか。
沼田 挨拶、服装、グラウンドのゴミ拾い、人の話をしっかり聞くなど、人として当たり前のことができるようにはしています。

村上 OBの選手はよく来てくれますか。
沼田 シーズンオフになると来てくれますね。

村上 女子セブンズ日本代表の香川メレ優愛ハヴィリ選手がOBなのですね。顔を見せてくれることはあるのですか。
沼田 弟が小学6年生にいるので、たまに弟のプレーを見に来ていますよ。弟も上手いです。

村上 中学部の選手たちは学校の部活と両立しているのですか。
沼田 両立させている子が多いです。部活を大切にしなさいと伝えているようです。いろんなスポーツに親しみ、勉強もしっかりやる、人として成長してもらうことが大事ですから。

村上 よく交流するチームはありますか。
沼田 中学生は、川越RS、さいたまRS、浦和RSで、埼玉セントラルラグビークラブというチームを作っています(2013年設立)。この3チームは仲良くやっています。ただ、最近はどのRSも人数が増えているので、単独になるのかもしれません。

村上 グラウンドなどの練習環境は安定的に確保できているのですか。
沼田 さいたま市スポーツ協会のご協力もあって、大原スポーツ広場のグラウンドが第1週目から第3週目までの日曜日の午後は基本的に確保されています。

村上 夏合宿は白馬に行くようですね。
沼田 学年を越えて、6年生対5年生の試合などもやります。宿舎からグラウンドまで10kmあるので、そこをみんなで走ることもあります。がっつり練習して、花火やスイカ割りなど楽しいこともありますよ。

村上 2017年から指導されていて印象的な出来事はありますか。
沼田 低学年のときは消極的だったのに、6年生になるとものすごく積極的になっている子がいます。子どもはいつ変わるかわかりません。だからこそ、中学、高校まで続けてほしいと思います。私も変わりました。高校の時は適当にやっていたのに、大学から熱心に取り組むようになって上達したと思います。

村上 沼田さんは無報酬のコーチですよね。仕事が休みの日に指導を続けるモチベーションは何ですか。
沼田 楽しいからです。まったく苦になりません。子どもたちと一緒に大人も成長できるんですよ。子どもたちは大人のことをよく見ています。勉強しないと見透かされる。こちらも本気でやらないといけないって思いますね。本気でやれば、子どもたちも応えてくれます。

村上 浦和RSでは、コーチの皆さんも平等に会費を払っているそうですね。
沼田 はい。子どもたちと一緒で、月1,000円支払っています。会費を払ってでもやる価値があります。あとね、コーチ仲間との飲み会が楽しいんです(笑)。今はコロナでできませんが、違う仕事をしている人たちと仕事抜きで話すのは楽しいですよ。

村上 直近の目標を聞かせてください。
沼田 子どもたちにはヒーローズカップで優勝しよう、それに向かって一生懸命やろうと話をしています。相手あってのことではありますが、とにかくまずは優勝を目指す。目指して練習することで得られるものはあると思っています。みんなで試合に出て、全部勝ちに行く。欲張りですけど、そう言い続けています。

村上 部員募集は現在停止しているのですね。
沼田 はい、来年度からは再開する予定です。公式ホームページに入団案内があります。体験、見学、お気軽にお越しください。



ラグビーキッズ
ラグビーネットワークインフォメーション(ラグネット)
アンケート


1、ラグビースクールの名前
 浦和ラグビースクール

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等


3、代表者

 池田 宏

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
 大原スポーツ広場 埼玉県さいたま市浦和区大原3丁目7 
 ホームページ https://urawa-rs.com/
 連絡先、問い合わせはホームページ内からお願いします。
 ※現在は新規会員募集を停止しており、来年度から再開します。

5、活動場所・練習場所
 ① 大原スポーツ広場 埼玉県さいたま市浦和区大原3丁目7
 ② レッズランド 埼玉県さいたま市桜区下大久保1771
 ③ 浦和工業高校グラウンド 埼玉県さいたま市桜区西堀5丁目1−1

6、練習場所は天然芝、人工芝、土等 
 ① 天然芝(雑草)
 ② 天然芝、人工芝
 ③ 土

7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
  活動時間・毎週日曜日13:30~16:00
 年間スケジュール
  4月さいたま市民ラグビー教室
  5月埼玉県ラグビースクール交流会(熊谷ラグビー場)
  8月合宿
  9月埼玉県ラグビースクール交流会(熊谷ラグビー場)
  10月さいたま市ラグビー祭
  11月三郷交流会、ヒーローズカップ関東大会
  12月納会兼クリスマス会
  2月仙台RS交流会、ヒーローズカップ決勝大会
  3月埼玉セントラルフューチャーカップ、卒団式

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
 年会費:2,000円 プラス 月会費:1,000円×12ヶ月分
 用具はキャップラガーズで各自注文となります

9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
 生徒数~幼児、小学生で300人程度(中学生も入れると、350人程度)
 女子選手も少ないですが、活動しています。
 外国人も受け入れ可能です。

10、コーチ人数、指名、経歴等
 コーチ人数~幼児、小学生合わせて80人程度(中学生コーチを合わせると100人程度)

11、モットー・大事にしている事・理念
 礼儀、勇気、思いやり

12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
 全員試合出場、勝利至上主義に陥らないという指導方針がありますが、それは他のスクールさんと同じだと思います。

13、歴史・活動実績
 1984年創設

14、OB・輩出トップリーガー
 香川メレ優愛ハヴィリ(女子7‘s日本代表)、その他たくさんいます

15、指導方針・教育方針
 安全第一、各年代に適した練習、子供の考える力を伸ばす、褒めて伸ばす、個人スキルの向上、ラグビーの好きな子を創る、コーチも常に学習する

16、合宿・場所・期間・参加年齢等
 8月中旬、白馬、3日間、全学年参加

17、ラグビー以外の行事
 クリスマス会

18、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
 可能で、たくさんいると思います。

19、どんなスクールを目指すか(将来像)
 指導方針に同じ。

20、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)
 ラグビーを通じて、仲間を思いやる気持ち、困難を乗り越える精神力、強い身体を作り上げてほしい。

21、プレースタイル
 あまり奇をてらわず、基本に忠実なラグビーをしています。

22、交流する他のラグビースクール
 県内及び首都圏近郊のスクール

23、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)
 川越RS、さやまRS(中学生になると、埼玉セントラルという3チームで合同のチームとなります)



保護者へのアンケート

1、このスクールを選んだ理由
 夫が子供を連れて行った。

2、このスクールの良い点
 練習を頑張ったら、練習後にアイスが食べられる。会費が安い。仲間がたくさんいるから、グラウンドに行けば、仲間に会える。

3、スクールに改善して欲しい所
 とくになし

4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 ラグビーが好きになった。ラグビーを続けたいと思うようになった。

5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 日曜日の午後は、ラグビーで固定した

6、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
 ぜひ、続けてほしい

7、ご自身もラグビーをしていましたか
 していません。

8、ご自身もラグビーが好きになりましたか
 大好きになりました。

9、どんな大人になって欲しいですか
 自分だけでなく、他人を思いやれる人間になってほしい

10、スクールに入れてよかったですか
 はい。



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