【インタビュー】第56回▶多摩RBジュニアラグビークラブ(東京都)

第56回▶子どもたちのためのクラブであり続ける
ラグネット第56回でご紹介するのは、東京の多摩R&Bジュニアラグビークラブです。現在、50名が在籍する中学生のクラブで、2015年に多摩ラグビースクールとR&Bラグビークラブの中学生が合体して東京都ラグビー協会に登録し、単独チームとして試合に出場できるようになりました。小学生以下は、それまで通り、多摩とR&Bに分かれて活動していますが、中学生になると多摩R&Bで一緒に活動します。もちろん、中学からの入部も受け付けています。今回は、同クラブの代表を務める立花淳さん(57歳)にお話を伺いました。


*村上晃一の「ラグネット」インタビュー
合同チームのままだと関東大会に行けない
子どもたちが考え、下した決断


村上 立花さんがラグビーと出会ったのはいつですか。
立花 私は中学から大学まで野球をしていました。ただ、関東の社会人ラグビーや大学ラグビーが好きでテレビ神奈川の放送など観ていました。当時の関東大学対抗戦は秩父宮ラグビー場が満員になるほど人気があり、私が帝京大学1年生のときにラグビー部の応援に行った対抗戦で初めて明治大学に勝ちました。仲間5人で観ていたので飛びあがってガッツポーズしたら、9割がた明治ファンで(笑)。それからはよく観戦するようになりました。

村上 実際にラグビーはプレーしたのですか。
立花 大学を卒業して会社に入社後、高校や大学でラグビー経験のある先輩方が会社にラグビー部を創ることになり、その時に、ラグビーを知っているならとラグビー部に誘っていただいて、楽しくプレーしました。


村上 ラグビースクールの活動とはどうつながるのですか。
立花 元上司が会社を退職し多摩センターで「ノーサイド」というお好み焼きのお店を開店しました。そこに帝京大学の岩出雅之監督が訪れ、元上司が新しくラグビースクールを立ち上げたいので、帝京のグラウンドをお借りできませんかというお願いをしたそうです。そして、R&Bラグビークラブというラグビースクールが設立されました。R&Bとは、Red&Blackの略で帝京大学のユニフォームの色です。そのスクールの立ち上げを当時の会社のラグビー部の有志が手伝うことになり、私も5歳の娘を連れて参加しました。娘は1年ほどでラグビーはやめてしまい私もいったん離れました。その後、長男に野球をやらせようと思って、いくつか野球の少年団に連れて行ったのですが興味を示しませんでした。それで小学1年生の夏休み前にR&Bに連れて行ったら、一回で「ここに入る」と言いました。現在、R&Bの檜谷(ひのたに)代表が帝京大学のOBだったこともあって、私も関わり続けることになりました。

村上 多摩R&Bジュニアラグビークラブは、どのように誕生したのですか。
立花 私と息子がR&Bに入ったときで、小学1年生から6年生までで20名ほどの生徒数でした。中学生もおりましたが人数が少なく、2012年に多摩ラグビースクールの中学生と合同チームを作るようになりました。なぜ多摩ラグビースクールだったのかといえば、活動場所が近く、互いのチーム理念が似ていたからです。2015年にやっと中学1年生から3年生まで揃ったのですが、合同チームのままだと東京都で一番になっても関東大会には行けません。そこで、合同チームのままでやるのか、ひとつのクラブになるか、子どもたちに考えてもらいました。当時のキャプテンが、「単独チームでチャンピオンシップを獲りに行きたいです」と言ってくれたことで、両スクールに報告の上、東京都協会に統一チームとして登録することになりました。

村上 チームのモットーは多摩とR&Bを合わせたものなのですね。
立花 そうです。多摩は「スクールは子どもたちのためにあること」、「楽しく参加できる」という理念です。R&Bも「安全に楽しく」が理念で、その活動の中で「怒鳴らない」、「問いかける」、「考えさせる」、「気づかせる」ということが指導方針です。私がR&Bに入った頃、保護者が分裂しそうになったことがあります。厳しく指導すべきだという考えと、子どもたちを委縮させてはいけないという考えの対立です。そのとき、「子どもたちを成長させるのであれば、厳しい指導よりも、とにかく楽しく、将来もラグビーを続けてもらえるようなクラブを作るのが大前提」という意見でまとまりました。以降、理念、活動方針を明確にし、「我々のクラブは、ラグビーを楽しみ、中学、高校になってもラグビーをしたいという子どもを育てます。この方針に賛同できない方はご遠慮ください
とはっきり言えるようになりました。


部活優先のスクール活動も可能
いつでもラグビーに戻ってこられる雰囲気づくり


村上 多摩R&Bの中学生たちに、自分で考えさせるために、どんな指導をされていますか。
立花 「教えすぎない
ということですね。たとえば、練習試合をしたとき、何が良くて、何が悪かったのか、まずは子どもたちで話し合い、それをコーチに報告してもらいます。それに対してアドバイスをすべきときにするという感じですね。多摩R&Bは子どもたちに自主性を待たせる為に仲間同士で意見を交換したり、考えたりしてもらっています。

村上 中学生は、どの地域のラグビースクールでも学校の部活との両立が課題になっていますね。
立花 そうなんです。小学6年生の子たちには、「とりあえず、多摩R&Bに登録しましょう。そのあと、学校の都合で抜けていくのはいいよ」と話しています。部活を優先するようになっても引き留めません。部活が休みのときに来てくれてもいいし、部活を引退してから戻ってきてくれてもいいというスタンスです。たとえば、部活のサッカーの試合があって、スクールの試合に出られないのは仕方がありません。だからといって、次の週に来てくれた時に試合に出さないということはしません。来てくれた子は全員試合を楽しんでもらうようにしています。公式戦ではなかなかそうは行きませんが…。

村上 子どもたちにプレッシャーをかけないようにしているのですね。立花さんの指導歴の中で印象的な生徒などいますか。
立花 昨年高校に入学した子で、小学校のときからR&Bに来てくれていたのですが、タグラグビーを行っておりました。中学に上がる時に辞めちゃうかと思ったら多摩R&Bに入ってくれました。そこからタックルに慣れて、レギュラーになり、高校でラグビーを続けてくれています。親御さんからご連絡をいただいて嬉しかったですね。またラグビーをしたかったけれど、中高一貫校でラグビー部がないという子が中学3年生の最後の思い出にしたいと来てくれたこともあります。4~5カ月だけラグビーを体験したいということだったので、ベテランのコーチがつきっきりでスキルを教えました。最後は試合形式の練習でトライも取ってくれました。本人の嬉しそうな表情が忘れられません。

村上 東京都でナンバー1をめざすということですが、今はどうですか。
立花 現在、中学のスクールは11チームありますが、6位、7位というところですね。4位が最高です。でもこの頃から東京都以外の高校に入って花園出場を目指すというような子も増えて花園でも活躍している姿を頼もしく見ております。

村上 卒部式などはあるのですか。
立花 東京都は3月の春分の日が卒業生大会で、各スクールの3年生だけ集めて、多摩陸上競技場で卒業試合、卒業証書授与式をやっています。それが午前中で終わるので、場所を移してクラブの卒部式をしています。最後に卒業していく生徒がスピーチをしますが子どもたちの成長を一番感じる時ですね。

村上 今後の目標を聞かせてください。
立花 これまでの活動を継続することです。それが一番難しいことだと思うからです。新しいコーチや保護者の皆さまにも、子どもたちの自主性を伸ばすような接し方を引き継いで頂ける事を目標にしています。



ラグビーキッズ
ラグビーネットワークインフォメーション(ラグネット)
アンケート

1、ラグビースクールの名前
 多摩R&Bジュニアラグビークラブ

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等 
 多摩ラグビースクール R&Bラグビークラブのエンブレムを採用しています。

3、代表者
 立花 淳
  
4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
 神奈川県相模原市南区磯部1952-1  090-8444-2254
 クラブへの入会 tamarbjrc@gmail.com  入会担当 事務局 有馬

5、練習場所は天然芝、人工芝、土等
 貝取南公園グランド(土等) ・キヤノンスポーツパーク(人工芝)
 帝京大学百草グランド(人工芝)・国士舘大学多摩グランド(人工芝)

6、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
 基本的に土曜日、日曜日の午前中

 4月    御殿場 春のミニ合宿
 4月、5月  東京都スクールジュニア春季大会
 6月     高校ラグビー部 練習体験会、ラグビー祭参加
 7月    菅平東日本ジャンボリー 合宿
 9月、10月 東京都スクールジュニア秋季大会
 12月   スタッフ、保護者慰労会
 1月、2月  東京都スクールジュニア新人戦
 3月    ジュニア卒業生大会 卒団式

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
 入会金0円 年会費24,000円 (兄弟姉妹 2人目以降は半額)
 途中入会の場合2,000円/月にてお願いしております。
 合宿や遠征費は別途個人負担となっております。 

9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
 2021年度在籍者 男子48名 女子2名 外国人対応可

10、コーチ人数、指名、経歴等
 コーチ22名 B級コーチ2名 スタートコーチ2名 
 B級レフリー1名 C級レフリー3名

11、モットー・大事にしている事・理念

 1、子供達の為のクラブであり続ける事
 1、クラブの活動を通じて大人も子供も成長を続ける事
 1、安全で楽しく活動を続ける事
上記の3点をクラブ理念としております。

 それぞれの理念に「続ける事」と明記してあるのは常に歩を止めずに継続=成長してゆくことに主眼を置いているからです。
 そしてこの活動を継続して子供達には高校でも、大学でも、社会人になっても楽しくラグビーを継続して行ってほしいという願いがあります。
 また、卒業後にふらっと顔を出してもらえるようなクラブであり続けたいです。

12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
 中学生のスクール・クラブになりますと東京都の大会や東京都の選抜チームへの参加など、小学生の時とはラグビーへの関わり方が大きく変わってきます。

 小学生の時は勝敗を気にせず指導できたりしましたが、中学生ではある程度勝敗はこだわるようになってしまいます。
 只、勝敗にこだわることを優先し同じ選手ばかりの起用を行うことはせず、できる限り多くの選手に試合の経験をしてもらうような配慮や学校の部活動の大会参加などは個人やご家庭の判断にまかせ、ラグビーへの参加強要は一切行いません。
 またしばらく休んでいた選手でも安全が担保できる上で他の選手と変わらず試合などへの参加機会を与えるようにしております。
 選手にはなるべく教えすぎないことを前提に選手間のチームトークにより自分たちで気づき行動できるように選手(人)になってほしいと願っております。

13、歴史・活動実績
 幣クラブは多摩ラグビースクール、R&Bラグビークラブのミニ(小学生)を卒業した選手の合同チームとして2012年に活動を開始いたしました。

 その後2015年に「多摩R&Bジュニアラグビークラブ」として東京都協会に登録し合同チームから単独チームとなり東京都No1を目指しております。

14、指導方針・教育方針
 自分で考え、自主的に行動出来る大人になってもらう為、子供達の自主性を尊重した指導を心掛けております。


15、合宿・場所・期間・参加年齢等
 4月 春季ミニ合宿  御殿場 1泊2日 
 7月 夏季合宿    菅平高原 2泊3日

16、ラグビー以外の行事
 バーベキュー開催 

17、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
 可能です。現在は4~5名の子供達がほかの習い事もおこなっております。


18、保護者の活動への参加・サポート
 通常練習はコーチ主導にて活動しておりますが、遠征や合宿時の同行、怪我の選手への対応、病院への送迎など保護者の皆様のサポートなしにはクラブの活動は成立しません。

19、どんなスクールを目指すか(将来像)
 今掲げているクラブの理念を将来も継続していければよいと考えております。
 このクラブは子供達の為のクラブであることを大人が肝に命じていれば、大人同士の対立などなく平和なクラブが継続できると考えております。

20、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)
 文中にも書かせていただきましたが、自分で考え行動できる大人になってほしいです。そして仲間を思いやり他人の痛みが理解できる大人として成長して行ってほしいです。

21、プレースタイル
 中学生の試合ではスクラムを押すことはできませんが、安定したFWからのボールの供給でグランドいっぱいにBKが走り回りTRYを取れる事が理想です!
 いまだ実現できておりませんが(笑)。

22、交流する他のラグビースクール
 東京都のジュニアのスクール・クラブは皆仲がよく幅広く交流をさせて頂いております。また幣クラブは都県境に位置する関係で
神奈川県のスクール・クラブ様との交流も行わせて頂いております。




保護者へのアンケート

1、このスクールを選んだ理由
 子供の友達が入ることを勧めてくれたから。

2、このスクールの良い点

 子供たちに主体性を求めるところ。
 大人ではなく子供が主役。

3、スクールに改善して欲しい所

 子供たちが保育園のころから現在(中学3年生)まで
 楽しく通えているので改善してほしいところはありません。

4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 仲間意識が高まった、協力することをおぼえた。
 団体、集団行動が身についた、親にたよらず子供自身で行動をおこせるようになった。

5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか

 週末のすごしかた、食事、睡眠に気をつかうようになった。

6、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか

 子供の意思を尊重したいので、今後は子供にきめさせようと思います。

7、ご自身もラグビーをしていましたか
 未経験者(父親はサッカー)

8、ご自身もラグビーが好きになりましたか

 子供とともにラグビーというスポーツを好きになった。
 何年たっても色んな楽しさを教えてもらっている。

9、どんな大人になって欲しいですか
 どんな時でも助けあえる、頼りあえる仲間がたくさんいる人間になってほしい。

10、スクールに入れてよかったですか
 子供だけでなく、親自身も色々な人との出会いと経験で成長させてもらった。
 あの時の友達の誘いが無かったら・・・親子ともども人生が変わっていただろうなぁと、スクールに感謝しかありません。
 素晴らしいスポーツでたくさんの人と出会えたことに感謝です。

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