【インタビュー】第55回▶函館ラグビースクール(北海道)

第55回▶子どもたちの自主性を育む、1970年発足の北海道老舗スクール
第55回のラグネットは、北海道函館市で活動する函館ラグビースクールをご紹介します。1970年発足という北海道の老舗スクールで、函館根崎ラグビー場の芝生の上で練習し、雪深いときは体育館でも練習しています。校訓は、1.どんな苦しいときでも耐え抜く強い心をもって行動すること。2.みんなと仲良く助け合って行動すること。3.規則と時間を必ず守って行動すること。4.礼儀正しく元気な行動をすること。5.正しい考えで勇気ある行動をすること。今回は、自身も函館ラグビースクールを卒業し、現在は、5、6年生のヘッドコーチの小澤篤さん(45歳)にお話を伺いました。


*村上晃一の「ラグネット」インタビュー
自主性を伸ばすことに重きを置く指導
走る練習も、工夫をして楽しく


村上 小澤さんはいつラグビーに出会ったのですか。
小澤 私は幼児から函館ラグビースクール(RS)に入ったのですが、中学の時に部活のバスケットボールを一生懸命やって、いったんラグビーから離れました。しかし、函館西高校ではラグビー部に入りました。大学でもラグビーを続けて、社会人ではクラブチームでプレーしました。

村上 指導者として函館RSに関わったのは、いつ頃からですか。
小澤 長男が幼児から函館RSに入っていて、最初は保護者の一人だったのですが、長男が小学5年生のころから指導者として関わるようになりました。長男は高校生になり、今は次男、三男が函館RSにいます。

村上 どのようにこのスクールができたかは聞いていらっしゃいますか。
小澤 もともと函館はラグビーをしている人が多く、函館ラグビー協会が設立され、協会の方がスクールを立ち上げたと聞いています。5つの校訓は私が入った40年前からありましたね。

村上 校訓をもとに、どんなことに気を付けて指導にあたっていますか。
小澤 子どもの自主性を伸ばすことに重きを置いています。自分たちで試合中に修正し、考えることができるように教えています。いまビッグブルーズ(元日本IBM)のヘッドコーチを務めている西山淳哉さんに毎年来ていただいて、コーチが講習を受け、過去の経験で教えないようにしています。

村上 現在の生徒数は、105名ということですが、2019年のラグビーワールドカップ(RWC)以降増えましたか。
小澤 RWCのたびに少し増えるのですが、2019年以降は、卒業生がいても同じような人数の子どもたちが入ってきてくれるので100名を切らなくなりましたね。RWCの日本代表が活躍すると、小さな子どもがたくさん入ってくれます。小学校の低学年からやっていると、そのまま続けてくれる子が多いです。やはりRWCの影響は大きいですね。

村上 どんな練習をしていますか。
小澤 特別なことはしていません。ボールをキャッチできないと何もできませんので、パス、キャッチはどの学年でも重点的に練習しています。体力づくりについては、楽しみながら走らせています。私は、小学5、6年生の担当なのですが、ただフィットネスをしてもつまらないので、「きつかったけど、楽しかったね」という感覚になるようにしています。先日は、走って、腕立て伏せ、腹筋をして、スーパーボールすくいをしてみたり(笑)。子ども用のプールに水を入れてやってみたのですが、できるだけ飽きないようにいろいろ工夫しています。

村上 戦術的なことは、あまり細かくやらないのですか。
小澤 それもやりますよ。ヒーローズカップにも出場していますし、過去3回は決勝大会にも出ています。勝つために練習もします。昨年、一昨年は私がヘッドコーチで決勝大会に行きました。

村上 決勝大会に出ると、子どもたちにどんな変化がありますか。
小澤 日本中からラグビーが上手くて、好きな子が集まって日本一を決める大会です。日本代表選手が解説してくれたりもします。そういう舞台でプレーすると、もっと上のレベルに行きたいと思う子もいるし、自分たちに何が足りないのかを考えるようになります。ただし、そこに行くために、何を犠牲にしても良いのだという考え方は間違いだと思います。なるべく決勝大会に行って、全員を試合に出すようにしたいですね。

村上 ヘッドコーチとして行った2大会は全員を出場させたのですか。
小澤 1回目は一人だけ出せませんでした。出すタイミングが難しく、出そうとしたら試合が終わってしまっていて。申し訳なかったと思っています。2回目のときは全員出場させました。

村上 ラグビー精神などの話はしているのですか。
小澤 ラグビー憲章の話もします。相手に尊敬されるようなチームになってほしいと思っています。勝てばいいということではなく、正々堂々とプレーしてほしいのです。


プレースタイルは「規律と創造」
コーチの喜びは、教えたことを超えるプレー


村上 指導歴の中で印象的なエピソードはありますか。
小澤 私の長男の小学校の同級生で、体は大きいのですが、足があまり速くなくて、サッカーをやめてしまった子がいました。でも体も大きいし、息子に「体験会に連れておいでよ」と言いました。小学5年生ときでしたが、体験会でラグビーが気に入ったようで、そのまま函館RSで続けて中学では北海道選抜に選ばれるまでになりました。そして、高校は大阪桐蔭に行きました。

村上 えっ! ラグビーを始めたことで人生が大きく変わったのですね。
小澤 一学年上の生徒が親の仕事の関係もあって大阪桐蔭に入学していまして、その縁もあったからなのですが、人生変わりましたよね。走る練習が苦手で、夏合宿では何度も荷物をまとめて帰ろうとしたのですが、コーチが「もうちょっと頑張ろうよ」と励まして、そんなことを繰り返すうちに、北海道選抜に選ばれ、大阪桐蔭へ行くことになったのですから。

村上 ラグビーというスポーツは子どもたちにどんな影響を与えると感じますか。
小澤 逃げなくなりますね。タックルは怖いけど、仲間のために止めようという気持ちになる。何事も言い訳して逃げたりしなくなります。当然、チームワークもとれるようになる。ラグビーをしたことで、どこに行っても仲間ができる。やっていて損はないスポーツだと思います。

村上 アンケートのプレースタイルに「規律と創造」と書いてあるのが気になりました。
小澤 理想なのですが、ペナルティーをすれば流れが悪くなりますし、規律はしっかり守ってほしいというのはあります。また、ゲームは子どもたちのものであり、コーチもいろいろなことを教えますが、最後にどんなプレーをするかを決めるのは子どもたちです。我々コーチが教えたものを超えたプレーをしてくれるのが一番うれしいです。

村上 コーチはタッチラインの外からは指示の声などは出さないのですね。
小澤 ヒーローズカップもコーチの指示は禁止していますし、ほかの大会もそれに準じてきています。新しく入ってきたコーチで、つい声を出してしまう人がいると、「しゃべりすぎですよ」と注意しています。興奮して声が出てしまうことはありますが、できるだけ試合中は子どもたちに指示しないようにしています。

村上 函館の子どもたちの間ではどんなスポーツが盛んですか。
小澤 サッカー、野球ですが、サッカーが多いですね。我々としては、サッカーや野球をやめた子も歓迎しますし、ほかのスポーツと並行していてもかまいませんので、来てほしいと思っています。サッカー、野球、ラグビー、全部やっていてもいいじゃないですか。来てくれるだけでありがたいです。ラグビーに興味を持ってくれたら、自分からやりたいって来てくれますからね。

村上 今後、どんなスクールにしていきたいですか。
小澤 自分の子どもを函館RSに参加させるなど、循環していくといいですよね。今もそうなってはいるのですが、もっともっとそうなっていってほしいです。入会は、随時受け付けていますし、前もって連絡をいただかなくても練習に来ていただければ見学も可能です。スパイクがなくても練習していただけますし、まず、やってみていただければと思います。



ラグビーキッズ
ラグビーネットワークインフォメーション(ラグネット)
アンケート    


1、ラグビースクールの名前
 函館ラグビースクール

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等



3、代表者
 校長 工藤篤

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
 hakodate.rs2020@gmail.com
 HP https://hakodate-rs.jimdofree.com/

5、活動場所・練習場所
 函館根崎ラグビー場

6、練習場所は天然芝、人工芝、土等
 天然芝

7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
 毎週日曜9301200(第2週は13001530

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
 入会費15,000円 他賛助会費1家族3,000円(兄弟割引、幼児減額あり)

9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
 人数105人 女性10
 外国人対応可能

10、コーチ人数、指名、経歴等
 約30名 ほとんどが有資格者です。

11、モットー・大事にしている事・理念 
 どんな苦しいときでも耐えぬく強い心をもって行動すること。
 みんなと仲良く助け合って行動すること。
 規則と時間を必ず守って行動すること。
 礼儀正しく元気な行動をすること。
 正しい考えで勇気ある行動をすること。
 
12、歴史・活動実績

 1970年発足の北海道老舗のスクールです。

13、OB・輩出トップリーガー
 中川和真(キャノン)
 畠中豪士(釜石SW)

14、指導方針・教育方針
 ノーサイドの精神を理解させるため試合相手は敵ではなく相手であることを理解させる

15、合宿・場所・期間・参加年齢等
 年数回市内または隣市のグラウンドにて(5~6年、中学)

16、ラグビー以外の行事
 運動会

17、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
 可能 中学生が部活動と掛持ち

18、保護者の活動への参加・サポート
 行事サポート 親子ラグビー参加

19、クラブハウスあれば
 グラウンド施設としてハウスがあります

20、どんなスクールを目指すか(将来像)
 循環型(将来自分の子供を参加させるように。現在も2世代、3世代で参加している家庭もあります)

21、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)
 ラグビーを通じて学んだことを活かしながら、豊かな人生を送ってほしい

22、プレースタイル
 規律と創造

23、交流する他のラグビースクール
 金足西ラグビースクール 北海道バーバリアンズジュニア 遠軽ラグビースクール等

24、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)
 函館ラグビー協会

関連記事