【インタビュー】第54回▶海老名ラグビースクール(神奈川県)

第54回▶ラグビーを通じて個性を認め、子どもたちの成長につなげる
ラグネット第54回でご紹介するのは、神奈川県海老名市を中心拠点に活動する一般社団法人海老名ラグビースクールです。1985年に創部され、昨年35周年を迎えました。キヤノンイーグルスでキャプテンを務め、トップリーグのキャプテン会議代表でもあった和田拓さんほか、卒業生も高校、大学、社会人で活躍しています。どんなスクールなのでしょう。今回は、海老名ラグビースクールの事務局長で、小学3、4年生のコーチでもある花房三千雄さん(55歳)にお話を伺いました。


*村上晃一の「ラグネット」インタビュー
大きな声を出して、走り回って、
仲間同士が助け合う心を育てる


村上 花房さんのラグビー歴から教えてください。
花房 桐蔭学園で中学、高校の6年間、ラグビー部でした。大学は理系だったので、体育会には入らず、サンデーズというクラブチームでプレーしました。大学卒業後、入社した日本DECという会社にラグビー部があったので5年ほどプレーしました。

村上 そこから海老名ラグビースクール(RS)にはどうつながったのですか。
花房 私の両親が厚木に住んでいまして、近くに住もうということで海老名に引っ越し、息子が幼稚園のときに地元のRSに入り、私も親として参加しました。それが15年前でした。以降、息子が卒業しても関わっています。

村上 1985年に創立された当時のことは聞いていますか。
花房 神奈川県のRSは、神奈川県RSから始まって横浜、川崎、横須賀、藤沢に枝分かれして広がっていきました。海老名は厚木RSから枝分かれしたようです。

村上 現在は、海老名RSと茅ヶ崎RSが一緒に中学部を作っているようですね。
花房 海老名RSは神奈川県の中では生徒数の少ないスクールです。中学生が単独でチームを組めないこともあり、隣の茅ヶ崎RSと合同で活動していたのですが、きちんと一つのRSにしたほうが良いということで、去年、湘央RSを立ち上げました。チームは別ですが、練習は海老名と茅ヶ崎と半々くらいで一緒にやっていますし、校長も海老名と湘央は武田小三郎が兼務しています。

村上 海老名RSは幼児から小学6年生まで83名。最近増えていますか。
花房 2019年のラグビーワールドカップ(RWC)以降は特に増えています。私はホームページを担当して見学の申し込みも受け付けているのですが、RWC前は2~3カ月に1件くらいだったのが、RWC後は毎月のように見学希望者の連絡があります。海老名はRWC2019のロシア代表のキャンプ地でもあったので、選手との交流もしましたし、ロシアの子も入ってくれていますよ。

村上 指導上、気を付けていることはありますか。
花房 まずはラグビーそのものを楽しんでほしいです。海老名RSは海老名市から河川敷グラウンドを365日、ラグビー場として開放していただいています。神奈川県の中でも恵まれた環境ですし、いまは公園でボール遊びもできませんよね。だからこそ、大きな声を出して、走り回るということを子どもたちに体験してもらって、仲間同士、声を掛け合い、助け合う心を学んでほしいと思っています。

村上 グラウンドの手入れは、自分たちでやっているのですか。
花房 芝生の種まきもしますし、台風でゴールポストが倒れたら立て直したりもしています。もともと立っていたゴールポストも、和歌山工業から譲り受けて、海老名RSの保護者が運んで立てたそうです。いまは海老名運動公園から譲り受けて、二代目のゴールポストが立っています。

村上 練習内容はどうですか。
花房 戦術的なことよりも基礎的な練習が中心です。基本を覚えてもらって、5、6年生になると体幹を鍛え、中学以降の成長につなげたいと思っています。ヒーローズカップ(小学5、6年生の全国大会)には関東大会が始まったころから参加させていただいています。私も運営から携わり、最近ではヒーローズカップ実行委員会の競技委員長も務めています。神奈川県には秋に各学年、複数チームのエントリーも可能な県大会があり、ヒーローズカップがすべてではありませんが、元日本代表の林敏之がスピーチをしてくださるなど独特の雰囲気があり、子どもたちには良い経験になっていると思います。


サイレント・サイドライン・ウィークエンド
コーチが一切口出ししない大会も主催


村上 子どもの成長という意味で思い出すエピソードなどありますか。
花房 小学6年生の12月くらいに入ってきた子がいました。それまでは別のスポーツをしていたのですが、2019年のRWCを見てラグビーがやりたくなったそうです。体格が良かったので、タックルもすぐに覚えて、初めての試合で初トライをしました。その時、周りの子がすごく喜んでくれて、その経験は彼にとって良かったと思います。そういうシーンはよくあって、小さなころからなかなかトライできなかった子が、6年生の夏合宿で初めてトライをして、みんなで喜んでいる。そんなシーンを見ると、コーチのほうが涙ぐんでしまいますね。

村上 みんなで喜ぶというのはチームの雰囲気の良さを表していますね。
花房 自己中心的な子はあまりいませんし、チームのために何ができるかを考えましょうという指導が浸透しているからかもしれません。みんなの活躍を、みんなで喜ぼうということです。

村上
 海老名RSならではの活動はありますか。
花房 人数が多くないこともあって、学年の垣根を超えた活動を重視しています。日曜日が通常の練習で、土曜日は学年をまたいで一緒に練習します。菅平高原での夏合宿でも部屋割りは6年生をリーダーにして縦割りにしています。年に一回、伊勢原の大山にハイキングに行くときも、上の学年が下の学年の子の面倒を見るようにしています。コーチも含めて縦のつながりを大事にして、ファミリーとしていろんな活動をしているのが特徴ですね。

村上 長くスクールで指導されていて、ラグビーは子どもたちにどんな影響を与えていますか。
花房 チームスポーツなので、人を助ける、人のためになる精神を、子どもなりに解釈して身に着けてくれているのが良いところ。学年が上がるにつれて、練習前の準備は後片付けも自分たちからやるようになりますし、怪我をしたような子がいたら誰かが気づいてコーチに報告してくれます。学校生活では、やんちゃで親がよく呼び出されるような子も、ラグビースクールではその個性が認められ、成長します。親以外の大人(コーチ)とかかわることもRSの良いところかなと思っています。

村上 「サイレント・サイドライン・ウィークエンド」という大会を主催されたようですね。
花房 コーチが一切口出しをしない大会です。海老名RSが主催し、逗子葉山RS、茅ヶ崎RSと一緒に開催しました。子どもたちの自主性を重んじ、すべて子どもたちが運営します。荷物を置く場所はもちろん、メンバーの決定や選手交代、時間の管理や後片づけもすべて行いました。相手チームとのトラブルや、仲間との対立が起こっても、子どもたち自身で解決してもらいます。みんなで協力して、困難を乗り越えながら進んでいくのが、サイレント・サイドライン・ウィークエンドです。子ども達が自分で選んだプレーで失敗し、学び、成長し、成功したときの喜びを感じてくることを大人は見守ります。子どもたちは「楽しかった」と話していました。サッカーや滋賀県でラグビーの「サイレントリーグ」が開催され、海外でも「サイレント・サイドライン」という試合が行われています。まだまだ口を出したがるコーチは多いのですが、子どもに任せることで、コーチの学びにもなります。今後も年に1、2回はやっていきたいと思います。

村上 クラブとしての今後の目標を聞かせてください。
花房 卒業生が大人になってまた戻ってきてくれるようなクラブチームにしていきたいです。親になって子どもをスクールに通わせたり、指導員になってくれたり。子どもたちが卒業する際、校長は「悩みがあったら、すぐ戻ってこい」とよく話しています。そんなクラブチームでありたいなと思います。入会は幼稚園年中から小学6年生まで随時受け付けています。練習の見学、体験もできますので、ぜひ、ご連絡ください。




ラグビーキッズ
ラグビーネットワークインフォメーション(ラグネット)
アンケート    

1、ラグビースクールの名前
 一般社団法人海老名ラグビースクール


2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等
 ブルーのジャージ・ストッキング



3、代表者
 武田小三郎

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
 下記のいずれかの方法でお問い合わせください。
  ・海老名RSのHPの問い合わせページ http://ebinars.d2.r-cms.jp/inquiry_detail/id=1
  ・メール:ebinars2011@gmail.com


5、活動場所・練習場所
 日曜日:海老名市中野多目的広場
  神奈川県海老名市中野2314番地のイ

  https://www.city.ebina.kanagawa.jp/shisetsu/kouen/sports/1005760.html
 土曜日:綾瀬市風車公園

  神奈川県綾瀬市大上二丁目555-9(カーナビでは、大上2丁目2番付近)
  http://www.city.ayase.kanagawa.jp/hp/page000017300/hpg000017238.htm

6、練習場所は天然芝、人工芝、土等
 天然芝
 年に数回は中野公園(人工芝)で交流試合あり


7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
 毎週日曜日/幼児~小学生:9時~12時
 毎週土曜日/小学3年生~6年生:9時~11時


8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
 □入会金(新規入会時のみ):1,000円
 □年会費(保護者会費含む)

  幼稚園 6,000円
  小学生 18,000円
 □家族内で小学生以上の入会者が2名以上いる場合、2人目からは
  年会費が2,000円割引されます。


9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
 生徒数83名(内、女子が9名)
 外国人とのハーフのスクール生が6名程度


10、コーチ人数、指名、経歴等
 在籍コーチは約40名。その内、半数はラグビー未経験からコーチになってます。


11、モットー・大事にしている事・理念
 ラグビーを通じて、少年少女の自主自立の精神を育み、人を思いやり人を助ける心を学び、あらゆるスポーツに親しめる能力と体力を培うことを目的としています。


12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
 試合には全員出場させます。ポジションも固定せずにいろんな役割を学んでもらうようにしてます。


13、歴史・活動実績
 1985年に創立しました。昨年35周年を迎えました。
 2020年4月より海老名ラグビースクールと茅ヶ崎ラグビースクールのジュニア(中学生)の部が一つになり湘央ラグビースクールを設立しました。


14、OB・輩出トップリーガー
 現役トップリーガにはOBはおりませんが、元キヤノンイーグルスの和田拓さん、元NTTドコモレッドハリケーンズの新井龍一さんがOBです。
 OGにはアジアユースゲームズ女子日本代表(2013)で金メダルを獲得したYOKOHAMA TKMの新原響さんがいます。
また、現役では中央大学、東京大学、国士舘大学、桐蔭学園高校、東海大相模高校、東福岡高校、流通経済大柏高校、開志国際高校などでラグビーを続けています。


15、指導方針・教育方針
 結果にこだわらず、練習や試合に全力で臨める子を育てる方針で指導に取り組んでおります。また、ラグビーを通じてスポーツの楽しさを学んでもらうように、考えて行動する子を育て、大人になったときに社会へ貢献できる人間になってもらいたいという思いがあります。
また、学校では理解されない・認められないような個性をラグビーを通じて認めてあげてその子の成長に繋げてあげたい。
 別の学年と一緒に練習したり、合宿で縦割りで同じ部屋にして、学年を跨いでの交流を持つようにして高学年には練習以外にもリーダーシップを育めるような機会を設けてます。


16、合宿・場所・期間・参加年齢等
 毎年7月に長野県菅平高原にて3泊4日の日程で夏合宿を行ってます。対象は小学1年生~6年生になります。
 また、幼児~小学2年生を対象に神奈川県愛川で1泊2日のミルキー合宿を行ってます。低学年に宿泊を伴う合宿に慣れてもらうことも目的の一つです。


17、ラグビー以外の行事
 春に大山登山(伊勢原)
 2015年の創立30周年のときに、スクール生を含む有志で富士山にも登りました。
 大山も富士山もグラウンドからよく見えます。


18、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
 他の習い事との掛け持ちは可能です。水泳やサッカーを並行して習っているスクール生が何人かおります。


19、保護者の活動への参加・サポート
 年に数回、カキ氷やアイスをふるまってもらったり、クリスマスにプレゼントを用意して頂いてます。また、サイズダウンしたラグビー用品のバザー会も開催してます。


20、どんなスクールを目指すか(将来像)
 卒業してもまた、OBOGとして気軽にグラウンドへ立ち寄れるスクールでありたい
です。親として、コーチとしてまたスクールに携わってくれる方もおります。


21、プレースタイル
 あまり決まり事を決めないで子ども達の発想・判断を重視してます。学年によって個性は違いますが、展開より縦に前へ出て繋ぐラグビーをするスタイルが多いです。


22、交流する他のラグビースクール
 神奈川県内のスクールの他にレッドファイヤーズ(岩手県北上)、桐生ジュニアラグビースクール(群馬)、上郷ラグビースクール(長野)、八千代ラグビーフットボールクラブ(千葉)、多摩ラグビースクール(東京)と交流があります。


23、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)
 キヤノンイーグルス
 三菱重工ダイナボアーズ
 サントリーフーズサンデルフィス
 富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)ラグビー部
 神奈川県ラグビーフットボール協会


24、Youtube URL
https://www.youtube.com/user/ebinars/




保護者へのアンケート

1、このスクールを選んだ理由
 近所にスクールコーチが住んでおり身体の大きい息子を誘っていただきました。

2、このスクールの良い点
 楽しく、子供らしく、元気よく!
 ラグビーを通して礼儀、感謝など人として大切なことを学べるところ。

3、スクールに改善して欲しい所
 平日の練習を、もう少し増やして欲しいです。

4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 たくさんのコーチが関わってくれフォローしてくれるおかげで自分に自信が持てるようになったようです。
 仲間を思う気持ち、思いやりなども持てるようになり人間としても、かなり成長したと感じてます。

5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 家族で変わりました。
 我が家は3兄弟、お世話になっていてそれぞれ、うまく、強くなりたい為に父親とランニングしたり筋トレをしたりする時間が増えました。
 中学、高校もラグビーをしたいと言って勉強にも取り組むようになりました。

6、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
 もちろん!続けさせます!

7、ご自身もラグビーをしていましたか
 叔父や従兄弟はラグビーをしていましたが私はしていません。

8、ご自身もラグビーが好きになりましたか
 ラグビー精神に惚れてしまいプレイを見るたびに、心が熱くなってしまい大好きになりました。

9、どんな大人になって欲しいですか
 ノーサイド精神を大事に誰にでも、手をかせるような強い大人になって欲しいです。

10、スクールに入れてよかったですか
 よかったです


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