【インタビュー】第32回▶新津ラグビースクール(新潟県)

第32回▶学年の垣根を超えてアットホームな雰囲気が魅力

ラグネット第32回目は、新潟県の旧新津市(現在の秋葉区)近郊を拠点に活動する新津ラグビースクールです。2002年に「はじめてのラグビー体験会」で集まった数名の子どもたちでスタートしました。タグラグビーの全国大会「サントリーカップ」ではベスト8に進出したこともあります。東京オリンピック女子セブンズ代表内定選手となった原わか花(はら・わかば)選手も新津ラグビースクール出身です。今回は、同スクールの卒業生で中学生コーチの石川拓実さん(28歳)にお話を伺いました。


声を掛け合わなくては上手くいかない

コミュニケーションが必要な練習を多くする


村上 石川さんはこのスクールの卒業生ということですが、いつから参加されているのですか。

石川 このスクールができたときに僕は小学3年生で、体験会に参加しました。2002年の創立時に地域の学校にチラシが配布されました。友達も参加するということだったので、興味本位で参加しました。そのまま入校して中学まで新津ラグビースクールに所属し、進学した北越高校でもラグビー部に入りました。その後、専門学校に行ったので、その2年間だけはラグビーから離れたのですが、OBとしてスクールの練習にはときどき顔を出していました。社会人になるときにコーチになって、いまも教えています。

村上 小学3年生のころ、どんなところにラグビーの面白さを感じましたか。

石川 当時、まわりの友達は野球やサッカーをしていました。僕はチームスポーツをやっていなくて、特に運動が得意なわけでもなかったのですが、なにかしらスポーツをやりたいと思っていました。ラグビーは他のスポーツにないコンタクトプレーがあるのが気になって始めました。

村上 新津ラグビースクールが、指導上気を付けていることを教えてください。

石川 すぐに答えを教えるのではなく、なぜこうなったのかという問いかけをして考えてもらうようにしています。子どもたちが考えた答えに対して、コーチがアドバイスをするようにしています。

村上 ラグビーの体力面、技術面については、どんなことを教えていますか。

石川 走る練習を多くして、体力面の向上は意識しています。なるべく、お互いに声を掛け合ってコミュニケーションをとらないと上手くいかなくなるような練習をさせて、細かくコミュニケーションをとるように意識させています。

村上 具体的には、どんな練習がありますか。

石川 毎週やっているのはフィールディングの練習で、コーチがボールを蹴り、3人で三角形を作ってキックをキャッチして、声を掛け合ってパスをつなぐ練習です。ディフェンスをつけた場合にどう対処するか、キックが蹴られた場所によってサポートの選手がどう動くべきか、サポートする選手がどういう声をかければベストな状態でボールがもらえるのか、そういったことを考えて練習するようにしています。

村上 コーチはどういう経歴の方が多いのですか。

石川 自分の子どもが練習に参加している保護者コーチが多いです。自分の子どもが卒業してもそのままコーチを続ける人たちもいます。スクールの卒業生もいます。可能な方にはスタートコーチの講習も受けていただいています。


コーチは怒鳴ったりすることなく、

丁寧にわかりやすく話す


村上 現在の生徒数は約50名ということですが、増減はあるのでしょうか。

石川 私が小学6年生、中学のころはもう少し多かったです。いま減ってきていますね。これは地域の子どもの数自体が減っていることが大きいと思います。他のスポーツの少年団を見学することもあるのですが、減っているように感じます。

村上 2019年のラグビーワールドカップ(RWC)の影響はありましたか。

石川 あります。あの大会を見てラグビーを始めたくなって見学に来る子どもはいまもいます。でも、1、2名という単位ですので一気に生徒数が増えることはありません。私は中学生のコーチなのですが、学校の部活との両立が難しいようで、現在は9名です。単独で試合ができないので、新潟にあるスクールがいくつか集まって合同チームを作っています。それも現在は県外への移動ができず、試合はできない状況です。

村上 新津ラグビースクールの特徴として、学年の垣根を超えて仲が良いらしいですね。

石川 中学生も小学校高学年の練習を手伝ってくれるし、高学年も中学生の練習を手伝ってくれます。練習前は学年に関係なく、和気あいあいとした雰囲気がありますね。

村上 日本代表の稲垣啓太選手は、新津秋葉区出身のようですね。

石川 そうです。2019年のRWC後にスクールに来てくれたこともあります。

村上 RWCはみんなで応援に行くことはあったのですか。

石川 新潟日報の入っているビルの「メディアシップ」でパブリックビューイングがありました。新津だけではなく、他のラグビースクールも集まって応援しました。僕は家で見ていましたが、稲垣選手が初トライをあげたスコットランド代表戦は感動しましたね。

村上 東京オリンピックの代表チームにも選ばれた女子セブンズ日本代表のトライゲッター、原わか花選手(新津第二中→石見智翠館→慶應義塾大学。東京山九フェニックス所属)も新津ラグビースクール出身のようですね。

石川 そうなんです。低学年のころに入ってきて、いったん辞めていたのですが、中学3年生のときに、またラグビーを始める気持ちになったようで練習に来るようになりました。私も指導しましたが、運動神経が良いのと、男子の選手にもためらいなくコンタクトするガッツ、足の速さが印象に残っていますね。

村上 保護者の方のアンケートを見ると、「子どもたちが上達できるようコーチが丁寧に教えてくれる」など指導も好評ですね。

石川 怒鳴るような指導ではなく、なるべく丁寧に分かりやすく話しているコーチが多いですね。

村上 子どもたちの変化について、「積極的に周りに声をかけたりできるようになった」、「自分の考えをはっきり言えるようになった」という感想も嬉しいですね。今後は、どんなスクールにしていきたいですか。

石川 自分で考えて、まわりに自分から発信できるような人になってほしいですし、卒業生が大学、社会人になっても、いつでも気軽に来てくれるようなスクールにしていきたいと思っています。

村上 練習場所は、信濃バレー「親水レクリエーション広場」の天然芝ですが、ここは常時借りられるのですか。

石川 はい。年間の練習の80%くらいは、ここで行っています。

村上 部員募集は随時行っていますか。

石川 基本的には土曜日の午後に信濃バレー親水レクリエーション広場で練習しています。ホームページなどで練習場所や時間は随時公表していますので、そちらを見ていただいて連絡をいただいてもいいですし、直接来ていただいても大丈夫です。



ラグビーキッズ

ラグビーネットワークインフォメーション(ラグネット)

アンケート

1、ラグビースクールの名前

 新津ラグビースクール(ニイツラグビースクール)

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等


3、代表者名

 代表 山口 穣(初代保護者会長)

4、 住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先

 新津ラグビースクールのHPやインスタグラムのDMよりお問い合わせ下さい。

 また直接グラウンドに来て見学や体験はいつでもOKです。

5、活動場所・練習場所

 新潟市秋葉区の信濃バレー「親水レクリエーション広場」 

 ※冬期や雨天時は新津第三小学校体育館

6、練習場所は天然芝、人工芝、土等

 信濃バレー「親水レクリエーション広場」は天然芝です。

7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等

 【練習日】毎週土曜日13:30~17:00位。HPでご確認ください。

 【大会】5月新潟県春季交流会  7月日本海大会  9月新潟県秋季交流戦 

 10月ミラージュカップ(富山) 3月新潟県ファイナルカップ(高学年)

 ※現在はコロナの為、開催見合わせ

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの

 月謝:中学生      1,000円/月(12,000円/年)

 小学生4~6年生 1,000円/月(12,000円/年)

 小学生1~3年生  500円/月( 6,000円/年)

 年間:園児       2,000円/年    ※いずれも協会登録料・保険代込み

 ※コーチは全てボランティアです。

 用具:ヘッドキャップ・ボール・ジャージ(大会時着用)・スパイク

9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等

 中学生・小学生・園児約50名です。

 女子活躍中。中学生・小学生で10名です。第2の「原わか花」目指し活躍中です。

10、コーチ人数、指名、経歴等

 約15名(ラグビー経験者やラグビーに夢中な保護者そして卒業した子ども達)

11、モットー・大事にしている事・理念

 練習や試合を通じて、楽しみながら「ラグビー」をプレーする。

12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い

 学年の違いも関係なく仲が良くアットホームな雰囲気です。

 保護者・コーチも含めて、スクール全体で「ラグビー」を楽しんでいます。

13、歴史・活動実績

 【歴史】創立は2002年4月、今年で19年目です。

 「はじめてのラグビー体験」で集まった数名の仲間からスタートしました。

 【活動実績】サントリーカップ「新津リバーズエイト」タグラグビーチーム

 第5回 全国大会ベスト8

 第8回 全国大会ベスト16

14、OB・輩出トップリーガー

 2020東京オリンピック女子セブンス代表

 原わか花選手 東京山九フェニックス(新津第二中→石見智翠館→慶應義塾大学在学)

15、指導方針・教育方針

 ・選手ファースト。チャレンジする勇気を尊重し良いところを見つけて引き出す。

 指導者の考えを押し付けない。

 ・自ら考えて、「正解を教える」のではなく、「選択肢を与えて、子どもに選ばせる」。

 結果よりプロセスを重んじる。

16、合宿・場所・期間・参加年齢等

 ・菅平合宿(7月末 2泊3日 3年生以上参加)

17、ラグビー以外の行事

 ・夏季イベント(アイスday BBQ現在は中止)

 ・新年会(ミニ運動会・おかしまき)現在は中止

 ・卒業式(スクール生・保護者・コーチがみんなで卒業生を送り出す)

18、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか

 ・ラグビー以外の競技にも参加OKです。(多数)

19、保護者の活動への参加・サポート

 ・送迎や学年の持ち物当番制(救急箱・ブルーシート)

20、どんなスクールを目指すか(将来像)

 ・卒業生がいつでも顔を出せるようなラグビーの交流の場。

 そしてスクール生、保護者、コーチと一緒にラグビーに触れ合えるスクールにしたいです。

21、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)

 ・自分で考えて挑戦して行動できる。そして相手を思いやり、周りへの感謝の気持ちを忘れない大人になってほしいです。

22、プレースタイル

 ・展開とスピード感のあるラグビー

23、交流する他のラグビースクール

 ・新潟県内スクール・川越ラグビースクール(菅平合宿)

24、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)

 ・新潟工業高校・北越高校・新潟県協会

25、自由欄(付け加える事があれば)

 ・「ラグビーに恩返し」青春時代、苦しみも楽しみも教えてくれたラグビー。そして最高の仲間に出会えた喜びを今の子ども達に伝えたい。そんな思いでコーチ達は指導しています。




保護者へのアンケート(10名より協力頂きました)

1、このスクールを選んだ理由

 〇体験に行き、楽しそうだったから。

 〇色々体験した結果、子どもが1番行きたいと言ったスクール

 〇みんながすごく楽しそうに練習をしていたから。

2、このスクールの良い点

 〇子供を褒めながら悪い点も注意してくれる

 〇未就学児から中学生まで和気あいあい、のびのびしているところ

 〇子供が上達できるようコーチが丁寧に教えてくれる。

3、スクールに改善して欲しい所

 〇もう少し厳しくてもよい

 〇一つもありません! 

4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか

 〇積極的に周りに声をかけたりできるようになりました。

 〇自分の考えをはっきり言えるようになった

 〇ラグビーの練習をいつも楽しみにしている。運動に興味を持った

 〇チームプレイの楽しさを学びました。

 〇勝つことよりも仲間を大切にするようになった

5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか

 〇スクールの存在がなければ、土日もゴロゴロとゲームばかりしていたかも…

 〇勉強を頑張るようになった

 〇運動をするようになった!

 〇よく食べるようになった

6、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか

 YES 100% 

 〇続けてほしいですが…本人の意思を尊重します

 〇続けたいが中学でラグビー部がないのが残念。

 〇続けさせたくないが本人が続けたいなら喜んで協力します

7、ご自身もラグビーをしていましたか

 ・1名(1/10名)

8、ご自身もラグビーが好きになりましたか

 YES 100%

9、どんな大人になって欲しいですか

 〇FWの力強さとBKのスマートさがありユーモアのある大人

 〇自ら考え行動する。人間力の高い大人。

 〇思いやりがあり、何かに気づき→取り組める力がある大人。

 〇困っている仲間を助けられる人でいてほしいです。自信をもって胸を張って生きていってほしいです。

 〇何事も諦めず最後までやり遂げる心、礼儀正しく思いやりのある大人

10、スクールに入れてよかったですか

 YES 100%



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