【インタビュー】第20回▼つくしヤングラガーズ(福岡県)

第20回▶「みんなのやくそく」を守る子どもを育てたい

ラグネット第20回目は、福岡県の大野城市を拠点に活動する「つくしヤングラガーズ」です。1977年の創部で、現在の部員数は約180名。九州大学の筑紫キャンパスで練習しています。有田隆平選手(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)、合谷和弘選手(クボタスピアーズ)ほか、多くの卒業生がトップリーガーとして活躍しています。どんなチームなのか、事務局長の重永和征さん(47歳)にお話を伺いました。


つくしヤングラガーズに出会って、

ラグビーのイメージが変わった


村上 重永さんは、いつラグビーに出会ったのですか。

重永 僕は山口県の出身で、中学の頃は野球と相撲をしていまして、運よく相撲の山口県代表で中国大会に出たことがあります。進学した新南陽高校ラグビー部の監督が、その経歴を見つけて声をかけてくださったんです。ポジションはHO(フッカー)でした。厳しい部活で、みっちり練習しました。怪我もあって、大学ではラグビーを続けませんでした。

村上 そこからどのように、つくしヤングラガーズに出会うのですか。

重永 大学から福岡に住むことになったのですが、ラグビーは高校時代に嫌というほどやったものですから、自分の息子にはやらせたくないと思っていたんです。ところが、2015年のラグビーワールドカップ前にプライベートで五郎丸歩選手と会う機会があり、次に大畑大介さんともお会いしました。やはりラグビーとは縁があるのかなと思っていたところに、知人から誘いがあって、小学4年生の長男をつくしヤングラガーズに入れることになりました。5年前のことです。

村上 お子さんは他のスポーツはしていなかったのですか。

重永 サッカーをしていたのですが、仲のいい友達も一緒に入ろうと言ってくれたので、一大決心で入れました。入って一年間は僕も一人の保護者にすぎませんでしたが、二年目から保護者をまとめる総務委員長をすることになって、会長から事務局長をやってほしいという打診を受けました。そして今日に至ります。

村上 つくしヤングラガーズの第一印象を聞かせてください。

重永 ものすごくアットホームで楽しいイメージでした。僕の高校時代の印象では、ラグビー=厳しいというイメージがありましたが、つくしヤングラガーズはコーチと保護者の関係がとても良かったし、他のラグビースクールとの交流も温かいものでした。これは大切にしていかなくてはいけいないと、いまも思っています。

村上 2020年度は小学生の全国大会ヒーローズカップに3年連続で出場して、決勝大会にも進出されていますね。

重永 息子も3年前に参加させてもらって、良い思い出作りをさせてもらいました。

村上 子どもたちの一番の目標がヒーローズカップになっているのですか。

重永 それでいいのか?という問題もあるのですが、今のところ、子どもたちは先輩に続きたいと目指していますね。ヒーローズカップは、みんなで応援し、みんなで物販をして資金を集めてというクラブの一大行事です。先輩のようになりたいというモチベーションは、子どもたちに間違いなくありますね。

村上 他にもクラブで盛り上がるイベントはありますか。

重永 コロナ禍でいろいろできなくなってしまっていますが、例年、意外と盛り上がるのが相撲大会です。大野城市に立派な土俵がありまして、そこで学年別に優勝者を決める大会を開催し、勝つとお米がもらえます。各学年の優勝者同士が戦うこともあり、これが非常に盛り上がるんです。


モットーは、「みんなのやくそく」に

記された六つの心得


村上 アンケートの、チームのモットー、指導方針のところを拝見すると、「みんなのやくそく」という六つの心得が書いてありますね。

重永 今はコロナ禍で分散して練習しているのですが、全員で練習しているときは、朝礼でみんなそろって読んでから練習していました。

【ぼくたちは、一、大きな声であいさつします 二、やくそくは必ず守ります 三、みんな仲よく力をあわせます 四、なにごとにも こわがらず ぶつかっていきます 五、自分のことは自分でします 六、いつでも どこでも力のかぎりがんばります】

村上 これは、いつからあるのですか。

重永 はっきりしないのですが、年に一回、保護者に配布する冊子があって、必ず1ページ目に明記しているほど大切にしています。

村上 コーチ陣が意識している指導上の留意点などありますか。

重永 基本的にはこのモットー「みんなのやくそく」にしたがって指導しますが、基礎練習をしっかりするということは指導委員長がよく話しています。

村上 コーチは保護者の方が多いのですか。

重永 保護者もいますし、そうでない方もいます。また、福岡という土地柄、九州電力、サニックス、コカ・コーラのラグビー部の出身者もいらっしゃいます。コーチ陣には恵まれていると思っています。

村上 現在の部員数は、約180名ということですが、これは増え続けているのですか。

重永 はい。右肩上がりで増えています。ラグビーワールドカップの影響もあると思いますが、その後も下がる傾向はなく、毎週のように見学者の方もいらっしゃいます。

村上 増える要因は何か他にありますか。

重永 つくしヤングラガーズは、普及委員会があり非常によく動いてくれています。その成果だと思います。体験会を頻繁に行っていますが、大野城市の小学校の運動場を借りて行うことで、そこに貼られるポスターが地元の人たちの目に触れ、小学校の子どもたちも興味を持ってくれたらと、そんな考えで開催しています。

村上 プレースタイルの伝統などありますか。

重永 保護者にお配りする冊子に、こんな言葉を書いています。【GO FORWARD!(前へ!) FOR THE TEAM!(チームのために!)】 仲間のために頑張ろう、前に出ようということは、常に掲げています。

村上 特に交流の深いラグビースクールはありますか。

重永 草ヶ江ヤングラガーズとは定期交流会もあって仲良くしています。帆柱ヤングラガーズもよく交流していますし、りんどうヤングラガーズは我々の創立に協力してくださったようです。他県では、大分ラグビースクールと定期的に行き来し、遠征した時はホームステイさせてもらう関係ですね。いつかこの両チームの選手が同じチームになって一緒に戦ってくれたら良いなと思っています。

村上 卒業生には神戸製鋼コベルコスティーラーズの有田隆平選手他、トップリーガーもいらっしゃいますが、彼らが来てくれることもありますか。

重永 有田選手が来てくれたこともあります。山崎洋之選手(明治大学→クボタスピアーズ)のお父さんは、現在、中学の部のコーチです。

村上 重永さんは、5年にわたってチームに関わっていますが、ラグビーというスポーツは子どもたちにどんな影響を与えていると感じていますか。

重永 仲間意識が非常に強くなりますね。僕の次男がいま小学5年生なのですが、ラグビーを始めて仲間意識が強くなりました。あいつも頑張っているから頑張ろう、あいつに負けたくないから頑張ろうと、それも相手をリスペクトした上での意識なんですね。次男はラグビーには向いていないと思っていたのですが、今では、ラグビーしか考えられないって言っています。

村上 今後どんなチームにしていきたいですか。

重永 ヒーローズのような大会を目指すチームでもありたいのですが、それだけではなく、いろんなことを学んで、「みんなのやくそく」を守ってくれるような子どもを育てていきたいですね。うちは、来年45周年を迎えます。培ってきた歴史があるチームですから、「みんなのやくそく」を守るように成長し、その子どもたちが大人になってクラブに帰ってきて、若い子たちに教える。この循環を作っていきたいなと理想を描いています。



ラグビーキッズ

ラグビーネットワークインフォメーション(ラグネット)

アンケート


1、ラグビースクールの名前

 つくしヤングラガーズ

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等 

 タイガージャージ

3、 代表者名

 石川 英俊

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先

 事務局長 重永和征 090-1349-9422

    【HP】 https://tsukushi-yr.com/
  【Instagram】 @tsukushi_young_ruggers
  【Facebook】 @TSUKUSHIYOUNGRUGGERS1977

5、活動場所・練習場所

 九州大学(ただし現在はコロナ禍なので使用できず分散で公園等で練習)

 練習場所は天然芝、人工芝、土等

 多くは土。可能な限り天然芝でしたいが予約困難

6、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等

 【練習日】毎週日曜日:午前9時~12時

 小学校5・6年、中学生は土曜日も練習有り、(大会前等)

7、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの

 ・入会費:2,000円

 ・会費:月額 1,500円 (年間 18,000円)

 ・グラウンド使用料:4000円(年間)

8、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等

 約180名 内2名女の子

9、コーチ人数、指名、経歴等

 約60名のコーチがいます

10、モットー・大事にしている事・理念


11、歴史・活動実績

 創部    昭和52年/1977年

12、OB・輩出トップリーガー

 「神戸製鋼コベルコスティーラーズ」の有田隆平

 「NTTドコモ レッドハリケーンズ」の鶴田馨選手

 「クボタスピアーズ」の山崎洋之選手

 「クボタスピアーズ」の合谷和弘選手

13、指導方針・教育方針


14、合宿・場所・期間・参加年齢等

 阿蘇青少年交流の家 7月下旬 小学生

15、校歌等


16、ラグビー以外の行事 

 マラソン大会・相撲大会

17、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか

 不明

18、保護者の活動への参加・サポート

 現在はコロナ渦で保護者の見学を一部自粛ですが、基本、全ての活動にボランティアで成りたっていますので、可能な限り保護者もサポートして頂いています。

19、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)

 下記ができる大人。


20、プレースタイル


21、交流する他のラグビースクール

 草ヶ江YR、中鶴RC、柚木RS、帆柱YR、鞘ヶ谷RS、太宰府RC、大分RS、宮崎RS、かしいYR、りんどうYR

22、自由欄(付け加える事があれば)

 今回、ヒーローズに3年連続で出場させて頂きました。

 来年、当クラブは45周年を迎えます。

 今一度、原点に立ち返り、多くのOB達は気軽にグラウンドに来れるように、未来永劫、活動していきたいと考えています。



保護者へのアンケート

1、このスクールを選んだ理由

 友人の紹介(体験会では、子供本人がラグビーしたいと思うまで体験させてくれたこと、スクールにいる保護者も子供も家族のようにフレンドリーであったこと、ラグビーを通じて運動以外のことも学べること、など最初の印象がとても良かったです)

2、このスクールの良い点

 大人が子供をサポートする文化が根付いている点

3、スクールに改善して欲しい所

 保護者へのクラブ方針の認知徹底

4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか

 変わりました

 仲間意識や他者への尊重

 体力向上(風邪を引きにくくなり、持久力向上が見られる)

5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか 

 ありました

 体力をつけるために食事を改善し、夜は時間を作りラグビーのトレーニングをするようになりました。

 しかし、家族の時間は減りました。

6、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか 

 是非続けて欲しいです。

7、ご自身もラグビーをしていましたか

 いいえ、していません。(主人は高校生の時にしていました。)

8、ご自身もラグビーが好きになりましたか

 はい、大好きになりました。

9、どんな大人になって欲しいですか

 肉体的にも精神的にも、強く優しく自立心を持った大人になって欲しいです。

10、スクールに入れてよかったですか

 とても良かったです。

 こちらのスクールに入れたことで人生観が変わりました。




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