【インタビュー】第18回▼杉並少年ラグビースクール(東京都)

第18回▶子どもたちが本気で喜び、本気で悔しがる体験を!

ラグネット第18回は、トップリーガーや女子日本代表選手らを輩出する杉並少年ラグビースクールです。創立は1987年秋。京都大学ラグビー部OBで、東京都の杉並区長も務めた山田宏さんが初代の校長先生です。杉並第十小学校の校庭で始まったスクールは、今では150名以上の子どもたちがラグビーを楽しんでいます。今回は、高学年のヘッドコーチ永井裕暁さん(46歳)にお話を伺いました。


*村上晃一の「ラグネット」インタビュー

子どもたちがとても楽しそう

それが杉並少年RSの第一印象


村上 永井さんはいつからラグビーを始めたのですか。

永井 私は東京都立川市の出身ですが、立川第二中学校に入学した時にラグビー部が創部されました。小学校までは野球をしていて、野球は辞めて何か違う運動部に入ろうと思っていました。ある授業でラグビー部の顧問ではない先生が、「今年からラグビー部ができるのだけれど、すごく良いところのあるスポーツだ」という話をしてくれて、それで体験に行ってみたんです。高校は専修大学の付属高校に入って、専修大学でもラグビーを続けました。

村上 杉並少年ラグビースクール(RS)に関わるようになったのは、何かきっかけがありますか。

永井 うちの長男・暖土(はると)がいま小学6年生で所属していますが、小学1年生のときに、杉並少年RSの体験会のチラシを見たようで、「これに行きたい」と言い出したので連れて行きました。ラグビーをやらせようという気はなく、自分でやりたいものができたらそれをやらせようと思っていました。私は草野球のチームにも入っていたので、野球をやると言い出すかと思ったら「ラグビーをやりたい」と言い始めたというわけです。

村上 他に兄弟はいらっしゃるのですか。

永井 上に長女がいまして、次男・裕葉(ゆうは)は小学3年生で杉並少年RSにいます。

村上 自分でチラシを見つけて、やりたいと意思表示したのは凄いですね。

永井 僕も中学からラグビーを始めましたし、ラグビーは高校からでもできるスポーツですよね。野球は小学校からやっていないとできないと実感していたので、野球をした後、ラグビー、サッカー、バスケットボールでもいいのかなと思っていましたが、最初からラグビーでしたね(笑)。

村上 暖土くんが入団されたことで指導員もされるようになったということですね。このスクールの指導をどんなふうに感じましたか。

永井 基本的に保護者の皆さんがアットホームな感じで教えているというのは、すぐに分かりました。子どもたちが、とても楽しそうだったのが印象的でした。

村上 エンブレムはなぜゴリラなのですか。

永井 私が聞いたところでは、ラグビーボールを持っている姿が、ゴリラが走っているみたいだからゴリラにしたと聞いています。

村上 ゴリラみたいな選手がいたんですかね(笑)。

村上 生徒数は創部当初は数名だったとのことですが、現在は150名を超えていますね。

永井 2015年のラグビーワールドカップ後に増え、2019年のラグビーワールドカップ後にさらに増えました。2019年の大会後に開催した体験教室には、150名くらい参加してくれました。今年の4月18日にもやりましたが、インターネットだけで体験教室の募集をして、参加人数は最大50名にして開催しました。40名以上は来てくれましたね。


試合後は子どもたち同士で話し合う

大人は見守り、フォローにまわる


村上 スクールのモットーが「大人ではなく、子どもたちが本気で喜び、本気で悔しがる体験をすること」とありますね。

永井 そうなんです。実は僕も指導を始めた頃に、それで注意されました。子どもたちが、やる気のないような試合をしたとき感情的になってしまったんです。その時に、「杉並のモットーは、大人が悔しがるのではなく、子どもたちにどうやって悔しがらせるかということなんですよと、先輩の指導員の方に教えてもらいました。

村上 不甲斐ないプレーした時は、どのように指導するのですか。

永井 低学年と高学年ではやり方が違いますが、中学年くらいになると、試合後に子どもたちを集めて、自分たちで話をしてもらうように心がけています。ミーティングの主導権を子どもたちに持たせるのです。最初は話す子が決まっているのですが、ずっと続けていると、みんなが話すようになります。そこを大人が最後にフォローする。そういったスタンスですね。

村上 大会に出た場合は、勝利を目指すのですよね。

永井 杉並少年RSとして勝利を目指すのは、ヒーローズカップくらいで、あとは交流戦ですね。そういうときは、「全員レギュラー」という考えで、上手い子も未熟な子も一緒にやっています。上手い子を見て学ぶことも大事だし、上手い子はフォローもしないといけない。みんなで一緒にやることは徹底しています。ヒーローズカップについては、今年は6年生一人一人にヒアリングしました。8割から9割の子は「勝ちたい」と言いました。では、勝てるように練習を頑張ろうという話をします。すべてが子どもたち主導なんです。

村上 練習グラウンドは、いろんな場所があるのですね。

永井 決まったグラウンドがないので、確保できたところでやっています。どうしてもグラウンドが借りられないときは、親しくしている江戸川区ラグビースクール、町田市ラグビースクールさんなどにお願いして合同練習や交流試合をさせてもらっています。世田谷区ラグビースクール、お隣の練馬ラグビースクールとも親しくさせていただいています。

村上 ライバルチームはあるんですか。

永井 練馬とか世田谷区といったところは、子どもたちは意識していますね。

村上 やっぱり、区の名前がついているところは、意識するんでしょうね。

永井 練馬、世田谷、杉並、たしかにあるでしょうね(笑)。

村上 サントリーサンゴリアスの中村駿太選手(桐蔭学園→明治大学)他、卒業生に、トップリーガーや女子日本代表選手が多いですね。何か要因はありますか。

永井 コーチがあれこれ言うのではなく、子どもたちに、よく考えさせていたと思います。子どもたちは、「こうやりたい」ということを練習して、試合で実行していた。それが考える土壌を育み、よりラグビーが好きになるということにつながったのではないでしょうか。

村上 卒業生が来てくれることはありますか。

永井 体験教室など何かあるタイミングで来てくれます。最近も明治大学を卒業した斎藤大朗(豊田自動織機シャトルズ)君が顔を出してくれて、一緒に練習してくれました。

村上 一年のスケジュールの中で生徒たちが楽しみにしているイベントなどありますか。

永井 秋と春の都大会と夏合宿です。菅平高原で3泊4日、みんなで一緒に過ごして、ラグビー漬けになるという初めての体験をする。それが子どもたちの楽しみです。しかし、コロナ禍で昨年はできませんでした。

村上 ラグビーというスポーツは、子どもたちにどんな影響を与えると感じますか。

永井 ラグビースクールには学校単位ではない子どもたちが集まりますよね。うちのスクールであれば、練馬区、世田谷区、杉並区といろんな区から生徒が集まってきます。そういう意味で協調性を養う場でもあります。ラグビーというスポーツの特性上、体のぶつかりあいがあります。体をぶつけると痛い、でもなんのためにやるのかといったら、仲間のためですよね。そして、助け合う。仲間という意識が強くなるという側面もあると思います。仲間の大切さを子どものうちに分かるのは大事なことだと思います。

村上 これから、どんな環境を子どもたちに作ってあげたいですか。

永井 個人的な思いで言えば、速くなる走り方や、ステップの踏み方などスタンダードで教える土壌が根付けば、さらに面白いスクールになるんじゃないかと思います。

村上 先日も体験会をされたということですが、入会は随時受け付けているのでしょうか。

永井 はい。随時受け付けています。ホームページをご覧いただいて、見学希望などご連絡いただければ対応いたします。

村上 最初に必要なのは入会金(1,000円)くらいですか。

永井 そうですね。それも入会を決めてからしかいただきません。体験ということで、半年くらい来ている方もいらっしゃいました(笑)。そのあたりも、ゆったり自由な校風でやっています!



ラグビーキッズ

ラグビーネットワークインフォメーション(ラグネット)

アンケート


1、ラグビースクールの名前

 杉並少年ラグビースクール

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等

2、代表者

 校長 宮島 郁夫

3、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先

 http://suginami-rs.com/

4、活動場所・練習場所

 杉並区および近隣地域のグラウンドで練習・試合を行います。

 主なグラウンドは、和田堀公園運動場、済美山運動場、井草森公園運動場、下高井戸運動場など

5、練習場所は天然芝、人工芝、土等

 和田堀公園運動場(土)、済美山運動場(天然芝)、井草森公園運動場(天然芝)、下高井戸運動場(人工芝)

6、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等

 原則として、毎週日曜日に3時間程度の練習を行います。他スクールと試合をする場合もあります。それ以外にも、土曜日や祝日などに、都合がつく有志が集まって自主練をする場合があります。

7、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの

 入会金:小・中学生・幼児とも1,000円/人(※翌年度以降は不要)

 年会費:小・中学生1,200円/月(14,400円/年)、幼児600円/月(7,200円/年)※いずれも1人当たり

 スクールジャージ:4,840円、スクールパンツ:2,420円、スクールストッキング:1,320円、ヘッドキャップ:メーカー指定はありませんが、必須です。マウスガード:中学年以上は必須、低学年以下は推奨。5000円程度です。スクール推薦の歯科医あり。

8、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等

 2021年4月1日現在の生徒人数:158名(中学生20名、高学年36名、中学年45名、低学年44名、幼児13名)

 女子:14名、8.9%(中学生:2名、高学年4名、中学年5名、低学年1名、幼児2名)

9、コーチ人数、経歴等

 コーチ人数:75名、元日本代表選手を含むラグビー経験者もいれば、未経験者でも熱心なコーチも多数在籍しています

10、モットー・大事にしている事・理念

 「子どもたちの本気を引き出すこと」

 「大人ではなく子どもたちが本気で喜び、本気で悔しがる体験をすること」

 「子どもたち全員が主役」

11、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い

 試合には原則全員出場

 コーチ・スタッフは全員、生徒の父母を中心としたボランティアで、ラグビー経験の多寡に関わらず、多くのお父さん、お母さんたちが子どもたちと一緒に、毎週の活動を楽しんでいます。

12、歴史・活動実績

 1987年秋に初代校長の山田宏と数名のコーチ、数名の男女小学生が杉並第十小学校のグランドで練習をするようになって始まりました。

 杉並区後援の『杉並こどもラグビー体験教室』を年2回開催しています。

 また当スクールは1998年から20年以上にわたり継続的にオーストラリアにある杉並区の友好都市ウィロビー市の同世代チームと国際交流を続けています。この年代でのオーストラリア遠征、日本遠征は他に数例しかなく、私たち杉並少年ラグビースクールの特色と言えます。

13、OB・輩出トップリーガー

 中村駿太:桐蔭学園⇒明治大学⇒サントリーサンゴリアス(日本代表候補)

 三宮累:東京高校⇒中央大学⇒NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

 笹川大吾:明治大学中野高校⇒明治大学⇒リコーブラックラムズ

 齊藤大朗:桐蔭学園⇒明治大学⇒豊田自動織機シャトルズ

 平野優芽:日体大(女子セブンズ日本代表)

 塩崎優衣(女子15人制元日本代表)

 小西想羅:青学大(女子15人制日本代表)

 小池隆成:東海大(ジュニアジャパン)

14、指導方針・教育方針

 当スクールのモットーは子どもたちに合ったラグビーを、レベルに応じて楽しむこと。ゲームでは勝ちにこだわらず、「全員レギュラー」の考えのもとに行っています。これは1987年の結成以来34年間、一貫して変わっておりません。

15、合宿・場所・期間・参加年齢等

 7月末、菅平高原、3泊4日、小学生希望者全員、幼児保護者同伴

16、ラグビー以外の行事

 定例ではありませんが、BBQ。

17、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか

 多くの生徒が他にも習い事をしています。

18、保護者の活動への参加・サポート

 低学年、幼児の保護者の方々は、子どもたちと一緒にラグビーを楽しんで頂いています。

 ほとんどのコーチは、保護者の方々でボランティアです。

 飲み物当番等はありません。

19、どんなスクールを目指すか(将来像)

 ラグビーを通じて「子どもたちの本気を引き出すこと」「大人ではなく子どもたちが本気で喜び、本気で悔しがる体験をすること」を目標にしており、その為にラグビーを楽しめる場所(環境)を提供し続ける。

 ラグビーが好きになり、中学、高校、大学とラグビーを続けてくれればよいなとも考えております。

20、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)

 「仲間を思いやる心」「自分に負けない強い心」が育つように指導しています。皆がラグビーを大好きになり、素敵な大人になってくれますように!!

21、プレースタイル

 「全員レギュラー」

22、交流する他のラグビースクール

 世田谷区ラグビースクール、練馬ラグビースクール、ワセダクラブ、江戸川区ラグビースクール、町田市ラグビースクール他 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県を中心に多数のラグビースクールと交流しています。

23、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)

 中学生は世田谷区ラグビースクールと合同チームを組ませて頂いております。

 毎年明治大の「北島ラグビー祭に呼んで頂いております。

 弊スクール主催のラグビー教室にサントリーサンゴリアスの選手にお越し頂いたことがあります。もちろん、OBの中村駿太選手もです。

 NTTシャイニングアークス主催のシャイニングアークスカップに参加させて頂いており、OBの三宮累選手に毎年コーチについて頂いております。

24、自由欄

 1987年数名の子どもたちと数名のコーチから始まり、途中9人制(高学年)の試合が出来るかどうかの時代もありましたが、2015年と2019年のワールドカップでの日本代表の活躍もあり、今では150名を超える子どもたちがラグビーを楽しんでいます。今後も子どもたちにラグビーを楽しんでもらえる環境(場所)を提供していきたいと思います。

 中学、高校、大学およびトップリーグや国際試合で活躍しているOB、OGがたくさんいますので、陰ながら応援しているところです。

 2022年度は、35周年です。子どもたちが喜ぶ企画を検討中です。

お力添え頂けましたら有難いです。



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