【インタビュー】第16回▼小金井ラグビースクール(東京都)

第16回▶スポーツを通して、思いやりのある心と、丈夫な身体を作る

16回目に紹介するのは、東京都の小金井公園を主な練習場所として活動している小金井ラグビースクールです。1997年の創部で、現在の生徒数はなんと305名。日本屈指の規模を誇る大所帯ですね。女子選手も多く、中学生の部も80名以上いて元気に活動しています。今回は、小学6年生の主任コーチでご自身の息子さんもスクールを卒業した脇山雅史さん(46歳)にお話を聞きました。


基礎的な技術を教え、

試合では選手の判断を尊重する


村上 脇山さんがラグビーを始めたのはいつですか。

脇山 小学1年生の時です。私は長崎出身なのですが、父がラグビー経験者で、無理やり長崎ラグビースクールに連れていかれました(笑)。本格的にプレーしたのは長崎南高校までです。

村上 長崎南高校と言えば同志社大学で学生日本一にもなったスタンドオフの森岡公隆さんなど有名選手も卒業されていますね。

脇山 1970年代によく花園(全国高校大会)に出ていた時代もあって有名選手もいらっしゃいます。私は大学ではサークルでプレーし、私の子供が小学1年生になったときに、家のそばにあった小金井ラグビースクールに入りました。雰囲気がとても良かったのです。

村上 具体的にはどんな雰囲気だったのですか。

脇山 小金井公園で練習をされているのを一般の人にまぎれて息子と一緒に見に行きました。すると、指導されていた先生方が、「どうですか?ラグビーやってみませんか?」とすごく優しく声をかけてくださったんです。大人の皆さんの雰囲気が良くて、子供たちと一緒に楽しんでいる感じでした。それで子供を入れようと思ったんです。15年くらい前のことです。

村上 15年前だともう息子さんは卒業されたのですね。

脇山 卒業しましたが、私はコーチとして残っているというわけです。

村上 小金井ラグビースクールが設立された経緯を教えていただけますか。

脇山 もともとは小金井ラグビークラブというチームがあって、そこに所属していた方が仲間と一緒に小金井でもラグビーを発展させたいということで始めたと聞いています。そのクラブのユニフォームの赤色がスクールカラーになりました。クラブが赤のユニフォームにしたのは、北の鉄人(日本選手権を7連覇した新日鉄釜石)への憧れだったようです。

村上 エンブレムが2色あるのは珍しいですね。

脇山 ファーストジャージが赤、セカンドジャージが紺なので、それに合わせてエンブレムが2つあります。本拠地の小金井公園は桜の名所です。コガネイという響きがコガネムシに似ていますよね。実際に小金井にはコガネムシが多いです。その2つを象っています。私もこのロゴは気に入っていて、チームでTシャツなど作るときは必ずこのマークを入れています。

村上 コーチ陣が指導の上で心がけていることはありますか。

脇山 対外的には「コーチ」と呼んでいますが、スクール内では「講師」と言っています。ティーチングの意味もあるのですが、教えるだけではなく、自分たちも自ら学ぶという意味合いを込めています。子供もラグビーをする仲間という意識で接しています。一番の特徴は、教えすぎることなく、まずは子供がやりたいようにプレーさせるということです。「教えすぎない」はコーチ陣の合言葉のようなものです。基礎的な技術は教えますが、試合になったときに、「そこで、パスだ!」というようなことは言わない。選手の判断に任せます。

村上 講師の皆さんは、ラグビー協会のコーチや、レフリーの資格をとっている方が多いですね。自分たちも成長するということを実践されているのですね。

脇山 そうです。レフリーの資格については、最初に資格を取った方が「レフリーができるくらいにならないと、ラグビーは教えられない」とおっしゃっていた。ルールを知ることは大事だし、他の講師も資格を取り始めました。私もC級は取得しました。コーチの資格も取ろうと思っています。

村上 スクールの運営には、保護者の皆さんは関わっているのですか。

脇山 生徒数が50人くらいの時は数名のスタッフで運営していたのですが、生徒数が増えるにしたがって、保護者の有志の方が手伝ってくれるようになりました。イベントなどはその都度手伝っていただいています。


OBが講師として戻り、

文化として循環するクラブを目指す


村上 生徒数が305名と非常に多いですね。どうやって練習しているのですか。

脇山 フルコートの半分くらいの広さのグラウンドと、小さな広場が3つありまして、分かれて練習するのですが、中学生は人数が多いこともあって外部のグラウンドを借りています。隣のスクール(西東京市にしはらラグビースクール)に中学生の部がなく、小学校を卒業するとうちのスクールに来てくれるので生徒数が増えるという事情もあります。

村上 コロナ禍での大所帯は大変だったでしょうね。

脇山 密にならないように、練習時間をずらす工夫をしました。奇数学年は朝8時から、偶数学年は10時からという形で。これによって練習場を広く使えるという気付きもありました。

村上 昨年はコロナ禍でいろんなものが中止になりましたが、例年、小金井ラグビースクールとして、年間スケジュールの中で目標とする大会やイベントはありますか。

脇山 例年は夏のラグビーマガジンカップをターゲットにしていました。中学受験をする小学6年生が夏でいったん引退するからです。優勝を争う大会ではありませんが、良いグラウンドで良い緊張感の中でやるということを目指しました。最近は冬にヒーローズカップがありますので、小学5、6年生はこの2つですね。他の学年は夏合宿での交流試合が一番盛り上がります。もう一つ、川越ラグビースクールに声をかけていただいて、川越の市民体育祭のラグビーのカテゴリーに参加させていただいています。そこはカップ戦で「優勝」を目指せるので、目標にしている子も多いですね。

村上 ラグビーをすることで、子供たちにはどんな影響がありますか。

脇山 一番良い影響は仲間をたくさん作れることでしょうね。違う学校の生徒ともすごく仲良くなりますよ。

村上 アンケートにラグビー憲章のことも書かれていますが、ここは大切に指導されているのですか。

脇山 特にジュニア(中学)になると、相手をリスペクトすることは大事です。6年生からジュニアに上がるときに、ジュニアの先生がラグビー憲章について話をしてくださいます。

村上 スクールの将来像に対する質問で、「OBが講師として帰ってきて、文化として循環できるクラブ」ということを書かれていますね。これはもう始まっているのですか。

脇山 やっと始まったところです。最初にいた子供たちが社会人になって顔を出してくれて、コーチ登録をしてくれるようになりました。ただ、まだ若いので仕事が忙しいんですよね。高校、大学、社会人でプレーしている卒業生がオフの期間に来てくれます。そういう循環は始まっています。

村上 そして、子供からご老人までが楽しめるようなクラブを目指しているのですね。

脇山 佐々木唯文会長はじめ、創設メンバーの方々もグラウンドに来てくれています。お母さんのタグラグビーチーム「Angels」もあるので、その指導もしてくださいます。

村上 脇山さんご自身は、ラグビーというスポーツの良さをどのあたりに感じていますか。

脇山 判断力が養えるということでしょうね。スピーディーに動き続けながら、走る、蹴る、当たるというプレーを選択していくというのは、すごいスポーツだなと感じています。

村上 どんな子供たちに入ってきてほしいですか。

脇山 もともと小金井ラグビースクールは、一人のラグビーエリートよりも、100人のラグビー好きを作ることを目指してきました。運動が苦手な子も含めて、スポーツの楽しみを知り、丈夫な体を作ってほしいです。小金井ラグビースクールは、生徒の皆さんを褒めて褒めて褒めまくり、生徒を成長させます。スポーツ経験が無い子も安心していらして下さい。



ラグビーキッズ

ラグビーネットワークインフォメーション(ラグネット)

アンケート

1、ラグビースクールの名前

 小金井ラグビースクール


2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等

 試合用ファーストジャージ: 小金井ラグビークラブのユニフォームの赤をスクールカラーとして継承

 

 胸には佐々木会長 直筆でKoganeiと表記
 








 

 エンブレム: 小金井桜とこがねむし 赤と青の2色があります

 


3、代表者名

 校長 楢崎 和正

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先

 渉外 竹橋 洋基  

 スクールホームページ https://koganeirugby.jimdo.com/

5、活動場所・練習場所

 小金井公園 ゆりの木広場

6、練習場所は天然芝

 人工芝、土等

7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等

 水曜日(小1~中3) 15:00-16:30


 土曜日(小1~小6) 9:00-10:30


 土曜日(中1~中3) 14:00-16:00


 日曜日(幼児~小2) 9:00-11:00


 日曜日(小3~小6) 8:00-11:00


 日曜日(Angels 大人タグラグビー) 10:00-11:30

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの

 年会費
幼児:13000円(スポーツ保険、第2子以降の減額有)


 小学生:15000円(スポーツ保険、協会登録費込み)


 中学生:16000円(スポーツ保険、協会登録費込み)


 講師:2000円(スポーツ保険、協会登録費込み)年会費


 幼児:13000円(スポーツ保険、第2子以降の減額有)


9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等

 生徒人数 305名  

 幼児 49名(女子6名) 

 小学生 174名(女子20名) 

 中学生 82名(女子14名) 


 外国人対応:日本人と同様の対応(英字入会申込書 有、英語対応可能な講師も在籍)

10、コーチ人数、指名、経歴等

 67名

11、モットー・大事にしている事・理念

 「1人のラグビーエリートよりも、100人のラグビー好きを作りたい!!
という思いで、ラグビー普及と育成に努めるとともに、子供たちに家庭、・学校に続く第3の地域コミュニティーを提供します。


<理念>


 ・スポーツを通して、思いやりのある心と、丈夫な身体を作っていく


 ・幼児から大人までが、楽しめるクラブを作っていく
<活動目標>


 ・運動会が楽しみと思えるような子供が増える


 ・運動が苦手な子も運動することを楽しいと思えるようになる


 ・子どもたちがおとなになった時に、「やっていて良かった!」と思えるようになる

12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い

 ・コーチと呼ばず、講師と呼ぶ(教える側も学びながら成長するため)


 ・試合は選手に任せる、試合中の講師の声掛け禁止(ヒーローズカップ参加以前より実施)


 ・交流試合は均等に試合をさせる


 ・勝ちに拘らない(小学生はヒーローズカップのみを唯一勝ちに行く試合と位置付け)

13、歴史・活動実績

 1997年:4/13 小金井総合体育館で小金井ラグビースクール開講式を実施。 生徒数20名程度


 1999年:エンブレム、正式ジャージの作成、スクール校歌の制定


 2001年:創立5周年記念でニュージーランド遠征(生徒18名、講師13名、保護者8名で参加)


 2004年:生徒数50名を突破
2009年:本格的に中学生の活動をスタート


 2009年:ラグビーマガジンカップ初出場、2年連続準優勝


 2010年:地道な勧誘活動で生徒数100名を突破、NHKニュースの女子ラグビーの特集で小金井ラグビースクール出演


 2011年:ジュニア東京都ラグビースクール選抜に3名派遣


 2013年:生徒数150名を突破、ラグビークリニック 夏号で小金井ラグビースクールの特集が掲載


 2014年:HEROES CUPに初参加(7回連続出場)、グループトーナメント2位


 2015年:NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス初出場、準優勝 (6回連続出場)


 2016年:生徒数200名を突破
2018年:神奈川県ファイナルカップにご招待頂き出場、ベスト8(~2020年まで3回出場)


 2020年:スクール出身トップリーガーの誕生 

14、OB・輩出トップリーガー

 東芝ブレイブルーパス 宮上 廉 

15、指導方針・教育方針

<基本方針>


 ・あいさつをする ➔ 積極性、コミュニケーション力を育てる

 
・時間を守る ➔ 責任感、自主性を育てる

 
・ラグビーを楽しむ ➔ 基礎運動能力の向上、集中力を育てる 


<指導方針>


 ・楽しく練習する ➔ 楽しい→主体的→伸びる→楽しい・・・


 ・大きく長所を伸ばす ➔ 長所をほめる、個人差を意識


 ・自分たちで考えさせる ➔ 教えすぎない


 ・競い合う ➔ 子供同士の相互作用を利用


 ・今の子供たちのために ➔ 自分たちがやってきたラグビーを押し付けない

16、合宿・場所・期間・参加年齢等

 合宿場所:菅平、 時期:7月(2泊3日)、参加学年:3年生以上 

17、校歌等

 有

18、ラグビー以外の行事

 お汁粉会、お花見会、クリスマス化、バーべーキュー、OB会

19、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか

 掛け持ち可

20、保護者の活動への参加・サポート

 行事のお手伝いなど、サポート頂いています。

21、どんなスクールを目指すか(将来像)

 小金井ラグビースクールの理念を継続。

 OBが講師として帰ってきて、文化として循環できるクラブ。

 子供から御老人までが楽しめるクラブ

22、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)

 脇山個人的な想い:
ラグビーだけでなく自分のやりたいことを見つけてそこに向かって成長する大人になって欲しい。


 その成長の中でラグビーで培った「品位、情熱、結束、規律、尊重」の考えと実践力(粘り強く行動する力、コミュニケーション力、分析力、創意工夫する力)を役立てて欲しい。

 また、日々のその生活の中にラグビーがあって、関わり続けて欲しい。

23、プレースタイル

 決まったプレースタイルはありません。

 講師はプレイの幅を広げることはやっても、押し付けることなく、生徒のプレーを尊重します。

24、交流する他のラグビースクール

 近隣都県ラグビースクール全て

 (特定のグループを作らず、広く交流することを方針としています。)

25、自由欄(付け加える事があれば)

 卒業生がオフの時に気軽に練習に遊びに来てくれます。成人になった子とは飲み会も。




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