【インタビュー】第14回▼八戸少年ラグビースクール(青森県)

第14回▼元気とか、勇気とか、思いやりとか、絆とか、

大事なことは、ぜんぶ、グラウンドにある。

青森県の八戸少年ラグビースクールは、昭和53年4月に設立されました。八戸市南郷陸上競技場、八戸学院大学人工芝グラウンドなどで練習し、現在の生徒数は74名。ここ3年で人数が約2倍になったそうです。卒業生には柳原瑞樹さん(元サントリーサンゴリアス)、佐々木剛さん(東芝ブレイブルーパス)といったトップリーガーもいます。一方で、ラグビー憲章を大切にし、規律を重んじています。今回は、ご自身もスクールの卒業生で現在、校長を務める木村順也さん(50歳)にお話を伺いました。


基礎的な身体動作から

高度なスキルまで


村上 木村さんとラグビーの出会いから聞かせてください。

木村 まさしくラグビースクールだったんです。私が小学2年生の頃に母親が地元の新聞を見て、「ラグビースクールの生徒を募集しているよ」と教えてくれました。ラグビーのことは何も知らなかったのですが、遊びができるのなら参加したいなと思って行ってみました。私は八戸少年ラグビースクールの一期生になります。そこから現在までずっと関わっているということです。

村上 校長になられたのはいつなのですか。

木村 5年ほど前です。私で三代目になります。初代校長はご健在ですが、二代目の校長先生が亡くなって、周囲から推されました。

村上 校長になる前も指導員などで関わっていたということですね。

木村 そうです。スクール生としてプレーし、卒業して高校(青森県立八戸高校)、大学(山形大学)、クラブチーム(八戸ラガー)でプレーしました。私の息子が小学1年生になったときに八戸少年ラグビースクールに入れて、以来、保護者としてスクールに関わり、指導もしました。現在は小学6年生の双子の娘がいまして、その一人がスクールに所属しています。

村上 木村さんのご職業を聞かせてください。

木村 八戸工業高校で理科の教師をしています。ラグビー部の顧問でもあります。

村上 理科の先生でラグビー部の監督は珍しいですね。

木村 本当は体育の教員になりたかったのですが、泳げないもので(笑)。あきらめて、二番目に好きだった理科で教師を目指しました。専門は物理です。

村上 物理はラグビーに生きますか?

木村 力学的なことはスポーツに関わっていますよね。高校生にアドバイスするとき、「モーメントの計算をしてみたら、こういう動きがいいのではないか」と説明すると、工業高校の生徒なので理解してくれますね。

村上 八戸少年ラグビースクールは毎日曜日の午前中以外に水曜日の夜にも練習がありますね。内容は違うのですか。

木村 以前から平日の夜も活動しようという声はスクールのコーチの中からあがっていまして、私の勤務している八戸工業高校のグラウンドを使わせてもらおうという話になりました。八戸市内で唯一と言っていいと思いますが、この高校のグラウンドには照明があるんです。コロナ禍での活動休止が明けて始めました。対象は、小学4年生以上になります。

村上 生徒数が現在74名で、ここ数年で2倍になったようですね。

木村 ラグビーワールドカップ日本大会の影響です。大会後、見学者が増えました。私も練習会場にいると見学者の応対だけでその日が終わるという感じでした。あの大会でこの地域のラグビーの認知度が高まって、「八戸にもラグビースクールがあるのですね」という声をたくさん聞きました。

村上 指導のときに大切にされていることはありますか。

木村 幼児と小学校の低学年が多いので、ラグビーに限らず、グラウンドで遊ぶ専門のコーチを作って、小さい子たちを飽きさせないようにしています。体の動作を覚えるような体育の授業みたいなことも入れています。これに加えて、小学4年生以上には今年から高度なスキル練習も取り入れています。ほぼ高校生のやるような練習です。若いコーチ陣が多いのですが、彼らが高いレベルを目指したいということで始めました。

村上 指導の中で、ラグビー憲章も大切にされているようですね。

木村 今年度から特に注力しています。ラグビーワールドカップ日本大会のテレビの放送でも映像でラグビー憲章の言葉(品位、情熱、結束、規律、尊重)が出てきていましたよね。これはぜひ子供たちに教えたいと思って、練習前にホワイトボードに書いて読んだりするようになりました。特に「規律」について力を入れています。


人間として成長できる場が

ラグビー場である


村上 小学5、6年生の全国大会であるヒーローズカップは目標にしていますか。

木村 実は、これまではヒーローズカップをメインに考えていませんでした。でも、来年度からはヒーローズカップに本格的に準備して出場しようという話をしています。青森県内でもタグラグビーは行われているのですが、スクールの子供たちも出場しています。しかし、意外に子供たちはコンタクトが大好きなんです。体と体でぶつかり合うことですね。だったら、ラグビーをやろうということで、本格的にヒーローズカップに出ようという話になりました。

村上 生徒みんなが楽しみにしているイベントはありますか。

木村 八戸と言えばスケートが盛んですから、スケート教室がありますね。私が小学生のときを振り返ると、スケート教室とかキャンプに行ったことしか覚えていませんね(笑)。

村上 スケートはみんな上手いのでしょうね。

木村 上手いですよ。なかにはアイスホッケーのチームと並行している子もいて、プロ並みのスケーティングを披露しています(笑)。

村上 すると、ラグビーと競合するスポーツはスケートなんですね。

木村 冬はそうですね。アイスホッケー、スピードスケート、フィギュアスケートがあって、「その練習があるので、きょうは行けません」とラグビーの練習を休む子もいます。夏はサッカーとラグビーを並行してやっている子も多いですよ。

村上 長く子供たちと接してきて、ラグビーは子供たちにどんな影響を与えると感じますか。

木村 組織の中での自分の役割、働きかけの仕方を自ら考えて成長できる競技だと思います。また、体をぶつけ合うスポーツなので、人の痛みを感じることができます。そして、困難があっても乗り越えていくということが、そのまま表れるスポーツですよね。そのあたりは、生徒たちに伝えていきたいです。

村上 Facebookでチームの情報を発信していますが、部員募集の画像に「元気とか、勇気とか、思いやりとか、絆とか、大事なことは、ぜんぶ、グラウンドにある」とあり、とても良い言葉だと感じました。

木村 人間として成長できる場がラグビー場だと思っています。そこに子供たちに気付いてほしいなというのが、ありますね。実は多少支援が必要な子供たちもスクールに在籍しています。そういう子たちを見ていると見違えるような成長を感じます。入ってきたばかりの頃は、感情をどう表現していいか分からずに暴れるようなこともあったのですが、その子たちが今では周囲を気遣い、自分をコントロールできるようになっています。みんなの前でちゃんと話もできるようになりました。それを目の当たりにすると、スクールをやっていて良かったと思うし、感動します。保護者の方からは、「ラグビーをするようになって家でもきちんとするようになりました」と言われます。ラグビーは子供たちに良い影響を与えます。

村上 今後はどんなラグビースクールにしていきたいですか。

木村 スクールの生徒数も増えてきたので、ハード面を整備しなければならないと思っています。せっかくラグビーをやってくれるのであれば上を目指して、トップリーグで活躍するような選手になってほしいです。しかし、けっしてそればかりではなく、ラグビーから離れても人間的に認められるように、人としての根源をラグビーで鍛えてもらって、社会に出て活躍してほしい。そして、親としてスクールに帰ってきてほしいです。



ラグビーキッズ

ラグビースクールネットワークインフォメーション(ラグネット)

アンケート


1、ラグビースクールの名前

 「八戸少年ラグビースクール」

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等


3、代表者

 木村 順也 090-6257-9261 kimura-junya@m03.asn.ed.jp

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先

 入校希望者問い合わせ先

 事務局 風穴 雄亮 080-3336-7954 info@kazaana-juko.co.jp

     伊藤 寿典 090-7331-6026 t.itou@interior-ueno.co.jp

 スクールFacebook   https://www.facebook.com/ragusuku8

               TikTok     https://www.tiktok.com/@ragusuku8?_t=8VEFwI0Phkv&_r=1

5、活動場所・練習場所

 4月~11月  八戸市南郷陸上競技場

          八戸学院大学 人工芝グラウンド

          その他、市内高等学校グラウンド

 12月~3月  東京鉄鋼体育館(低学年)

          八戸学院大学体育館(高学年)

6、練習場所は天然芝、人工芝、土等

 八戸市南郷陸上競技場    ・・・天然芝

 八戸学院大学人工芝グラウンド・・・人工芝

 市内高等学校グラウンド   ・・・土

7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等

 ・活動時間

    毎週日曜日 AM9時    ~ 11時30分(全カテゴリー)
    毎週水曜日 PM6時45分 ~  7時45分(小3年生以上〈4月~11月〉)

 ・主な年間スケジュール(主な行事、参加大会等)

  4月 入校式

  6月 青森県ラグビーカーニバル

  7月 青森県スポーツ少年団 ラグビー大会

          八戸市ラグビーフェスティバル

  9月 十和田市ロータリー杯

    10月 東北交流大会

   11月 ヒーローズカップ

       12月 ボール納め会

  2月 スケート教室

  3月 卒業式

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの

 募集対象

  未就学児から中学生までの男女

 年会費(保険料込み)

  小学生以上 12,000円

  未就学児   6,000円

  既に兄弟姉妹が入校している場合は、2人から5,000円

  その他、遠征等参加の場合に別途ご負担戴く場合が有ります。

 活動に必要な物

  自分の足に合った固定スパイク

  3年生以上は、ヘッドキャップ

  *各種貸し出し、リサイクルも有りますので、気軽にお声がけ下さい。

9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等

 2021年1月末現在 74名(男子58名 女子16名)

  ・未就学児 10名(男子 6名  女子4名)

  ・小学生  55名(男子46名 女子9名)

  ・中学生  9名(男子 6名 女子3名)

  ・外国人の受け入れ可能です。

  ・ここ3年で人数が約2倍となりました。

10、コーチ人数、指名、経歴等

 コーチ合計 22名 プラス八戸学院大学男女ラグビー部員

 ・JRFU公認A級コーチ   1名

 ・JRFU公認B級コーチ   1名

 ・JRFU公認C級コーチ   2名

 ・JRFU公認スタートコーチ  10名

11、モットー・大事にしている事・理念

  ・ラグビー憲章

  ・ルール(規律)を守る。

  ・挨拶をする。「礼に始まり、礼に終わる」

  ・上級生は下級生の面倒をみる。

  ・他人の事は批判しない。

  ・道具を大事にする。

12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い

  ・ゲームを中心とした練習内容でラグビー(スポーツ)を好きになってもらう。

  ・ラグビーだけではなく、基礎体力向上を図るための練習も取り入れています。

  ・試合には、参加者全員出場します。

  ・八戸学院大学男女ラグビー部員の協力を頂き、交流を深める活動をしています。

   (ラグビークリニック・平日の練習サポート等)

13、歴史・活動実績

    昭和53年4月設立

14、OB・輩出トップリーガー

  ・柳原 瑞樹 八戸西高→日体大→サントリーサンゴリアス

  ・佐々木 剛 八戸西高→大東文化大→東芝ブレイブルーパス

15、指導方針・教育方針

  ①個性の育成

  ②集団行動のルール遵守

  ③コミュニケーション能力の向上

  ④カテゴリー別の指導

16、合宿・場所・期間・参加年齢等

  ・岩手県北上市遠征(全カテゴリー日帰り)

  ・秋田県合宿(3年生以上の希望者)

17、校歌等

  無し

18、ラグビー以外の行事

  ・入校式、卒業式

  ・ボール納め会

  ・スケート教室

19、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか

  習い事の掛け持ち可能です。(現在26)

  (サッカー、野球、バスケットボール、水泳 等)

20、保護者の活動への参加・サポート

  未就学児のラグビーボール遊びには、保護者を交え活動しています。

21、クラブハウスあれば

  無し

22、どんなスクールを目指すか(将来像)

  OB・OG、その周りの皆さんが、子どもを入校させたいと思うスクールでありたいと思います。

23、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)

  「One for all, ALL for one」と「ノーサイドの精神」を大事にして成長してもらいたいと思います。

24、プレースタイル

  試合メンバーの固定が無い為、試合毎にスタイルが変化します。

25、交流する他のラグビースクール

     ・十和田RSレッドホース  ・青森RS  ・弘前サクラオーバルズ
     ・盛岡RS  ・北上RS  ・奥州RS  ・宮古RS   ・紫波RS
     ・秋田市エコーラグビークラブ

26、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)

 八戸学院大学男子ラグビー部

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  Twitter https://twitter.com/hachigaku_rugby

 八戸学院大学女子ラグビー部

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 青森県ラグビーフットボール協会

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  Twitter https://twitter.com/rfu_aomori

 青森ラグビーちゃんねる

  https://www.youtube.com/channel/UCnQqOJ52fVlKB4PmLQaSIMw

27、自由欄(付け加える事があれば)

 練習や試合に飢えた生徒が数多くおります。今後は、諸問題(新型コロナ)をクリアした上で更に多くのスクールさんと交流を持ちたいと考えております。



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