【インタビュー】第8回▼山の手ラグビースクール(北海道)

第8回▼「リーチ マイケル選手も応援! 札幌の急成長ラグビースクール


今回ご紹介するのは、札幌山の手高校の人工芝グラウンドで活動する 山の手ラグビースクールです。2011年創部の比較的新しいラグビースクールですが、現在のメンバーは134名。2015年、2019年のラグビーワールドカップで倍、倍と仲間が増えたそうです。札幌山の手高校と言えば全国高校大会の常連であり、日本代表のリーチ マイケル選手の母校ですね。リーチ選手が練習に来てくれたこともあり、サポートしてくれているようです。どんなスクールなのでしょう。札幌山の手高校ラグビー部顧問で、スクールの代表を務める藤井栄人さん(46歳)にお話を伺いました。


北海道のラグビー普及のため

札幌山の手高校グラウンドで発足


村上 藤井さんがこのスクールに関わるようになった経緯を教えてください。

藤井 私は札幌山の手高校の教員で、ラグビー部の佐藤幹夫監督の下でコーチをしていました。10年ほど前、佐藤先生を中心にラグビースクールを立ち上げてラグビーのすそ野を広げようという話が出ました。ゆくゆくはこのスクールで育った子供たちが山の手高校に入ってくれたらいいな、という気持ちもありましたが、一番は北海道でのラグビー普及が目的でした。

村上 藤井さんもラグビーの経験者なのですか。

藤井 札幌開成高校のラグビー部で、北海道教育大学を卒業後、札幌山の手高校に勤務することになりました。担当は理科です。

村上 ラグビー界では少数派の理系ですね(笑)。最初のメンバーはどうやって集めたのですか。

藤井 最初はコーチの子供たちです。当時、私は地元のサッテツクラブというチームでプレーしていましたので、そこのメンバーの子供たちにも入ってもらいました。

村上 指導方針をお聞かせください。

藤井 勝つということよりも、まずはしっかり身体を動かし、基本を教えながら子供たちが「ラグビーって楽しいな」と思えるように心掛けています。

村上 しかし、実力もあって、今年度はヒーローズカップ(小学5、6年生の全国大会)の北海道予選で優勝していますね。 

藤井 今年度の6年生は小学1年生くらいから所属している子供たちが中心で、ラグビー歴が長いのです。ずっと練習を積み重ねてきて、2015年と2019年のラグビーワールドカップの前後で部員が増えたものですから、今の5、6年生の人数が多く、競争もあってレベルが上がりました。それで勝つことができたと思います。

村上 ワールドカップでどれくらい増えましたか。

藤井 2015年の前は30名くらいだったのが、大会後に倍になりました。2019年大会の前までは70名くらいだったのですが、大会後に50人ほど増えました。

村上 札幌でもラグビー熱が高まったということですね。

藤井 学校でも、ラグビーごっこをしている子供が多かったそうです。

村上 日本代表のリーチ マイケル選手が札幌山の手高校出身というのが大きいのですか。

藤井 それはとても大きいと思います。

村上 リーチ選手がコーチに来てくれることもあるのですか。

藤井 2015年のワールドカップ後は来てくれました。2019年大会の前後は忙しくてなかなか来られないのですが気にかけてくれています。普段のコーチは、私を中心にサッテツクラブの皆さんや、保護者の中のラグビー経験者が務めてくださっています。経験者ではなくても興味を持って勉強されてコーチをしてくださる保護者の方もいます。高校のラグビー部員にも高学年の練習相手として手伝ってもらっています。

村上 夏合宿などはあるのでしょうか。

藤井 2019年に初めて夏合宿をしました。山の手高校がいつも夏合宿を行っているニセコの宿舎、グラウンドを使いました。とても良いグラウンドなので、子供たちがすごく楽しそうでしたね。あまりにもテンションが上がりすぎて、夜、なかなか眠らなくて大変でした。今後の反省材料です(笑)。しかし、去年はコロナ禍でできませんでした。

村上 フリーマーケットも開催されているようですね。

藤井 保護者の皆さんの発案です。子供たちが成長して着られなくなったウェアなどを出品して、メンバー内でフリーマーケットを開催するんです。その売り上げを活動費として寄付していただきました。

村上 入会特典を見ると、リーチ マイケル選手のサイン入りジャージがプレゼントされるということですね。

藤井 入会したら、マイケルのサインが印刷されたジャージを一人一枚プレゼントしています。それを北海道のスクール大会では試合用のジャージとして着用していました。

村上 無料プレゼントですか? 入会金は無しなのに?

藤井 そうなんです。マイケルからのプレゼントです。創部当初から、マイケルも「協力します」と言ってくれて、ずっと続けています。


ずっとラグビーを続けたくなる

そんな気持ちにさせることが大切


村上 他のスクールとの交流はありますか。

藤井 頻繁にやっています。札幌に2つ、小樽に1つラグビースクールがありますので、交流試合をしています。お互いのグラウンドにも行くし、北海道バーバリアンズが大きなグラウンドを持っていますので、そこに集まって実施しています。札幌市の隣に江別市があり、そこのラグビー場を借りることもあります。

村上 子供たちはラグビーによって、どのように変わっていきますか。

藤井 顔つきが変わって、逞しくなりますね。最初はボールをキャッチすることもできなかった子が、キャッチできるようになり、タックルもできるようになる。それを見ているだけで感動します。

村上 藤井さんはラグビーの良さはどこだと思いますか。

藤井 心を鍛えるところです。逃げないメンタルが身につきますね。高校生には、きついことから逃げないことを厳しく教えます。走ること、コンタクトは徹底してやります。ただ、小学生にはラグビーのきつい部分は教えないですし、楽しい部分を重視しています。

村上 保護者の皆さんはどういう形でかかわっていらっしゃるのですか。

藤井 事務的なことは私が担当し、保護者の皆さんはコーチとして携わる方が多いですね。いま20名くらいいらっしゃいます。また、選手のお母さんが写真を撮ってホームページに紹介してくれていて、さまざまな形でご協力いただいています。

村上 今後はどんなスクールにしていきたいですか。

藤井 今まで通り、ラグビーを通じてスポーツの楽しさを感じてほしいです。試合は結果として勝てればいいので、勝利にはこだわらずにやっていきたいです。中学を卒業したあと、子供たちが長くラグビーを続けたいと思えるようにしていきたいです。

村上 このスクールを卒業して、札幌山の手高校ラグビー部に入部し、全国高校大会に出場する選手もいるのですか。

藤井 小学校の低学年から始めた子が多いので、今の札幌山の手高校2年生が卒業した一期生です。山の手ラグビースクールの卒業生は、2年生に3名、1年生に2名います。これから増えてくると思います。

村上 部員は随時募集されているのですね。

藤井 札幌山の手高校のグラウンドは人工芝で良くなっていますし、ラグビーを通して逞しく成長することが実感できます。現在はコロナ禍で新規募集を停止していますが、4月からは再開しますので、ぜひお申込みください。。



ラグビーキッズ

ラグビースクールネットワークインフォメーション

アンケート


1、ラグビースクールの名前

 山の手ラグビースクール

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等

3、代表者

 藤井 栄人

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先

 札幌市西区山の手2条8丁目5-12札幌山の手高校内

 ラグビー部顧問 電話011-611-7301

5、活動場所・練習場所

 札幌山の手高校グラウンド

 練習場所は、人工芝

6、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等

 毎週土曜日を基本(日曜日実施の場合もあり)

 幼児・低学年/12時~13時30分

 中学年/12時~14時

 高学年・中学生/13時~15時

 ※中学生は、他のスクールとの合同練習が多く、その場合、時間、練習場所等が変更となります。

 ★札幌市内の他のラグビースクールとの交流試合などを年数回企画

 ★年末年始期間、夏休みのお盆前後の期間は練習休み

 ★全道体育文化協会杯、全道スクール大会、ヒーローズカップ(高学年)への参加

7、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの

 入会金/なし

 年会費/未就学児 5,000円

 小学生  8,000円

 中学生  10,000円

 ※兄弟姉妹で2人目の加入は、上記金額から-2,000円

 用具費用/実費自己負担

 ユニフォーム/年間通じて活動に参加し、各種大会に出場可能な方には、RWC2019日本代表キャプテン・リーチマイケルのサイン入りラグビージャージプレゼント!!(夏季までの入会で入会年のみ1回限定)

8、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等

 2020年11月30日現在134名(内女子選手11名)、外国人のお子さんも大歓迎です。

9、コーチ人数、氏名、経歴等

 2020年度22人 札幌山の手高校ラグビー部コーチ、サッテツクラブ(社会人クラブ)メンバー、保護者など

 ※選手の指導をお手伝いしてくださる方、募集中です。

10、モットー・大事にしている事・理念

 ラグビーを通じて、スポーツの楽しさを感じてほしいと思います。

 いろいろなスポーツを経験しても、最後には「ラグビーが一番!」と言ってもらえるよう、ラグビーの魅力を伝えられる指導を目指します。

 子供たちには、人と人とが協力すること、支えあうこと、勇気をもつこと、優しさを示すことなどラグビーをする中で多くの学びを得てくれると期待しています。 

11、歴史・活動実績

 2011年4月創立

 2020年度、創立10年目で初めての北海道NO.1(高学年)となる    

12、合宿・場所・期間・参加年齢等

 合宿/2019年に高学年を対象にニセコで初めて1泊2日の合宿を実施したが、2020年は実施を断念しました。

13、ラグビー以外の行事

 フリーマーケット/使わなくなったラグビー用品などを持ち寄り、安価な額で販売しスクールの活動費に充てています。

 焼肉納会/選手、保護者と指導者で3月に開催し、スクールを卒業する選手にエールを送ります。

14、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか

 他のスポーツ等の習い事との掛け持ちOK。実際にサッカーやテニス、空手などラグビー以外の活動をしている子供も在籍しています。掛け持ちしている選手の人数は把握していません。

15、保護者の活動への参加・サポート

 練習会場や試合会場まで連れて来ていただけるだけで構いません。体を動かすことが得意な保護者の方には、選手指導の際の補助を期待しています。

16、どんなスクールを目指すか(将来像)

 将来大人になった時に、このラグビースクールで体験したことが良い思い出となって残っているような、そんな存在になれるといいですね。このスクールの卒業生には、ずっとラグビープレーヤーであり、ラグビーの魅力を発信する一人になってほしいです。

17、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)

 ラグビーというスポーツを通じ、努力することの価値を感じ、辛いことから逃げない勇気を育んでほしいです。そして何よりも、他者に優しくできる人になってくれることを期待しています。

18、プレースタイル

 創立からまだ10年目、ランもパスもタックルもブレイクダウンもと、いろいろと教えなければと欲張り、まだこれといったプレースタイルを築くまでには至っていません。言い方によっては、伸びしろが十分あるチームと言えますね(汗)。

19、交流する他のラグビースクール

 札幌少年ラグビースクール、北海道バーバリアンズジュニア、小樽ラグビースクールなど



保護者へのアンケート

1、このスクールを選んだ理由

 札幌では山の手高校がラグビーの強豪校として有名で、そこを拠点にやっているスクールということで興味を持ちました。

2、このスクールの良い点

 コーチ陣にラクビー経験豊富な方が多く、選手のレベルに合わせて的確な指導をしてもらえます。勝つこと以上に子どもたちがラグビーを楽しめることを第一に考えてくれます。

3、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか

 これまで個人競技のスポーツをしていましたが、ラグビーを始めて、仲間と一緒に喜んだり悔しんだりすることを経験し、自分のプレーの良し悪しよりも、チームとしての良いプレーに喜びを感じるようになりました。

4、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか

 子ども自身が自分の身体を強くすることに関心を持つようになりました。

5、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか

 ラグビーを続けることを前提に中学校の進学を考えているようです。親としてもこの先ラグビーを続けてもらいたいと思っています

6、ご自身もラグビーをしていましたか

していません。

7、ご自身もラグビーが好きになりましたか

 もともとラグビーが好きで子どもが小3のときに入会を勧めました。

実際に親としてラグビーに関わってみて、ラグビーというスポーツの素晴らしさや奥深さをさらに強く感じることができました。

8、どんな大人になって欲しいですか

 あらゆる場面において自分の頭で考え判断し、チャレンジできる人間になってもらいたいです。

9、スクールに入れてよかったですか

ラグビーを通じてとても素晴らしい仲間たちと出会えました。とても感謝しています。



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