新連載 「Half Time」あの頃の君へ
もしタイムマシンがあったなら。そんなことを何度考えたことがあるだろう。当然、身体は過去には戻れない。だけど心はどうだろう。昔の写真を見返すことで、当時の思い出や記憶はよみがえる。かつての自分に今、なんて声をかけるだろう。
世界の舞台でプレーするトップアスリートもかつては子どもだった。お菓子を食べ、おもちゃをねだり、勝って笑い、負けて泣く。みんな無邪気な子どもだった。ひょんなことからラグビーと出会い、さまざまな経験を積み重ねて大きくなった。
「Half Time」
ハーフタイム、それは過去と未来が交わる時間。いくつもの喜びや悔しさを味わった今だから伝えられる言葉がある。写真の中の幼い頃の自分へ声をかけるなら──。楕円球を追いかけるトップアスリートからのメッセージを通して、子どもたちに成長へのヒントを届けたい。
子どもの頃の写真とともに思い出を語ってくれた山田章仁選手
新たな連載企画「Half Time」 あの頃の君へ が始まります。
第1回は元ラグビー日本代表、九州電力キューデンヴォルテクス所属の山田章仁選手。
山田選手を取材し、子どもの頃の写真をお借りした。幼い頃の写真を見て「これはすごい宝物だ」と感じた。正直、ピントも露出もあってない。構図だってとれてない。それでもものすごく価値がある。なぜならこの写真は2度と撮れないものだから。
タイムマシンは存在しない。過去には戻れない。
初めてラグビーボールにふれた瞬間の表情、トライを決めた時の笑顔、ライバルに負けた時の泣き顔。その時にカメラのシャッターを誰かが切らなければ写真は残らない。
その1枚は昨日の写真から1週間前の写真へ、そして1年、10年と時を刻む。2度と戻れない“ その瞬間 ”をぎゅっと閉じ込めたタイムカプセルのように。
2023年ラグビーW杯フランス大会、トゥールーズにて。開幕戦から決勝戦まで23試合を撮影した
思い返せば、自分がラグビーをプレーしている写真は1枚もない。高校で初めて楕円球にふれて早20年以上が過ぎた。プレーこそしてはいないが、今もラグビーを追いかけて世界中を飛び回っている。今もラグビーが好きだ。でもラグビーをプレーしていた証を私は持っていない。
高校生や大学生の頃はそのことに特に何も感じなかった。ただ大人になり、家族を持ち、子どもを授かった時に「お父さんもラグビーをしていたんだよ」と言える証が何もないことに気づいた。
幾度となく過去に戻ることができるなら高校3年生のあの日に戻りたいと思った。花園予選、春日丘高校のグラウンドで愛知高校と戦ったあの冷たい雨の日、泥だらけになってタックルする自分を写真におさめることができたなら…
過去には戻れない。でもその1枚があれば、心はその瞬間に戻ることができる。
写真を通して幼い頃の自分に語りかけてほしい。トップアスリートたちのその言葉は今を生きる子どもたちにとって大切なメッセージになるはずだ。
第1回目、山田章仁選手の記事は年明けに掲載予定。
写真は幼い頃のイワモトアキトです。
もしタイムマシンがあったなら。そんなことを何度考えたことがあるだろう。当然、身体は過去には戻れない。だけど心はどうだろう。昔の写真を見返すことで、当時の思い出や記憶はよみがえる。かつての自分に今、なんて声をかけるだろう。
世界の舞台でプレーするトップアスリートもかつては子どもだった。お菓子を食べ、おもちゃをねだり、勝って笑い、負けて泣く。みんな無邪気な子どもだった。ひょんなことからラグビーと出会い、さまざまな経験を積み重ねて大きくなった。
「Half Time」
ハーフタイム、それは過去と未来が交わる時間。いくつもの喜びや悔しさを味わった今だから伝えられる言葉がある。写真の中の幼い頃の自分へ声をかけるなら──。楕円球を追いかけるトップアスリートからのメッセージを通して、子どもたちに成長へのヒントを届けたい。
子どもの頃の写真とともに思い出を語ってくれた山田章仁選手
新たな連載企画「Half Time」 あの頃の君へ が始まります。
第1回は元ラグビー日本代表、九州電力キューデンヴォルテクス所属の山田章仁選手。
山田選手を取材し、子どもの頃の写真をお借りした。幼い頃の写真を見て「これはすごい宝物だ」と感じた。正直、ピントも露出もあってない。構図だってとれてない。それでもものすごく価値がある。なぜならこの写真は2度と撮れないものだから。
タイムマシンは存在しない。過去には戻れない。
初めてラグビーボールにふれた瞬間の表情、トライを決めた時の笑顔、ライバルに負けた時の泣き顔。その時にカメラのシャッターを誰かが切らなければ写真は残らない。
その1枚は昨日の写真から1週間前の写真へ、そして1年、10年と時を刻む。2度と戻れない“ その瞬間 ”をぎゅっと閉じ込めたタイムカプセルのように。
2023年ラグビーW杯フランス大会、トゥールーズにて。開幕戦から決勝戦まで23試合を撮影した
思い返せば、自分がラグビーをプレーしている写真は1枚もない。高校で初めて楕円球にふれて早20年以上が過ぎた。プレーこそしてはいないが、今もラグビーを追いかけて世界中を飛び回っている。今もラグビーが好きだ。でもラグビーをプレーしていた証を私は持っていない。
高校生や大学生の頃はそのことに特に何も感じなかった。ただ大人になり、家族を持ち、子どもを授かった時に「お父さんもラグビーをしていたんだよ」と言える証が何もないことに気づいた。
幾度となく過去に戻ることができるなら高校3年生のあの日に戻りたいと思った。花園予選、春日丘高校のグラウンドで愛知高校と戦ったあの冷たい雨の日、泥だらけになってタックルする自分を写真におさめることができたなら…
過去には戻れない。でもその1枚があれば、心はその瞬間に戻ることができる。
写真を通して幼い頃の自分に語りかけてほしい。トップアスリートたちのその言葉は今を生きる子どもたちにとって大切なメッセージになるはずだ。
第1回目、山田章仁選手の記事は年明けに掲載予定。
写真は幼い頃のイワモトアキトです。