「俺たちナンバー1だ!」
第17回大樹生命ヒーローズカップ中国地区大会、閉会式後のピッチに一際元気な声が響いた。母親たちが構えるカメラに向かって最高の笑顔を見せる子どもたち、それはチーム山口合同だった。試合結果は2戦2敗。それでも彼らのいう通り、私も山口合同は今大会ナンバー1のチームだと思った。
尾道のこざかなくんスポーツパークびんごで行われた中国地区大会には広島、岡山、島根、山口の16チームが参加した。今大会、目立ったのは合同チームの存在。16チーム中3チームが合同チームとして大会にエントリー。その中でも山口合同は4チーム(岩国RS・大島少年RS・長門RS・防府RS)が一つとなって試合に臨んだ。
初戦の相手は同じエリアの山口RS、山口合同は試合の立ち上がりこそ勢いのあるアタックでゴール前に迫るシーンもあった。ただ、後一歩のところでトライを阻まれ次第に山口RSへと試合の流れは移り、気づけば大差が開いていた。
時間とともに点差が広がり、誰の目から見ても勝敗は明白だった。ただ、見るものの目を離さない何かが山口合同の姿にはあった。幾度となくタックルに入り、ゴールを目指す選手たちがいた。
「あきらめるな。前をむこうぜ」
「最後まで戦おう。やってきたこと出し切ろう」
「ラグビーをもっともっと楽しもう」
目と目を合わせ、全員で何度も何度も声をかけ合うその姿に胸が熱くなった。選手たちの一挙手一投足に「そうだ! いいぞ! 」と応援スタンドから母親たちの声が響いた。
どのチームの選手も保護者も闘志を燃やして戦っている。その熱量は等しいと思う。ただ、山口合同には特別な何かがある。そんな気がした。
「一つになろう。ずっとそう彼らには伝えています」。チームを指揮する野中康弘コーチはそのわけを教えてくれた。
同じ県内4チームと言えども遠く離れた各スクール。移動時間や距離の制約は大きい。限られた練習の中でどれだけプレーの質を高めることができるのか。その鍵はコミュニケーションだと野中コーチは語った。遊びや食事などグラウンド外でもお互いのコミュニケーションを深めるため、トレーニングが終わった後も可能な限り子どもたちは一緒の時間を過ごしたという。
その言葉に「俺たちも頑張ったよな。ほんと、よくやったよ」とコーチや保護者も目に涙を浮かべて肩を組む。長門から岩国まで車で約150キロ、往復300キロの道のりを何度も通った。それぞれの選手や保護者がそれぞれの思いを持ってONE TEAMを目指した。
「仲間を大切に、仲間を信じて戦えた。このチームでラグビーができて良かった。試合には勝てなかったけど、仲間を思う気持ちは負けてない。一番だったと思う」。合同チームのキャプテンを務めた石丸龍之介くんは嬉しそうにそう語った。
夕暮れの尾道の空の下、笑顔で肩を組む子どもたちの姿に「最高のチームですよ」と野中コーチが声を詰まらせた。選手もコーチも保護者も、最後はみんなで泣いて笑った。
それぞれのチームにそれぞれのナンバー1がきっとある。そのナンバー1を見つけることがこの大会のひとつの意味である。そんな気がした。
第17回大樹生命ヒーローズカップ中国地区大会、閉会式後のピッチに一際元気な声が響いた。母親たちが構えるカメラに向かって最高の笑顔を見せる子どもたち、それはチーム山口合同だった。試合結果は2戦2敗。それでも彼らのいう通り、私も山口合同は今大会ナンバー1のチームだと思った。
尾道のこざかなくんスポーツパークびんごで行われた中国地区大会には広島、岡山、島根、山口の16チームが参加した。今大会、目立ったのは合同チームの存在。16チーム中3チームが合同チームとして大会にエントリー。その中でも山口合同は4チーム(岩国RS・大島少年RS・長門RS・防府RS)が一つとなって試合に臨んだ。
初戦の相手は同じエリアの山口RS、山口合同は試合の立ち上がりこそ勢いのあるアタックでゴール前に迫るシーンもあった。ただ、後一歩のところでトライを阻まれ次第に山口RSへと試合の流れは移り、気づけば大差が開いていた。
時間とともに点差が広がり、誰の目から見ても勝敗は明白だった。ただ、見るものの目を離さない何かが山口合同の姿にはあった。幾度となくタックルに入り、ゴールを目指す選手たちがいた。
「あきらめるな。前をむこうぜ」
「最後まで戦おう。やってきたこと出し切ろう」
「ラグビーをもっともっと楽しもう」
目と目を合わせ、全員で何度も何度も声をかけ合うその姿に胸が熱くなった。選手たちの一挙手一投足に「そうだ! いいぞ! 」と応援スタンドから母親たちの声が響いた。
どのチームの選手も保護者も闘志を燃やして戦っている。その熱量は等しいと思う。ただ、山口合同には特別な何かがある。そんな気がした。
「一つになろう。ずっとそう彼らには伝えています」。チームを指揮する野中康弘コーチはそのわけを教えてくれた。
同じ県内4チームと言えども遠く離れた各スクール。移動時間や距離の制約は大きい。限られた練習の中でどれだけプレーの質を高めることができるのか。その鍵はコミュニケーションだと野中コーチは語った。遊びや食事などグラウンド外でもお互いのコミュニケーションを深めるため、トレーニングが終わった後も可能な限り子どもたちは一緒の時間を過ごしたという。
その言葉に「俺たちも頑張ったよな。ほんと、よくやったよ」とコーチや保護者も目に涙を浮かべて肩を組む。長門から岩国まで車で約150キロ、往復300キロの道のりを何度も通った。それぞれの選手や保護者がそれぞれの思いを持ってONE TEAMを目指した。
「仲間を大切に、仲間を信じて戦えた。このチームでラグビーができて良かった。試合には勝てなかったけど、仲間を思う気持ちは負けてない。一番だったと思う」。合同チームのキャプテンを務めた石丸龍之介くんは嬉しそうにそう語った。
夕暮れの尾道の空の下、笑顔で肩を組む子どもたちの姿に「最高のチームですよ」と野中コーチが声を詰まらせた。選手もコーチも保護者も、最後はみんなで泣いて笑った。
それぞれのチームにそれぞれのナンバー1がきっとある。そのナンバー1を見つけることがこの大会のひとつの意味である。そんな気がした。
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