ぶつかれば、わかる

ノーサイドの笛が鳴る。汗の滴るヘッドキャップを外すと彼らは自然と互いの健闘を称え合った。握手を交わし、高鳴る胸を合わせて一言二言。笑って、泣いて、悔しがって。本気でぶつかりあった彼らだからこそ通じ合うものがきっとある。

9月21日~23日、長野県菅平のアンダーアーマー菅平サニアパークで開催された「SMBCヒーローズフレンドシップラグビーフェスティバルin菅平」にてカメラを構えた。

大学4年の夏合宿以来、17年ぶりに菅平。きれいに整えられたサニアパークの姿に驚くも、懐かしい土産屋、レタス畑、そして楕円球を追いかける選手たちの姿は今も昔も変わらない。記憶の中の菅平だった。

ラグビーフェスティバルには関西、東海、関東を中心に30チーム以上1,200人のラグビーキッズたちが集まった。その中にはオーストラリアから参加したチームもあった。

青々とした芝の上で駆ける子どもたち。それぞれのチームがそれぞれの戦い方で相手へとぶつかっていく。今できることを、できる限り。一人ひとりの直向きなプレーがチームをさらにひとつにする。ファインダー越しにも子どもたちが試合ごとに成長するのを感じた。

その喜びは国も言葉も、宗教も文化も飛び越える。試合後に記念撮影に収まる子どもたちは正真正銘、友達の顔だった。

16面あるコートで同時に行われる各試合、そのすべてを写真に収めることはできない。それでもできる限り取りたいとカメラを構え続け、3日間で35,000枚以上の写真を撮った。

その数が多いのか、少ないのかは人それぞれ。本気でぶつかり合う選手たちを前に手は抜けない。後悔のないようシャッターを切った。すべての子どもたちを撮ることはできなかった。この続きは10月から始まるヒーローズカップ、各地の予選会で。

夏が過ぎ、ラグビーの香りが濃くなってきた。まもなく新たなシーズンが始が始まる。









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