
赤から緑へ、緑から白へ…。色とりどりのラグビーキッズたちがひとつのボールをつないでいく。ピッチの外から響く歓声を背に彼らは何度もゴールへと駆けた。執念のトライ! 笛の音とともに喜びを爆発させる子どもたち。彼らの表情はまさにラグビーの楽しさを体現するものだった。
5月18日、滋賀県野洲市の県立希望が丘文化公園でDAIFUKUヒーローズフレンドシップラグビーフェスティバルin滋賀が開かれた。イベントの最後に行われたスペシャルマッチのタッチフットゲームには、この日のラグフェスに参加した約20チームのキャプテンからなるスペシャルチームが挑むこととなった。

大阪、京都、愛知、三重、長野、奈良、そして滋賀。試合前、各チームのキャプテンが不安気な顔で集まった。練習なしの一発本番、そんな急造チームが挑む相手は今年度、滋賀県で開催される「わたSHIGA輝く国スポ」のラグビーセブンス代表チームだ。
試合は…、成年男子チームが圧倒的な力の差を見せける結果となった。ただ、キャプテンたちによるスペシャルチームも幾度となく見せ場を作った。大きな相手を巧みなフェイントで交わし、スペースを見つけてはキックを使ってチャンスを作った。
試行錯誤の中で少しずつ子どもたちの表情が変わっていく。序盤は噛み合わなかったパスやキック、ディフェンスがつながっていく。まるで一つ一つのプレーを通して会話しているかのようだった。いつしか不安気な顔は消えていた。皆がラグビーを心から楽しんでいた。

スペシャルマッチ終了後、今年1月のヒーローズカップで優勝した大阪・八尾ラグビースクール主任の西大輔さんに声をかけた。ラグフェスとはラグビースクールにとってどのような存在なのかを聞きたかった。
「ラグビー仲間の存在を確かめるような場所ですね。大阪や愛知、滋賀などたくさんの地域からいろんなチームが参加することで、子どもたちも私たち大人もたくさんの学びや気づきを得られます。どんな練習をしているのか、どうやってチームビルディングしているのか。刺激になります。
各チーム、新メンバーが歩み出したばかりのこの時期、できる、できないとか勝ち負けを考えず今はラグビーを存分に楽しむことが大切。今日はすべての選手を試合に出しました。初めての試合って子もいたかな。彼らが『ラグビーって楽しい』と思ってもらえる機会をラグフェスは与えてくれる」
西さんは満面の笑みでそう語ってくれた。

この日撮影した写真は約20,000枚、その写真たちを見返すといろんな表情を見つけることができた。新キャプテンとして緊張する顔、タックルにおびえる顔、交わされて悔しがる顔…。その顔が試合を経ていくごとに変わっていく。一歩一歩、前へと進む勇気が子どもたちを変えていく。
ラグフェスin滋賀には24スクールから48チームが参加し、6面のピッチで96試合が行われた。そんな濃厚で濃密な一日を味わえるのがラグフェスの醍醐味だ。子どもたちにとってこの味が『美味しい』ものとして心に残ってくれたらうれしい。
7月には倉敷と東北、9月には菅平でラグフェスが開催される。子どもたちの写真を撮るのが今から待ち遠しい。わたしの写真が『美味しい』ラグフェスのスパイスのひとつになれたら喜びもひとしおだ。










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