何ものにも恐れずぶつかっていく勇気ある子どもを育てる
福岡市東区を拠点に活動する「かしいヤングラガーズ(YR)」は1985年に創部され、来年40周年を迎える歴史あるラグビースクールです。現在の生徒数は240名ほどで、ラグビーが盛んな福岡県の中でも屈指の大所帯。布巻峻介選手、福井翔大選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、古田真菜選手、野田夢乃選手(東京山九フェニックス)など日本代表クラスも含めて数々の名選手を輩出しています。練習場も九州電力香椎競技場、JAPAN BASEなどを使用して、環境も抜群です。どんなスクールなのか、小学6年生のチーフコーチである林恵造さん(45歳)にお話を伺いました。(2024年2月取材)
勝ちにこだわりすぎない、
大人の知恵を入れないのが原則
村上 林さんのラグビーとの出会いから聞かせていただけますか。
林 小学1年生から、かしいYRでラグビーを始めました。3人兄弟なのですが、上の2人は学校のミニバスケットボールをしていました。ところが私が小学校に入学する段階で学区の変更があって、ミニバスケットのない小学校に行くことになり、何かスポーツをさせたいと思った親が東区にあった「かしいYR」を見つけてきました。その後も東福岡高校、龍谷大学に進学してラグビーを続けました。卒業後は地元の企業に就職し、ラグビーは地元のどんたくクラブで続けました。
村上 かしいYRに関わるようになったのはなぜですか。
林 かしいYRの同級生のお父さんがチームコーチをしていて、福岡にいるのであれば、コーチとして戻ってきてくれないかと誘われました。27歳の頃です。
村上 林さんが小学生のころとチームの雰囲気に変化はありましたか。
林 指導方針はまったく変わっていませんでした。練習グラウンドは、僕らのころよりも広くなり、環境はよくなっていました。
村上 アンケートに「何ものにも恐れずにぶつかっていく勇気ある子どもに育てる」など、基本理念を書いていただきました。具体的にはどんな指導をしていますか。
林 年に一度、コーチのミーティングで方針を確認しています。毎年言われているのは、勝利至上主義に行き過ぎるな、ということです。簡単に言えば、大人の知恵を入れすぎないことです。また、熱意は大切ですが、ヒステリックに怒るなど感情的にならないことも徹底しています。コーチは原則として全員スタートコーチの資格を取得しています。
村上 挨拶についても、しっかりできるように指導されているようですね。
林 練習の初めに全学年で集まって、挨拶の練習をして、各学年に分かれても一礼をしてからグラウンドに入ることは徹底しています。試合が終わったら対戦相手と握手をしに行こうと、ノーサイド精神も実体験として理解させていくということですね。
初めてのヒーローズカップ
負けたことで意欲的になった
村上 勝利至上主義に行き過ぎないようにしているとはいえ、ヒーローズカップ決勝大会に進出するなど実力もありますね。
林 私が教えている6年生が、かしいYRとして初めてヒーローズカップに出場しました。福岡県大会、九州大会(トライドリームカップ)という予選に参加したのも初めてでした。
村上 参加しないという方針があったのですか。
林 人数が多かったことと、ヒーローズカップをゴールにしてしまうと、日ごろの練習が勝ちにこだわりすぎてしまうという懸念がありました。私の学年に関しては、小学3年生のころに、子どもたちのほうからヒーローズカップの話が出てきました。参加したいの?と聞いたら、「参加したい」という答えでした。それでも、サインプレーを教えるのではなく、基本プレーを徹底しました。攻撃の工夫は子どもたちの楽しみですから、大人が奪わないようにしたのです。この考えはどの学年も同じです。チーム力強化については、たくさんの対外試合をして実戦で強くなっていきました。
村上 ヒーローズカップに出たことで子どもたちに変化はありましたか。
林 ラグビーに対する意欲が出てきました。大会前と大会後ではものすごく差があります。中学部に上がるところで、辞める子も多いのですが、今年の6年生はヒーローズカップに出たことによってほとんどの子(34人中31人)が中学部に上がります。
村上 負けて終わっても意欲が出たのですね。
林 この学年は小学1年生のころから負けたことがありませんでした。指導者としては、負ける経験もさせたくなったほどです。しかし、子どもたちは手を抜きません。九州では負けを知らないまま勝ち続けました。それが全国大会で負けたことで、自分たちの立ち位置を知ったのです。まだまだ上がいることが分かったのです。もっとご飯を食べて体を大きくしようとか、負けたことで意欲が出ましたね。
ラグビーをすることで
養われる思いやりの心
村上 1985年創部とのことですが、当時のことはご存じですか。
林 コカ・コーラのラグビー部、九州電力ラグビー部OBの有志が集まって作られたと聞いています。福岡市の中央部には草ヶ江ヤングラガーズなどチームがあったのですが、東部にはなかったのです。最初は一学年10名もいなかったと思います。九州電力の香椎グラウンドで練習するようになったのもOBの方がいたからですね。
村上 今も使っているのですよね。
林 定期的に使わせていただいていますが、九州電力キューデンヴォルテクスがリーグワンに入るときに、下部組織を持つ必要があり、一つのチームだけではなく、福岡レディース、福岡ユースとも提携したので、複数のチームが使用するようになりました。
村上 JAPANBASEも使うのですね。
林 以前はコカ・コーラのグラウンドだったので、無料で使わせていただいていましたが、現在は日本ラグビー協会の管理になったので、有料でお借りしています。
村上 昨年、NPO法人にされたようですね。
林 生徒数が増えてきましたので、個人でお金など管理するのではなく、誰がやっても続けられるように法人化することにしました。
村上 長く教えられていて、印象的な生徒はいましたか。
林 私がよく覚えているのは、布巻峻介君(埼玉パナソニックワイルドナイツ)ですね。彼はお兄さんがいて、小学1年生からかしいYRに入っていました。私が出会ったのは小学4年生くらいでしたが、そのころはやんちゃでした。でも、人としてどんどん良くなりましたね。他の子も同じですが、ラグビーをすることで、自然と思いやりが養われていくようです。峻介は、ラグビーは群を抜いてうまかったです。小学生のころからスーパーラグビーをよく見ていて、その話ばかりしていました。
村上 ラグビー以外で子どもたちが楽しみにしているイベントはありますか。
林 登山や駅伝ですね。登山は4月に入ってくる子と仲良くなるためにも春にやります。駅伝は2月に開催しますが、日ごろの練習の成果を体力的に発揮するイベントです。1年生から5年生のブロックと、6年生と中学生のブロックを作って、タイムを計りながら競争します。
村上 現在、生徒数が約240名。かしいYRに人が集まるのはなぜですか。
林 九州電力のグラウンドや、JAPAN BASEを使用できるという練習環境の良さは要因の一つだと思います。
村上 保護者の方の役割はありますか。
林 保護者の方をまとめていただく役員を各学年3名から4名ほど選出しています。かしいYRのイベントを取り仕切り、各学年が独自で行うイベントをとりまとめていただいています。原則はコーチが主導であるというのがチームの方針で、保護者の皆さんはサポートに回っていただいています。
村上 ラグビーというスポーツが子どもたちに与える影響については、どう感じられていますか。
林 これだけ大人数でやるスポーツはあまりないですよね。思いやりを持つようになるし、団体行動の中での自分の立ち位置、リーダーシップが育ちます。かならずしも先頭に立つということではなく、リーダーシップはおのずと身につくと思います。
村上 今後のスクールの目標はありますか。
林 来年40周年なので、50周年に向けてクラブ存続のために子どもたちの確保、指導者のレベルアップですね。私のようにチームのOBが自分の子どもをかしいYRに入れて、指導者としても携わっていくという流れを作っていきたいです。今の6年生のことで言えば、3年後、彼らが中学3年生の時に、水戸で行われている全国大会で一番高いところを取ることが子どもたちの目標です。ヒーローズカップで負けたのがそうとう悔しかったようですね。
村上 部員は随時募集中ですか。
林 はい。あまり増えすぎると練習場所が手狭になり、子どもたちも危険なので、各学年40名でいったん打ち切ろうと思っています。それまでは随時受け付けていますし、ホームページに入部のお問い合わせのフォームがありますので、ぜひご検討ください。
ラグビースクールインタビューアンケート
1、ラグビースクールの名前
N P O法人 かしいヤングラガーズ
2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等
3、代表者名
内田 義博(理事長)
4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
かしいヤングラガーズホームページよりhttps://www.kashii-youngruggers.com/
5、活動場所・練習場所
活動場所:主に福岡県福岡市東区
練習場所:九州電力香椎競技場,JPAN BASE、他近隣の運動公園等
6、練習場所は天然芝、人工芝、土等
天然芝、人工芝、土(練習会場により)
7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
活動時間
小学部:日曜日 AM9:30~PM1:00
例外;協会主催の大会1ヶ月前より土曜日練習あり
中学部:土曜日、日曜日 AMorPM
8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
入会金:1,000円(初年度のみ)
基本会費:12,000円(年会費、全学年共通)
グランド加算金:6,000円(小3~小6)、8,000円(中学部)
9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
生徒数:約240名
女子選手:15名前後
外国人:4.5名
10、コーチ人数、指名、経歴等
コーチ人数:約100名(保護者コーチ含)
11、モットー・大事にしている事・理念
・基本理念
何ものにも恐れずぶつかっていく勇気ある子供に育てる。
ルールを守り、協調性、人間としての優しさを育てる。
最大限のチャレンジを試み、喜び・価値を全身で感じとる。
ラグビーの正しい基本とフェアプレイ・ノーサイド精神を習得する。
12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
基本的に全員試合に出場させる
13、歴史・活動実績
1985年(昭和60年)に福岡市東区にて発足
14、OB・輩出トップリーガー
OB:豊田 将万、布巻 峻介(パナソニック)、福井 翔大(パナソニック)など
OG:古田 真菜、野田 夢乃、吉野 舞祐など
15、指導方針・教育方針
指導の基本原則
楽しくなくてはいけない。
安全でなくてはいけない。
すべてのプレーヤーに全てのスキルを。
子供には子供にあった感動を
勝利至上主義に陥らない。
16、合宿・場所・期間・参加年齢等
国立 阿蘇青少年交流の家
毎年7月の4週目の金、土、日(2泊3日)
小学4年~中学2年まで
17、校歌等
有(かしいヤングラガーズのうた:スクラムくんで)
18、ラグビー以外の行事
駅伝大会(2月)登山(4月)、餅つき(12月)
19、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
可能です。ほとんどの子供が何かしらの習い事との掛け持ちをしております。
20、保護者の活動への参加・サポート
あります。
21、クラブハウスあれば
無し
22、交流する他のラグビースクール
福岡県内のラグビースクールとの定期交歓会
23、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)
九州電力ヴォルテックス
保護者へのアンケート(男子の保護者、女子の保護者)
1、このスクールを選んだ理由
父と兄が昔、かしいヤングラガーズの指導者、卒業生で、推奨されました。
地元の同級生が先に入部していたのと、小学部のうちは日曜日しか練習がない為、共働き世帯には送迎がしやすい点
2、このスクールの良い点
我が子のように接してくださり、ラグビーを愛し、温かいご指導をしてくださります。何よりたくさん褒めて伸ばしてくれる指導者が多いです。
近隣にグラウンドが多く天然芝や人工芝と練習環境が良いのと部員数が多いので選手層が厚い点です。
3、スクールに改善して欲しい所
中学1年生の試合数増加、女子選手の育成強化、中学部でも男子と女子を積極的に交流をさせて頂きたい。
指導方針の見直しと共有(楽しい、平等だけではチームは強くならないと思います。
4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
向上心が強くなりました。経験した事に対して改善点を見つける力、又は見つけようと考える力が養えた。
ラグビーを通じて仲間思いの優しい子になってると思います。
5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
運動量が増えた。食事量が増えた。パス練習等、子供と関わる時間も増えました。
日曜だけでなく、平日もラグビー中心の生活になりました。
6、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
継続させたいと思っておりますし、本人も継続を希望しております。
はい、続けて欲しいです。
7、ご自身もラグビーをしていましたか
いいえ。
いいえ。
8、ご自身もラグビーが好きになりましたか
はい。スクール内の様々なイベントへの参加やコーチ陣によるラグビーの講習会等を受け、知識が増えるたびに、楽しさも増していき、愛すべきスポーツとなっています。
はい、どっぷりはまりました。
9、どんな大人になって欲しいですか
心身共に強く、他者にも自分にも優しさの溢れる大人になって欲しいです。
仲間思いの人から慕われる選手、大人になって欲しいです。
10、スクールに入れてよかったですか
はい。スキルはもちろんですが、沢山の方との出会いやチームの経験を積み重ね、親子で成長させて頂いている事に感謝しております。
はい、大変良かったです。
福岡市東区を拠点に活動する「かしいヤングラガーズ(YR)」は1985年に創部され、来年40周年を迎える歴史あるラグビースクールです。現在の生徒数は240名ほどで、ラグビーが盛んな福岡県の中でも屈指の大所帯。布巻峻介選手、福井翔大選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、古田真菜選手、野田夢乃選手(東京山九フェニックス)など日本代表クラスも含めて数々の名選手を輩出しています。練習場も九州電力香椎競技場、JAPAN BASEなどを使用して、環境も抜群です。どんなスクールなのか、小学6年生のチーフコーチである林恵造さん(45歳)にお話を伺いました。(2024年2月取材)
勝ちにこだわりすぎない、
大人の知恵を入れないのが原則
村上 林さんのラグビーとの出会いから聞かせていただけますか。
林 小学1年生から、かしいYRでラグビーを始めました。3人兄弟なのですが、上の2人は学校のミニバスケットボールをしていました。ところが私が小学校に入学する段階で学区の変更があって、ミニバスケットのない小学校に行くことになり、何かスポーツをさせたいと思った親が東区にあった「かしいYR」を見つけてきました。その後も東福岡高校、龍谷大学に進学してラグビーを続けました。卒業後は地元の企業に就職し、ラグビーは地元のどんたくクラブで続けました。
村上 かしいYRに関わるようになったのはなぜですか。
林 かしいYRの同級生のお父さんがチームコーチをしていて、福岡にいるのであれば、コーチとして戻ってきてくれないかと誘われました。27歳の頃です。
村上 林さんが小学生のころとチームの雰囲気に変化はありましたか。
林 指導方針はまったく変わっていませんでした。練習グラウンドは、僕らのころよりも広くなり、環境はよくなっていました。
村上 アンケートに「何ものにも恐れずにぶつかっていく勇気ある子どもに育てる」など、基本理念を書いていただきました。具体的にはどんな指導をしていますか。
林 年に一度、コーチのミーティングで方針を確認しています。毎年言われているのは、勝利至上主義に行き過ぎるな、ということです。簡単に言えば、大人の知恵を入れすぎないことです。また、熱意は大切ですが、ヒステリックに怒るなど感情的にならないことも徹底しています。コーチは原則として全員スタートコーチの資格を取得しています。
村上 挨拶についても、しっかりできるように指導されているようですね。
林 練習の初めに全学年で集まって、挨拶の練習をして、各学年に分かれても一礼をしてからグラウンドに入ることは徹底しています。試合が終わったら対戦相手と握手をしに行こうと、ノーサイド精神も実体験として理解させていくということですね。
初めてのヒーローズカップ
負けたことで意欲的になった
村上 勝利至上主義に行き過ぎないようにしているとはいえ、ヒーローズカップ決勝大会に進出するなど実力もありますね。
林 私が教えている6年生が、かしいYRとして初めてヒーローズカップに出場しました。福岡県大会、九州大会(トライドリームカップ)という予選に参加したのも初めてでした。
村上 参加しないという方針があったのですか。
林 人数が多かったことと、ヒーローズカップをゴールにしてしまうと、日ごろの練習が勝ちにこだわりすぎてしまうという懸念がありました。私の学年に関しては、小学3年生のころに、子どもたちのほうからヒーローズカップの話が出てきました。参加したいの?と聞いたら、「参加したい」という答えでした。それでも、サインプレーを教えるのではなく、基本プレーを徹底しました。攻撃の工夫は子どもたちの楽しみですから、大人が奪わないようにしたのです。この考えはどの学年も同じです。チーム力強化については、たくさんの対外試合をして実戦で強くなっていきました。
村上 ヒーローズカップに出たことで子どもたちに変化はありましたか。
林 ラグビーに対する意欲が出てきました。大会前と大会後ではものすごく差があります。中学部に上がるところで、辞める子も多いのですが、今年の6年生はヒーローズカップに出たことによってほとんどの子(34人中31人)が中学部に上がります。
村上 負けて終わっても意欲が出たのですね。
林 この学年は小学1年生のころから負けたことがありませんでした。指導者としては、負ける経験もさせたくなったほどです。しかし、子どもたちは手を抜きません。九州では負けを知らないまま勝ち続けました。それが全国大会で負けたことで、自分たちの立ち位置を知ったのです。まだまだ上がいることが分かったのです。もっとご飯を食べて体を大きくしようとか、負けたことで意欲が出ましたね。
ラグビーをすることで
養われる思いやりの心
村上 1985年創部とのことですが、当時のことはご存じですか。
林 コカ・コーラのラグビー部、九州電力ラグビー部OBの有志が集まって作られたと聞いています。福岡市の中央部には草ヶ江ヤングラガーズなどチームがあったのですが、東部にはなかったのです。最初は一学年10名もいなかったと思います。九州電力の香椎グラウンドで練習するようになったのもOBの方がいたからですね。
村上 今も使っているのですよね。
林 定期的に使わせていただいていますが、九州電力キューデンヴォルテクスがリーグワンに入るときに、下部組織を持つ必要があり、一つのチームだけではなく、福岡レディース、福岡ユースとも提携したので、複数のチームが使用するようになりました。
村上 JAPANBASEも使うのですね。
林 以前はコカ・コーラのグラウンドだったので、無料で使わせていただいていましたが、現在は日本ラグビー協会の管理になったので、有料でお借りしています。
村上 昨年、NPO法人にされたようですね。
林 生徒数が増えてきましたので、個人でお金など管理するのではなく、誰がやっても続けられるように法人化することにしました。
村上 長く教えられていて、印象的な生徒はいましたか。
林 私がよく覚えているのは、布巻峻介君(埼玉パナソニックワイルドナイツ)ですね。彼はお兄さんがいて、小学1年生からかしいYRに入っていました。私が出会ったのは小学4年生くらいでしたが、そのころはやんちゃでした。でも、人としてどんどん良くなりましたね。他の子も同じですが、ラグビーをすることで、自然と思いやりが養われていくようです。峻介は、ラグビーは群を抜いてうまかったです。小学生のころからスーパーラグビーをよく見ていて、その話ばかりしていました。
村上 ラグビー以外で子どもたちが楽しみにしているイベントはありますか。
林 登山や駅伝ですね。登山は4月に入ってくる子と仲良くなるためにも春にやります。駅伝は2月に開催しますが、日ごろの練習の成果を体力的に発揮するイベントです。1年生から5年生のブロックと、6年生と中学生のブロックを作って、タイムを計りながら競争します。
村上 現在、生徒数が約240名。かしいYRに人が集まるのはなぜですか。
林 九州電力のグラウンドや、JAPAN BASEを使用できるという練習環境の良さは要因の一つだと思います。
村上 保護者の方の役割はありますか。
林 保護者の方をまとめていただく役員を各学年3名から4名ほど選出しています。かしいYRのイベントを取り仕切り、各学年が独自で行うイベントをとりまとめていただいています。原則はコーチが主導であるというのがチームの方針で、保護者の皆さんはサポートに回っていただいています。
村上 ラグビーというスポーツが子どもたちに与える影響については、どう感じられていますか。
林 これだけ大人数でやるスポーツはあまりないですよね。思いやりを持つようになるし、団体行動の中での自分の立ち位置、リーダーシップが育ちます。かならずしも先頭に立つということではなく、リーダーシップはおのずと身につくと思います。
村上 今後のスクールの目標はありますか。
林 来年40周年なので、50周年に向けてクラブ存続のために子どもたちの確保、指導者のレベルアップですね。私のようにチームのOBが自分の子どもをかしいYRに入れて、指導者としても携わっていくという流れを作っていきたいです。今の6年生のことで言えば、3年後、彼らが中学3年生の時に、水戸で行われている全国大会で一番高いところを取ることが子どもたちの目標です。ヒーローズカップで負けたのがそうとう悔しかったようですね。
村上 部員は随時募集中ですか。
林 はい。あまり増えすぎると練習場所が手狭になり、子どもたちも危険なので、各学年40名でいったん打ち切ろうと思っています。それまでは随時受け付けていますし、ホームページに入部のお問い合わせのフォームがありますので、ぜひご検討ください。
ラグビースクールインタビューアンケート
1、ラグビースクールの名前
N P O法人 かしいヤングラガーズ
2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等
3、代表者名
内田 義博(理事長)
4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
かしいヤングラガーズホームページよりhttps://www.kashii-youngruggers.com/
5、活動場所・練習場所
活動場所:主に福岡県福岡市東区
練習場所:九州電力香椎競技場,JPAN BASE、他近隣の運動公園等
6、練習場所は天然芝、人工芝、土等
天然芝、人工芝、土(練習会場により)
7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
活動時間
小学部:日曜日 AM9:30~PM1:00
例外;協会主催の大会1ヶ月前より土曜日練習あり
中学部:土曜日、日曜日 AMorPM
8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
入会金:1,000円(初年度のみ)
基本会費:12,000円(年会費、全学年共通)
グランド加算金:6,000円(小3~小6)、8,000円(中学部)
9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
生徒数:約240名
女子選手:15名前後
外国人:4.5名
10、コーチ人数、指名、経歴等
コーチ人数:約100名(保護者コーチ含)
11、モットー・大事にしている事・理念
・基本理念
何ものにも恐れずぶつかっていく勇気ある子供に育てる。
ルールを守り、協調性、人間としての優しさを育てる。
最大限のチャレンジを試み、喜び・価値を全身で感じとる。
ラグビーの正しい基本とフェアプレイ・ノーサイド精神を習得する。
12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
基本的に全員試合に出場させる
13、歴史・活動実績
1985年(昭和60年)に福岡市東区にて発足
14、OB・輩出トップリーガー
OB:豊田 将万、布巻 峻介(パナソニック)、福井 翔大(パナソニック)など
OG:古田 真菜、野田 夢乃、吉野 舞祐など
15、指導方針・教育方針
指導の基本原則
楽しくなくてはいけない。
安全でなくてはいけない。
すべてのプレーヤーに全てのスキルを。
子供には子供にあった感動を
勝利至上主義に陥らない。
16、合宿・場所・期間・参加年齢等
国立 阿蘇青少年交流の家
毎年7月の4週目の金、土、日(2泊3日)
小学4年~中学2年まで
17、校歌等
有(かしいヤングラガーズのうた:スクラムくんで)
18、ラグビー以外の行事
駅伝大会(2月)登山(4月)、餅つき(12月)
19、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
可能です。ほとんどの子供が何かしらの習い事との掛け持ちをしております。
20、保護者の活動への参加・サポート
あります。
21、クラブハウスあれば
無し
22、交流する他のラグビースクール
福岡県内のラグビースクールとの定期交歓会
23、交流するラグビー団体(学校・協会・トップリーグ等)
九州電力ヴォルテックス
保護者へのアンケート(男子の保護者、女子の保護者)
1、このスクールを選んだ理由
父と兄が昔、かしいヤングラガーズの指導者、卒業生で、推奨されました。
地元の同級生が先に入部していたのと、小学部のうちは日曜日しか練習がない為、共働き世帯には送迎がしやすい点
2、このスクールの良い点
我が子のように接してくださり、ラグビーを愛し、温かいご指導をしてくださります。何よりたくさん褒めて伸ばしてくれる指導者が多いです。
近隣にグラウンドが多く天然芝や人工芝と練習環境が良いのと部員数が多いので選手層が厚い点です。
3、スクールに改善して欲しい所
中学1年生の試合数増加、女子選手の育成強化、中学部でも男子と女子を積極的に交流をさせて頂きたい。
指導方針の見直しと共有(楽しい、平等だけではチームは強くならないと思います。
4、お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
向上心が強くなりました。経験した事に対して改善点を見つける力、又は見つけようと考える力が養えた。
ラグビーを通じて仲間思いの優しい子になってると思います。
5、お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
運動量が増えた。食事量が増えた。パス練習等、子供と関わる時間も増えました。
日曜だけでなく、平日もラグビー中心の生活になりました。
6、スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
継続させたいと思っておりますし、本人も継続を希望しております。
はい、続けて欲しいです。
7、ご自身もラグビーをしていましたか
いいえ。
いいえ。
8、ご自身もラグビーが好きになりましたか
はい。スクール内の様々なイベントへの参加やコーチ陣によるラグビーの講習会等を受け、知識が増えるたびに、楽しさも増していき、愛すべきスポーツとなっています。
はい、どっぷりはまりました。
9、どんな大人になって欲しいですか
心身共に強く、他者にも自分にも優しさの溢れる大人になって欲しいです。
仲間思いの人から慕われる選手、大人になって欲しいです。
10、スクールに入れてよかったですか
はい。スキルはもちろんですが、沢山の方との出会いやチームの経験を積み重ね、親子で成長させて頂いている事に感謝しております。
はい、大変良かったです。