小学生にラグビー全国大会「ヒーローズカップ」は悪か?

ー小学生ラグビーの全国大会について、賛否両論が存在しています。その中で元日本代表の後藤翔太様のご意見をお聞かせください。
 
『両方やればいい』と考えています。スポーツに限らず全ての活動には、メリットとデメリットが存在します。トーナメント制により、勝利至上主義に陥ることで強豪チームへの移籍が大会前に増え、上手かったり強かったりする子供だけがゲームにたくさん出場してしまいます。子供によっては成長がまちまちの中で、成長のタイミングが遅い子供はゲームの出場する機会が減るという弊害があると思いますね。
 
しかし勝ちに向かうというところの大切さを強く感じています。勝つために知恵を絞り、努力を必要とし、その努力が実らないときには悔しさを感じ、その悔しさが次へのエネルギーとなると思いますね。そのためには楽しく、集中できるように、選手へより良いコーチング、より良いチーム作りが必要になりますね。
 
私が小学生の頃に地元である九州大会はあっても全国大会がなくて不思議に感じました。トーナメント制にすることによる弊害はありますが、今後リーグ戦などで解決できると思います。
 
人生の中では、試合に出場できなくて悔しい思いを持つことも必要だと思います。私も大学生の頃に1、2年生頃に試合に出場できないから、必死で頑張った経験もありますし、後輩に越され、その後輩と全く口を聞かなった時期があるが、今は仲良く本当の友達になれました。そうゆう意味でも社会に出て役に立つことがあると思いますね。
 
―小学生に大人と同じプレイをするのは早いのではという意見がありますが
 
本当に勝とうと思うと、一生懸命にやることが楽しくなる、本当のスキルが身に着けば楽しくなる、どんどん色んなプレイの努力をしたくなるような、集中力があがるような良いコーチングをすることが重要だと思いますね。別の表現で言うならば勝たせることとそのデメリットが直結しないと感じますね。
 
―強制することは
 
子供は未成熟な部分が多く、小さくとも大人になるにつれて、他人よりも大きくなる可能性もあるので、どの部分を強制し、どの部分を強制しないかをコーチングする必要があると思いますね。
 
―選手に期待することは
 
とにかく自分で考え、実行する、修正する、答えを出すことを間違っていてもいいから、やり続けることが重要だと思いますね。私自身もラグビーを好きだと思ったことがなかったです。色んなスポーツをやっても周りより上手くなかったですが、でも周りが誰もやっていなかったラグビーでトップに上り詰め、勝ちたかったから考えて続けることができました。その考えることが楽しいことなのかなと思いますね。
 
―日々ボランティアで指導者をされている方へ
 
いつもありがとうございます。
私は小学生の頃に大分のスクールで上野先生から愛情を持ってラグビーを教えて頂きました。その先生がいなければラグビーをずっとやってこれなかったです。
昨日も電話で話したところでした。
そういったボランティアの指導者のおかげで、日本のラグビーは支えられていることは間違いないです。子供たちの未来のためにこれからも引き続きよろしくお願いいたします。
ボランティアだからコーチングがないと繋がらないと思いますね。ボランティアは自身の身を削ってやるからこそ、より楽しく子供たちがラグビーをしてくれるかというプライドが必要かと思いますね。
 
―最後にひとこと
 
ラグビーのおかげで、ここまでやってこれたことに感謝します。これからもラグビーを発展させていきたいです。

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