【インタビュー】第111回▶函館ラグビークラブスパークルズ(北海道)

函館で一番新しい ひと味違う 函館の独立系ラグビースクール
函館ラグビークラブ、愛称スパークルズは2020年に創部されました。スパークルズという愛称は、子どもたちに輝いてほしいという思いが込められています。函館市根崎公園ラグビー場(改修工事中は函館大学グラウンドを使用中)を使用し、原則として土曜、日曜に活動。小学生、中学生でグラウンドを分け、第2日曜日は全体練習というスケジュールでラグビーを楽しんでいます。生徒数はまだ少ないのですが、長期的視点に立った指導で、ラグビー漬けにすることなく、さまざまなスポーツを経験することを推奨してます。スパークルズの活動について、チームの代表である川村康幸さん(51歳)にお話を伺いました。(2023年4月取材)


リスペクト、全員の笑顔、
おかわりしたくなるラグビー

村上 川村さんとラグビーの出会いから教えていただけますか。
川村 高校(北海道立函館稜北高校)入学と同時にラグビーを始めました。テレビドラマの「スクール☆ウォーズ」の影響です。同期で20名くらい入部しました。私は函館稜北の5期生なのですが、同校ラグビー部は函館地区で上位に行くチームになっていました。当時の函館地区はレベルが高く、函館で1位になって全道大会に行けば全国大会への切符を得られるという時期です。函館有斗高校が全国大会の常連でしたが、私が3年生の時に稜北が初出場し、3年連続で出場することができました。卒業後は地元の社会人クラブ(上磯ラガー)でもプレーしました。

村上 スパークルズを立ち上げることになったのは、どんな経緯ですか。
川村 社会人のチームで3年プレーしたあと、ラグビーからは離れました。結婚して子どもができてラグビーができる年齢になったとき、高校ラグビー部同期のキャプテンからラグビースクールを勧められました。それで子どもを通わせることになり、私もラグビー経験者なので指導員になりました。その後、10年ほど関わったのですが、自分のラグビー観を形にできるように、チームを立ち上げました。

村上 2020年に設立されたばかりですね。最初は何名くらいから始めたのですか。
川村 3人でした。私の息子(三男)と、仲の良い友達とで始めました。三男が小学5年生のときです。

村上 ご自身の「ラグビー観」というのは、どんなものですか。
川村 勝敗にこだわりすぎない、ということです。誰もが純粋にラグビーというスポーツを楽しめる環境を作りたいと思っていました。長く続いているラグビースクールにはそれぞれ考え方がありますし、生徒数が多くなれば、ひとつの考え方だけでは運営できないところもあるでしょう。それで、自分でチームを立ち上げてみようと思いました。

村上 モットーが、「リスペクト(大人も子どもも他者への理解)、全員の笑顔・おかわりしたくなるラグビー」とありますね。
川村 リスペクトというのは、大人も子どもの立場を尊重する、子ども同士もお互いにリスペクトしあうということです。そういう考えを一人一人に持ってもらいたいのです。練習のスタートのときには、全員で円陣を組み、隣の子に「きょうも来てくれてありがとうございます」と声を出すところから始まります。

村上 おかわりしたくなるラグビーというのは、面白い表現ですね。
川村 毎回、3時間くらい練習しますが、その中でラグビーの練習というのは、1時間あるかないかです。コーチ陣には教え過ぎないことを徹底していて、子どもたちが、もっとやりたいと思うくらいの練習にしたいと思っています。そうすることで、子どもたちが自分たちで考え、工夫するようになりますし、次の練習が楽しみになる。それを、おかわりしたくなるラグビーという言葉で表しています。

村上 ラグビー以外の練習とは、どんなことですか。
川村 SAQトレーニング(スピード=速さ、アジリティ=敏捷性、クイックネス=俊敏性の頭文字を取ったトレーニング)で、ミニハードル、ラダーを使って素早い動きを身に着け、怪我をしない身体を作るために、関節を動かす体操なども取り入れています。

村上 川村さんのラグビー観はどのように形作られたのですか。
川村 私がラグビーをずっと好きでいられたのは、それほど上手い選手ではなかったのに、学校の先生がラグビーに触れさせ続けてくれたおかげです。ラグビー観もその影響が大きいです。小学生は同じ学年でも体格差があり、成長には差があります。上手くできない子もいますが、ラグビーが好きだから来てくれています。そんな子が挫折感を味わうことのないような接し方ができれば、恩返しになるのではないかという考えが生まれました。

村上 それは実際に指導されるようになって、より強く思うようになりましたか。
川村 それはあります。毎週の練習に、つまらなそうに来ている子もいますが、少しでも楽しくできるように声をかけてあげることで、卒業後もラグビーを続けてくれている子がいます。コーチの影響力に気づかされました。


チーム加入時に手渡すラグビーノート
大切なのはラグビー憲章を理解すること

村上 ラグビーが持つ精神性も大切にされているようですね。
川村 試合になると身体をぶつけ合って、自分も痛いけど、相手も痛いということが感じられるスポーツですよね。ルール上は禁止されていないけど、この一線は超えてはいけないということが体で知ることができます。

村上 それ以上激しくぶつかると、相手が怪我すると思って踏みとどまるようなことですね。
川村 ラグビーだからこそ、大切にしないといけないところですよね。相手に勝つために試合をするけど、相手をリスペクトしながらプレーするところがある。ラグビーは不思議なスポーツだと思います。

村上 精神面のところは、子どもたちに話すのですか。
川村 チームに入って来てくれた子には、「ラグビーノート」を一冊渡しています。日記でもいいし、練習で気づいたことでもいいし、自由になんでも書こうというノートです。ただし、1ページ目だけは書くことが決まっています。ラグビー憲章を書いてもらうのです。

村上 ラグビー憲章の言葉「品位、情熱、結束、規律、尊重」を書くのですね。
川村 その一つ一つを理解してもらうために、それぞれの意味も各学年でわかるように書いてもらいます。これを理解して行動して初めてラグビーなのだということです。新しく入ってきた子どもたちには、分かっている子どもたちが教えています。足が速く、身体が大きく、相手よりも強いというような、フィジカルの部分だけがラグビーではないと伝えます。

村上 事前のアンケートで「一風変わった、一味違うラグビーチーム」という記述がありますね。
川村 他のチームから見ると、ラグビー憲章をノートに書くなど、そんなところになぜ時間をかけるのだろうと思われるかもしれません。一風変わった一味違うチームというのは、そういうところです。

村上 アンケートの指導方針のところに、「ラグビーバカを育てない」ともありますね。
川村 言葉がきついかもしれませんが、ラグビーだけ、というのは良くないと考えています。他のスポーツをするように勧めています。ラグビーを例に話すことがあるのですが、「パスしかできなかったら、それだけになるけど、1人がパス、もう1人がキックができたら、組み合わせてできることが倍になるよね、と。ラグビーとサッカー、ラグビーと勉強でもいいのですが、自分が次のステップに進む道がラグビー以外にも作れるし、いろんなオプションを持てるよねという話をしています。

村上 保護者の方の役割分担などありますか。
川村 子どもたちと一緒に身体を動かしたい方には、自由に練習に参加してもらっています。強制的なものはありません。

村上 いま、小学生、中学生で24名ということですね。どのように生徒募集をしているのですか。
川村 スパークルズに通ってくれている子の小学校にチラシを配っていただいたり、生徒が友達を誘って連れてきてくれたりですね。

村上 今後の目標を聞かせてください。
川村 各学年で単独のチームが組めるくらいまでは生徒数を増やしたいです。卒業した生徒たちが、ラグビーを続けるのかどうかは別として、次のステップで「ラグビーって楽しかったね」と言えるようにしていきたいですね。自由な発想で笑顔のラグビーを脳みそフル回転で試せるのがスパークルズのラグビーです。それを日常生活でも活かし、各方面で発揮できるようになってもらえればと思っています。



ラグビースクールインタビューアンケート

1、ラグビースクールの名前
 函館ラグビークラブ
 愛称 スパークルズ

2、シンボル・ユニフォーム・エンブレム等


3、代表者名
 川村 康幸 (カワムラ ヤスユキ)

4、住所・連絡先・担当者等入校希望者や問合せ先
 〒041-0852 北海道函館市鍛治1丁目35-7
 hakodatenesaki@gmail.com
 入会はHPより、お願いしています。
 https://hakodate-sparkles.jimdofree.com/

5、活動場所・練習場所
 北海道函館市・函館市根崎公園ラグビー場(根崎ラグビー場改修工事中は函館大学グラウンドを使用)

6、練習場所は天然芝、人工芝、土等
 天然芝(根崎ラグビー場)、雑草(函館大学グラウンド)

7、活動時間、スケジュール、年間スケジュール等
 小学生 : 毎週土曜日 午後1時30分~午後4時
 小学生 : 第2日曜日 午前9時30分~12時
 中学生 : 毎週土曜日 午後1時30分~午後4時
 中学生 : 毎週日曜日 午前9時30分~12時
 ※第2日曜日はスパークルズ全体練習日
 ※11月~2月は体育館練習が主となります

8、入会費・会費・用具費用等、活動に必要なもの
 入会費 12,000円(年会費)の他、チームユニフォーム・ボールは各自で購入。

9、生徒人数・女子選手の構成比等・外国人対応等
 25名 中学生7名・小学生18名(女子2名)
 ※2022年

10、コーチ人数、指名、経歴等
 4名、スタートコーチ以上の資格の他には経験は問いません。

11、モットー・大事にしている事・理念
 リスペクト(大人も子供も他者への理解)
 全員の笑顔・おかわりしたくなるラグビー

12、特徴・全員試合出場など他のスクールとの違い
 長期的視点で課題克服志向での育成・一切の忖度なし・公平公正
 リスペクトタイム、第2日曜日はチーム全体練習日、誰もが先生
 特に小学生は家族や友達など、ラグビー以外の時間も大切にしてもらうために
 第2日曜日以外の日曜日に練習はしません。

13、歴史・活動実績
 2020年夏に創立したチームです
 一風変わったひと味違うラグビーチームですが
 保護者様の理解のもと子供たちが集まり始めているチームです。

14、OB・輩出トップリーガー
 OBではありませんが今春相良組で早稲田を卒業した長男(フォワード)と・現役明大生の次男(バックス)が帰郷したときは、練習に参加してもらいアドバイスやトレンドを伝えてもらっています。今後は生徒たちへ希望を与えてもらえるようなラグビー選手以外でも活躍するOBが増えてくれることを大いに期待しております。

15、指導方針・教育方針
 ラグビーバカは育てない

16、合宿・場所・期間・参加年齢等
 中学生はチーム力を高めるために夏合宿(宿泊または日帰り)・函館市内

17、ラグビー以外の行事
 夏イベント・クリスマスイベント・書初

18、他の習い事との掛け持ちが可能か・何人いるか
 習い事の掛け持ち可能。ラグビー以外何もしていない子は心配。

19、保護者の活動への参加・サポート
 強制はしていません。
 体を動かしたい保護者の方は、希望により初めてのラグビーに触れて楽しんでお手伝いしてもらってます。

20、クラブハウスあれば
 ホームグラウンドの根崎公園ラグビー場内

21、どんなスクールを目指すか(将来像)
 ラグビーをずっと好きでいてくれる卒業生が、各界でラグビーの魅力を周りに伝えてくれるようなチーム作りをしていきたいです。

22、生徒にどんな大人になって欲しいか(教育観)
 主体性を持ち正しい行動をとれるに人に育ってほしい

23、プレースタイル
 スタープレーヤーを作らない

24、交流する他のラグビースクール
 北斗レラモンキーズ(タグラグビー)・函館ラ・サール中学校

25、Facebookアドレス
 https://www.facebook.com/hakodateRC

26、Instagramアドレス
 https://www.instagram.com/hakodaterugbysparkles/?hl=ja

27、Twitterアドレス
 https://twitter.com/mamakles



保護者アンケート

●中学1年 保護者
1、 このスクールを選んだ理由
 可能性

2、 このスクールの良い点
 頭を使うところ

3、 お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 やる気がアップ
 ラグビーの試合を見るようになった

4、 お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 勉強をしっかりやる

5、 スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
 続けてもらいたい

6、 ご自身もラグビーをしていましたか
 いいえ

7、 ご自身もラグビーが好きになりましたか
 はい

8、 どんな大人になって欲しいですか
 自分のためにやっていることと同じく
 見返りを求めず人の為にやれるような人

9、 スクールに入れてよかったですか
 はいもちろん

●小学5年生 保護者
1、 このスクールを選んだ理由
 同級生の紹介


2、 このスクールの良い点
 一生懸命なところ


3、 スクールに改善して欲しい所
 今のところありません


4、 お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 天気が悪くても体を動かしたいので、スクールに行きたがる


5、 お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 週末に体を動かすのがとても楽しみになりました


6、 スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
 本人次第です


7、 ご自身もラグビーをしていましたか
 私は未経験者です。スクールに習っている子の兄がやっていました


8、 ご自身もラグビーが好きになりましたか

 はい


9、 どんな大人になって欲しいですか
 大変なことがあってもへこたれないメンタルの持ち主


10、 スクールに入れてよかったですか

 はい



●小学4年生 保護者

、 このスクールを選んだ理由
 サークルの保護者に誘われて

2、 このスクールの良い点
 保護者が積極的に手伝っている
 楽しく参加出来る。
 子供達のリスペクトがあり、次へ繋げる事が出来る。

3、 お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 考え方が、変わりました。
 友達とのトラブルが減りました。

、 お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 トレーニングをしようとする、意欲が出た。

5、 スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
 欲しいと思う

6、 ご自身もラグビーをしていましたか
 旦那

7、 ご自身もラグビーが好きになりましたか
 はい

8、 どんな大人になって欲しいですか
 気が利かなくても良いけど、人の気持ちがわかり、寄り添ってあげられる人

9、 スクールに入れてよかったですか
 はい



●小学6年生 保護者

1、 このスクールを選んだ理由
 スクールの保護者からの誘いがあり。

2、 このスクールの良い点
 コーチの楽しんでラグビーをやるという、考えのもと、指導があり、息子も楽しく通うことが出来ている。

3、 お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 落ち着いた。暴力がなくなり、友達とのトラブルが減った。

4、 お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 変わらないが、考え方が変わりました。

5、 スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
 続けて欲しいと思うが本人にまかせる。

6、 ご自身もラグビーをしていましたか
 主人が

7、 ご自身もラグビーが好きになりましたか
 はい

8、 どんな大人になって欲しいですか
 優しく気が利かなくても良いけど、回りの手助けが出来る人

9、 スクールに入れてよかったですか
 良かったです。


●小学5年生 保護者


1、 このスクールを選んだ理由

 <子供の習い事を考えていた時に、函館に新しく2チーム目となるラグビークラブが出来た事を新聞で知りました。SNSでの発信からさらに情報を得て、体験会へ参加し本人自身でこのチームを選びました。>

2、 このスクールの良い点
 <笑顔を大事にしているところです。>

3、 スクールに改善して欲しい所
  <平日にも練習日があると嬉しいです。遠征へはバスなど、チームの仲間と皆で行ける事が望みです。>

4、 お子さんの変化・スクールに入って変わりましたか
 <『友達』とは違う、『仲間』を意識するようになりました。学校生活においても、益々積極的になりました。>

5、 お子さんがスクールに入って生活に変化がありましたか
 <少しだけですが(笑)自学自習の時間が長くなりました。自宅でのeスポーツ(笑)がチームの子達とする事が増えました。>

6、 スクールを卒業してもラグビーを続けさせますか・続けて欲しいですか
 <続けさせたいですし、続けて欲しいです。>

7、 ご自身もラグビーをしていましたか
 <していませんでした。>

8、 ご自身もラグビーが好きになりましたか
 <とても好きになりました。>

9、 どんな大人になって欲しいですか
 <明るく楽しい大人に。ラグビーチームを作れるくらいの、子沢山な家庭を築いて欲しいです。賑やかな家族の大黒柱として、何事にも一生懸命な大人であって欲しいです。>

10、 スクールに入れてよかったですか
 <とても良かったです。>




関連記事