【インタビュー】社会で活躍するラガーマン 大正製薬ホールディングス社長上原明様~その3~

村上 上原さんは大学の理事を務めるなど、教育にも力を入れていらっしゃいますね。

上原 成蹊学園の理事・評議員、慶應義塾大学の理事・評議員、城西大学の理事長でもあります。引き受けた限りは全力を尽くす主義ですから、やれることはやろうと思っています。

村上 教育についてはどんなお考えをお持ちですか。

上原 いまは人生100年時代と言われますね。私は20年が一節だと思っています。
20歳までは知識を吸収し、体を作り、情操を豊かにする。実学を積むのが次の20年。40歳になると、世の中にどんな仕事があるのがだいたい分かってくる。そこからは本当にやりたい仕事を選び熱中する。定年まで勤めあげたら、今度は次の世代のお手伝いをする。それが60歳~80歳まで。以降は自分の健康に気をつけながら社会に貢献する。
今は変化の時代ですから、大学などで教わったことを基礎にしながら自分で考えないといけない。問題意識があってはじめて、改良、改善、改革ができる。問題を解くためには、いろんな人から情報を集める。先人から学ぶ。他人から学ぶ、そして、得た知識を基に解決策を考え、実行し、自分の経験から学ぶことが大事なのです。

村上 子供たちには、ラグビーを通してどんなことを学んでほしいですか。

上原 一番重要なのは、何を感じたか、どう思ったか、自分で考える習慣を身に着けることです。ラグビーでも、なぜあそこで抜かれたのか、なぜ怪我したのかを考える。他人のプレーを真似るだけではなく、彼はどうしてそれをし、できたのか、そのノウハウを勉強することが必要だと思います。

村上 今後の日本ラグビー界に期待することはどんなことでしょう。

上原 スポーツは地方創成の核、共同体の軸になり得ます。野球、サッカー、バスケットボール、それぞれにファンが集まるコミュニティーができている。これは高齢長寿社会の中で重要です。スポーツはその軸になるし、ラグビーもそのうちの一つ。チーム全体のことを考えるラグビーのスピリットは優れていると思います。いま、話の出ているラグビーのプロ化も、地域密着型であれば大賛成です。

村上 今後もラグビーのサポートは続けられるのですか。

上原 続けます。今の日本にはみんなで助け合うことが重要です。自分だけが良いという社会ではダメです。世代間格差、教育格差、富の格差、これを縮めながらみんなで共有していかなくてはいけない。ラグビーのみんなで行動していく精神は得難いものです。

つづく~

上原明様

《略歴》

昭和41年 慶応義塾大学経済学部卒業
昭和52年 大正製薬株式会社 入社
昭和57年 代表取締役社長 就任
平成24年 代表取締役会長 就任
平成25年 大正製薬ホールディングス株式会社代表取締役社長 就任
平成27年 大正製薬株式会社取締役会長 就任

成蹊学園 理事・評議員 慶応義塾 理事・評議員 城西大学 理事長

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